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モーニングサテライト・ウォッチ

2017.1.6 Newsモーニングサテライト

2017年01月06日 14時22分21秒 | MS
■マーケット

NY株 高安まちまち
FRBが昨日示唆した、先行きの不透明感や、小売店のリストラ策などが投資家心理を冷やし、株価は勢いを失っています。民間の雇用報告が予想を下回った事も、悪材料視され、ダウは一時3ケタの下落。老舗百貨店メーシーズの店舗閉鎖等も、消費の先行きを不安にさせたかもしれません。冴えない経済指標を受けて、アメリカの10年債金利も急低下。一時2.3%台半ばとほぼ一ヵ月ぶりの低水準を付け、この金利低下や中国元やメキシコペソなどの動きに絡み、ドル円も一時、115円20銭台まで円高が進みました。ではNYの株価終値です。ダウが3日ぶりの反落の42ドル安、1万9,899ドル。ナスダックが3日続伸10ポイント上昇、5,487。S&P500が3日ぶりの反落1ポイントマイナスの2,269でした。
 
 
【NY証券取引所中継】米ADP雇用報告を分析
解説は大和証券CMアメリカの森本裕貴氏
 
--年明け最初の一服という感じですかね。

金利低下を受けて金融株が売られ、相場の重しになりました。一方、IT主力株が買われ、ナスダックはしっかりです。

--民間のADP雇用報告は予想を大きく下回りました。ちょっと心配ですか。

(フリップ:米大企業の雇用が伸びる)
いえ、実質的にはおおむね市場予想の範囲内だったと思います。そこで注目したいのが企業の規模別の雇用者数の伸びです。昨年から見ると小規模の企業の雇用が減少する一方、大企業では雇用が底堅く推移しているのが分かります。

--つまりこの規模別の分布が安心感になるわけですか。

はい、これは大企業に雇用が集まり、小規模の小さな企業に雇用が回っていないことを示しています。つまり労働力不足が原因です。そのことは完全雇用に近づき、労働参加率が上昇していないことから、すでに市場も分かっていることで、それを考慮すると、今日の金利低下やドル安は少し行き過ぎた反応です。新たな労働力の参入を示す労働参加率、また生産性の水準を表す賃金の上昇率は明日の雇用統計で確認できます。今後、雇用者数や失業率以上に重要視されてくるかもしれません。
 



【NY証券取引所中継】米半導体株で占う相場
解説は大和証券CMアメリカの森本裕貴氏
 
--年明け最初の一服という感じですかね。

金利低下を受けて金融株が売られ、本日の相場の重しとなりました。一方でIT主力株が買われ、ナスダックはしっかりの動きです。

--さて今年の相場を占ううえで、森本さんはある動きに注目されたらしいですね。

(フリップ:連動の謎?)
はい、実は年末年始の株式相場で、ソックス指数いわゆる半導体株式指数とダウの値動きが非常に似ていたことです。ダウ構成銘柄の中には半導体銘柄としてインテル1社が入っています。ソックス指数とインテルが連動するのは分かりますが、ダウ全体がここまで連動するのは少し意外感があります。

--なるほど、ではこれは何が要因なんでしょうか。

グラフィック半導体大手エヌビディアの影響を受けている部分があります。この会社は昨年1年間で株価が3倍以上になり、S&P500銘柄で最も上昇した銘柄でした。ただ年末年始の間、空売り集団のコメントをきっかけに売られ、その後に買い戻されるなど、荒い値動きとなりました。このヌビディアの値動きに関し、思惑が交錯し、ITセクターひいては株式市場全体について強気にみるか弱気にみるか、投資家心理を移した側面があったように思います。

--ではこの半導体株の動きが今後も注目なわけですね。

はい、半導体については人工知能やインターネットオブシングスなど長期的な成長ストーリーは健在と見ています。短期的には株式市場全体の上昇トレンドを占ううえでも決算が要注目です。アメリカの半導体企業の決算発表は、1月の3週目以降に本格化しますが、その前に世界各国の半導体企業の決算が予定されています。台湾のTSMC・オランダのASMの決算には特に注目したいと思います。
 
 

 
【為替見通し】注目ポイントは「米雇用統計と1月相場」
解説はみずほ銀行NYの日野景介氏
 
--NY市場は東京時間の流れから、もう一段の円高となっていますね。

はい、1年ぶりの利上げとなったFMOC以来の115円台となりました。朝方に発表された指標は強弱まちまちとなり影響は限定的、ドル/円は116円前半を上値が重く推移しました。特段目立った材料のない中、116円を再びした抜けると、東京時間の安値を割り込み、115円21銭まで急落しております。

