Nさんから2日目の分の寄稿頂きました。
写真はホワイエに飾られていた
シンデレラと仙女の衣装です。
新国立劇場バレエ団『シンデレラ』2012年12月16日(日)
シンデレラ:米沢 唯
王子:厚地康雄
義理の姉たち:古川和則 野崎哲也
仙女:本島美和
父親:石井四郎
春の精:細田千晶
夏の精:堀口 純
秋の精:奥田花純
冬の精:厚木三杏
道化:福田圭吾
ナポレオン:吉本泰久
ウェリントン:小笠原一真
シンデレラは米沢唯さん、
安定感あるテクニックで初役とは思えぬ堂々たる舞台であった。
技術のみならず細やかな感情表現も忘れ難い。
特にガラスの靴合わせで靴がぴたりと合ったとき、
本当に王子様と結ばれるのか分からず恥ずかしそうに俯き
王子に手を貸されてからようやく笑みを浮かべていて、
結婚を確信するまでの過程を丁寧に表現していた。
こちらも思わず、よかった、としんみりしたのであった。
王子は厚地康雄さん、
昔の少女漫画に出てきそうな華やかさがあり、
登場した瞬間そのオーラに惹き込まれた。
シンデレラを見つめるときは吸い込むような熱い眼差しで
シンデレラも終始どきどきとしていたに違いない。
別世界に降り立ち不安だらけのシンデレラに心を砕く
優しい王子様であった。
義理の姉妹の姉は古川和則さん、
とても陽気で明るくノリの良いお姉様だった。
ドレスに着替えるときは腰を振ってポーズを決めるなど
手伝っている洋服屋さんからも思わず笑みがこぼれる。
2幕の扇子を頭に当てての踊りはやや抑えめだったような印象があったが
その後はエネルギー発散でウェリントンに対する思いに
声援を送りたくなるのであった。
カーテンコールでも扇子で隠しながらウェリントンに力強く長い口づけをし、
最後まで気持ちを貫き通す一途なお姉様である。
姉妹の妹は野崎哲也さん、
どちらかといえば童顔である素顔が引き立ち
少し面白い顔をした西洋人形のような可愛らしさであった。
濃いキャラクターお姉様に屈服する毎日を送っているであろう
ひたむきな妹を好演していた。
仙女は本島美和さん、
仙女にしてはクールな第一印象だったが
シンデレラと接するときには柔和な表情となり
四季の精達の場面ではシンデレラ心に寄り添うような
優しさに満ちていた。
妖精達の長としての風格を感じさせた。
四季の精達は本日もベテランと新人混在の魅力あるキャストでだった。
春は細田千晶さん、そよ風のような楚々とした爽やかさがありました。
研修所を経てコール・ドとして入団し、今やファーストアーティストに昇格、
これからも注目したいダンサーである。
夏は堀口純さん、音楽をたっぷりと使った伸びやかな踊りで
煌々と降り注ぐ太陽の光の如くきらきらと輝いていた。
秋は奥田花純さん、アーティスト階級からの抜擢である。
凛々しく勇ましく、それでいて笑みを絶やさず、
ソリストと変わらぬレベルの踊りに圧倒された。
冬は厚木三杏さん、踊り込んでいる役の中でも恐らくは当たり役と思える。
近寄り難い硬質さは氷の女王そのもの、
思わずこちらまで背筋を正したくなった。
道化は福田圭吾さん、軽やかな踊りと振り撒く愛嬌に癒された。
難しいこともさらりと美しくこなし、
たっぷりと楽しませていただいた。
常時手にしている棒の先にある顔人形を撫で撫でする姿が
いたく可愛らしく映る。
星の精達の群舞もきびきび揃っていて、
尚且つ1人1人表情も生き生きとしている。
シンデレラを見守り、そして導く頼もしい妖精達だ。
次は長田佳世さん、菅野英男さんペアが登場する。
どんな舞台になるか楽しみである。
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シンデレラは、ワルツの曲が大好きです。米澤氏も最近小野氏とともに看板ダンサーになってきました。
シンデレラというと、研修所一期生さいとう美帆氏の十八番のイメージがあります。今回は主役としてキャスティングされていないのが残念です。
今後も楽しいブログを楽しみにしております!!
コメントいただきありがとうございます。
管理人様のご厚意でこちらに寄稿させていただき
早3年になります。
不思議な何かが渦巻くようなワルツ、
耳に残る旋律ですよね。
ええ、米沢さんも小野さんと同様
これからの新国立を背負っていくダンサーであると
改めて感じた舞台でした。
ええ、私もシンデレラといえばさいとうさんの
印象が強く、役柄もぴったりなだけあり
今回は拝見できず残念な思いです。
引き続き寄稿して参りますので
是非またお立ち寄りくださいませ。
初めまして。コメントありがとうございます。Nさんの素晴らしい寄稿に頼りっぱなしですがこれからも時々お立ち寄り下さい