てなわけで、癌

2008-07-13 22:37:17 | Weblog
 父親の前立腺がん騒動もなんとかどうやら落ち着き
そうで、退院も間もなくとあいなりました。なんつーか、
若干ほっとしている昨今。

 摘出した癌の病理検査の結果もカンニング竹山似の
担当医から説明をうけまして、「切除面からはがん細胞
は発見されなかった」とのこと。つまり現在の技術にお
ける検査法では、癌細胞の残留はなかったという意味
であります。「しかし」とカンニング竹山氏は続けました。
「悪性度がかなり高い腫瘍であったので、再発リスクは
かなり高い」と。

 ただし、仮に再発しても進行の遅い前立腺癌としての
特徴は保持しているらしく、それが目に見える、いわゆ
る「腫瘍」として出現するまでにはかなりな時間がかか
るであろうという話でありました。そしてそうなったときに
は、放射線療法やホルモン療法でかなりな延命が期待
できると。つまり、この癌が原因であの世に行くにはまだ
まだ時間がかかるらしいという結論であります。

 今年で75才の老人、80才まで生きればそれで御の字
だという気もするわけでありますが、そのときになればなっ
たで、「あと5年なんとかなんないか」と思うことでありまし
ょう。身近な人間の命というのはやはり大切、たとえそれが
「人間としてあまりリスペクトの念を持っていない」父親であ
ったとしても。

 老人だから進行が遅くてまあまあいい結果が出たわけで
ございますが、俺みたいな40代だと進行も早くてとってもア
レだろうなあ、などとイマジンする次第であります。以前同じ
職場で働いていた、俺よりひとつふたつだけ年上だった男性
がこの間癌で逝き、そういう思いがより一層強く。「人生わず
か50年」と言われていた時代であればもうそろそろ晩年、人
生総まとめに手をつけないといけない年齢なわたくしでありま
すが、ここに至ってもまとめるものなどなにひとつない。全世界
「いてもいなくても結果は同じだった人間」コンテストでも行わ
れれば確実に上位を狙えそうなわが現況。どうすりゃいいんだ
よチキショーメイ。

 お袋と見舞いに行っても話題はだいたい我ら家族3人の生き
死にの話ばかり。「親より先に逝ったら親不孝だからね」などと
釘を刺されているわけですが、寿命ばかりはどうしようもない。
風呂場で足滑らせて頭打ったらこれはもうだれの責任かと。ひ
との命ばかりはもうどうなるものでもない。「あんたの面倒まで
見切れないよ」と、思いっきり道理なことを言われましたが、「わ
かった。絶対にあんたらより先には死なない」と約束することも
できない鬱病持ち。さて、我らが3人に今後数年どんな事件が
ふりかかりますか。あまり想像したくないですが。

 骨身に沁みたことは、「平凡な日常がいちばんの幸福」という
こと。元々波乱万丈な人生は似合わない男がわたくしでありま
す。時の流れるまま、あまり動かずに生きてゆきたいと考える
所存であります。