--今日の予想レンジは、114.75~116.80円、節目の115円割れも見ているんですね。

注目の雇用統計を受け、節目の115円がサポートされるか、非常に重要な一日と考えております。

--注目ポイントは「米雇用統計と1月相場」、雇用統計が為替市場に与える影響というのはいかがでしょうか。

前回のFMOCでの金利見通しの引き上げにより、次の追加利上げのタイミングに注目が集まる中、今後の利上げシナリオを占う2017年最初のイベントとなるでしょう。

(フリップ:トランプ相場調整局面入り?)
マーケットは年始初日こそドル高円安のトランプ相場を継続しましたが、人民元の急騰をきっかけに、年末までのトランプ相場から急速に調整を見せており、雇用統計が市場予想通りのレベルでも、ドル高円安基調に戻れるかは疑問が残ります。過去3年、年末までのドル高・金利上昇が年明け1月から否定される相場が見受けられるということに加え、今回はそのドル高・金利上昇も急速で、ポジションの傾きも大きいことから、調整も相応に深くなることには注意が必要です。仮に市場予想を下回り、12月FMOC直前の安値114円75銭を割り込むと、一気に112円台が視野に入ってきそうです。
 
 


【日本株見通し】「確定拠出年金でのリスク資産運用」
解説は岡三証券の阿部健児氏
 
--今日の予想レンジは、19350円~19550円です。今日の東京市場はどうご覧になりますか。

はい、アメリカの雇用関連指標が予想を下回り、円高も進行しており、アメリカ株も下落していることから、日本株は下落して始まると考えています。そのあとは日銀のETF買い入れ期待で、小幅に持ち直すと予想しています。

--注目ポイントは、「確定拠出年金でのリスク資産運用」 です。

(フリップ:リスク資産への投資が増加)
企業型の確定拠出年金の資産の運用状況を確認すると総資産は2005年から2016年にかけて1兆円から8兆円にまで増加し、そのうち55%に当たる投資信託等のリスク資産で運用されています。トランプラリーで世界的に株価上昇が続けば、一段とリスク資産の割合が高まる可能性があります。さらに今月から確定拠出年金の改革が実施され、公務員・専業主婦も個人型確定拠出年金を利用可能となっております。年間の拠出額は1兆円を超えると試算されており、これも確定拠出年金でのリスク資産の増加をもたらすと考えられます。
 
--日本の株式市場への影響も大きそうですね。

はい、リスク資産の一部は日本株にも投資され、日本株の上昇要因になります。またアメリカでは老後資金の積み立てを目的とした税制優遇付きの口座IRA個人退職勘定をきっかけに個人投資家層が拡大したと指摘されており、日本でも今回の改革をきっかけに個人投資家層が厚くなることで、中長期的に証券セクターを中心に金融セクターに利益があると考えております。
 
 



■特集 2017年 商品・クレジット市場大胆予想
今年の商品市場、クレジット市場の動向とリスク要素を予想する。商品市場についてマーケット・リスク・アドバイザリーの新村直弘氏は、原油、銅、石炭を展望。特に石炭の価格上昇による影響に注目し解説。BNPパリバ証券の中空麻奈氏はクレジット市場について、クレジットサイクルの歪みと今後の動向について解説する。

--さてここからは新村さんに商品市場、中空さんにクレジット市場の今後の2017年のリスクについて、伺っていきます。

 
 
(1) 2017年・商品市場・原油相場の動向は
マーケットリスクアドバイザー/新村直弘が解説。

--まず商品市況について伺っていきたいです。イラクが減産を開始して、今年の原油相場をどう見ていますか。

(フリップ1:新村氏2017年の注目点)
高値で乱高下すると思っています。ポイントになるのが、6月のOPEC会合で減産が継続されるかどうかです。下期以降、下期がやはりピークになりますので、そこがポイントです。
(フリップ2:新村氏2017年原油価格予想)
あとは、すべての前提が緩やかな景気回復が続くということになっているので、その前提の中では、45ドル~60ドルぐらいのレンジで推移すると思っています。上がり始めるのは年後半からというふうに考えています。それぐらいになると需要と供給がバランスするだろうということですね。乱高下する要因は政治的要因がそれなりに大きいと思っています。
 
--トランプ新政権の誕生は影響しているんですか。

結局トランプの政策がどうなるかということで、緩やかな景気回復が前提ですから、そこが崩れるとやっぱり急落ということも起きえると思います。年初は一回調整すると思います。

--そして新大統領誕生で動くものもあるんだろうということで、その見通しでは「銅」ですか。

基本的に公共投資をたくさんやると言っているので、それが本当であれば、バブル的に資源価格が上がる可能性はある。ただ議会の予算設定の影響で、たぶんトランプさんが何かをやるとしても年後半だと思う。なのでそこはリスク要因の一つだと思っています。あともう一つ、それまではアメリカは関係ないので、中国がどれだけ消費をしていくかということになりますので、中国の住宅政策がポイントになると思います。今は過熱しているので、それを押さえようとしているが、抑えすぎてしまうと、また急落ということもあり得る。基本的には上がっていくんですが、乱高下するだろう。予想レンジは4800~6200ドルぐらいが「銅」の見通しになります。
 
 

