ボリショイ劇場 & シドニ-オペラハウス観劇記

元モスクワ、現在シドニ-赴任の元商社マンによるボリショイ劇場やシドニ-オペラハウスなどのバレエ、オペラ観劇記です

新国立劇場バレエ団『ジゼル』 初日 2月17日(日)

2013年02月23日 | Weblog

Nさんから新国立劇場バレエ団『ジゼル』初日分を寄稿頂きました。

前回と大分演出が変わり、面白く鑑賞されたとのこと。
 
写真はぶどうの収穫祭にちなんで赤ワイン、
プログラムとホワイエの各テーブルに置かれていた
円形の新国立劇場アトレ会員キャンペーンのパンフレットです。
 
 
新国立劇場バレエ団『ジゼル』2013年2月17日(日)
 
ジゼル:長田佳世
アルベルト:菅野英男
ミルタ:本島美和
ハンス:マイレン・トレウバエフ
クールランド公爵:貝川鐵夫
バチルド:湯川麻美子
村人のパ・ド・ドゥ:竹田仁美 八幡顕光
ドゥ・ウィリ:細田千晶、寺田亜沙子
 
ジゼルは長田佳世さん、可憐で病弱でありながらも
登場した瞬間舞台全体にぱっと陽の光が差し込んだかのような
晴れやかさがあり、明るさを失わない
生き生きとしたヒロインであった。
村の人々から慕われているしっかり者のお姉さんのような存在で、
アルベルトもジゼルに何度も元気付けられていたことと想像がつく。
踊りの途中具合が悪くなっても笑みを絶やさず
心配するアルベルトを気遣う健気さが心を打った。
第2幕ではアルベルトを守ろうと女王ミルタにも怯まぬ
きりりとした強さに圧倒された。

アルベルトは菅野英男さん、心優しい誠実さに溢れる貴公子で、
とても女性を裏切るような人には見えないほど。
だからこそ、婚約者がいながらジゼルに恋してしまったのは
深い理由がありそうな予感をさせた。

昨年12月のシンデレラでも共演したお2人なだけあり
確固たるパートナーシップを披露、
静かに愛を育む落ち着きのある素敵なペアで
日曜日の再登場も楽しみである。

精霊の女王ミルタは本島美和さん、
奥底から湧き上がるような威厳と美しさのある女王で
ジゼル、アルベルト、森番ハンスの願いを
容赦なく拒む腕の動きも雄弁であった。
2幕でジゼルが精霊として登場したとき被っているヴェールは
吹き飛ばされていた前回と異なり、
今回はミルタ自身が取り外す演出に変更していたが、
よりミルタ威厳が増し、説得力があると感じさせた。

美しさとおどろおどろしさを備えた2幕の精霊達の群舞も見所、
幽玄な世界が広がり、アルベルトやハンスでなくても
嵌ってしまいそうである。
 
また、前回は下手側手前にあったジゼルのお墓が
今回は後方に変わっていた。
それにより、2幕でジゼルが登場するとき
舞台下に備えられたエレベータに乗って
すうっと舞台上に現れていたが、
今回は精霊達が覆い囲むなかからぱっと現れる演出であった。
確かに、ロシア版はあまりにハイテクノロジーではあるが
立体感があって面白かっただけに少々残念。
エレベータ復活を望みたいところである。

次公演は水曜日19時より、
イングリッシュナショナルバレエからのゲスト
ダリア・クリメントヴァとワディム・ムンタギロフ主演である。
20世紀を代表する名ペア・フォンティーンとヌレエフの
再来と呼ばれるほどの素晴らしいパートナーシップを
築き上げているとのことで
昨年2月にガラ公演にゲスト出演したときの舞台を見た知人の誰もが
絶賛していた。

こちらにお2人のインタビュー記事が掲載
http://www.atre.jp/13giselle/common/pdf/1217_omote.pdf

お2人の厚い信頼関係が伝わる内容を読み
期待は上々、水曜日も堪能したい。


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