(フリップ3:中国、石炭16年↑顕著に)
--そういった資源価格の中で、新村さんが一番注目しているのが、石炭。どういった点に注目していますか。石炭はずいぶん価格が上がってきています。




(フリップ4:中国、脱石炭依存へ)
これの背景にあるのが、世界最大の生産国であり、消費国である中国が、環境問題とかを理由にして石炭の減産を進めた。だいたい去年から10%ぐらい削減されています。シェアがだいたい世界の5割なので、10%減産すると世界の生産量が5%減るということなので、燃料炭は2倍以上、原料炭(鉄鋼製品に使うもの)は4倍近くに上がった。

--中国の脱石炭依存の動きが影響して価格が大きく上昇している。そうなるとどういうところに影響が出てくるのか。

2つあって、①鉄鋼セクターと、②燃料に使われますから電力料金とかに影響してくると思います。

--その辺りを森田キャスターの説明してください。

(フリップ5:石炭価格↑の影響) 森田キャスター解説
石炭価格が上昇しますと、その価格が結局は電気料金に転嫁されることになります。そうすると最終需要者である企業や消費者の負担が増えることになります。
(上段) ほぼ100%の燃料を石炭で賄っている電力会社(主に新規参入業者など)はそのまま価格に転嫁する。
(下段) 一方で、石炭以外にも原油やLNGを使っている電力会社も、原発事故やコスト面などから石炭を原料として使用するところが増えてきている。ただ電力価格の価格体系というのは変わっていないので、石炭価格の上昇分というのを、価格に転嫁できていないというのが現状である。つまり消費者への影響は軽くなっているが、その分は電力会社が負担し、業績悪化につながる恐れがある。

--そういうところに影響が出る石炭価格が今後も上昇していきそうですか。

(フリップ6:新村氏2017年石炭価格予想)
中長期的にはやはり石炭は環境に良くないので、減っていきますから、価格は下がる方向にあります。ただ石炭依存度を変えようということで、中国はいろいろと政策をとっているので、短期的には中国がどういう政策をとるかということで、だいぶ話が変わってきます。なので見通し的には燃料になる石炭の価格はこんな感じで下がっていく方向性にありますが、中国の政策動向で非常に大きく乱高下する。
 
 
 
(2)17年クレジット市場・マイナス金利の影響は
BNPパリバ証券/中空麻奈氏が解説。

--ここからは社債など信用リスクのある商品を扱うクレジット、信用市場について伺っていきます。2017年はどういう見通しを持っていますか。

基本的にはマイナス金利継続と思っていますし、あまり大きな変動はないと思っている。クレジットスプレッドという言い方をしますが、あまり変動しないと思っています。

--金利の急上昇というものはあまりないということですね。そういった中で注目されているのが、クレジットサイクルというものですね。

(フリップ:クレジットサイクル)
何事にもサイクルってあるんですが、設備投資とか、景気とか、クレジットにもサイクルがあります。企業の業績や企業のバランスシートをイメージしていただきたいのですが、例えば、バランスシートが回復→拡大局面→下降→修繕回っている。クレジットサイクルの現状はどうなのか。
日本のファンダメンタルズ、あるいは企業業績はかなり良いところに来ていると思っていて、拡大から下降(B)に入りそうな局面だと思っている。ところがこういうファンダメンタルズとかと違って、株価は高いし景気がよく見えてしまうし、マインドも安心感が出てきてしまう。企業収益もいいのではないかと思ってしまう。緩和は継続していく。なんとなく回復から拡大局面(A)に思える。ところがファンダメンタルズなどではかなり進んでいて、ここから悪化するということだと、何が起きているかというと、クレジットサイクルに歪みが起きているということだと思っている。

--そういう歪みというのは何故できているんですか。確かにまだ(A)の辺りの気がしますが・・・

やはり金融政策や財政政策、トランプ氏もいっぱい財政を使うと言っている。そうすると財政政策というのはお金が出ますから景気は良くなるんです。たとえファンダメンタルズが悪化しそうだといっても、こういうふうに株価が高かったりすると、含み益で業績がグッと良くなったりします。ですのでサイクルという言い方をしましたが、時計と違って1秒づつ動いてくれるわけではないので、とんでもなく速く回転することもあるわけです。ですからどちらが間違っているのか、政策が無理やりなのか、ファンダメンタルズが正しいのか、どっちなんですか、ということを今年は見極める必要があるというふうに思っています。

--ということは、拡大期の後に急に修繕期が訪れたり、修繕期で金融引き締めがあったりすることもあるわけですね。

そこが一番怖いところです。ですので例えばファンダメンタルズが良い悪い関係なくどんどんタイトニングしていたとすると、じゃあそれはファンダメンタルズが良かったんですか。そうではなく政策で引っ張られただけでしたとなった時に、金融はだんだん正常化し、財政も使い切れなくなってくると、今度こそ差が出てきますので、一切がっさい信用リスクを無視してタイトニングしていたものから、本来タイト化していいものと、本来はスプレッドがあるべきものが選別されてくるはずなんですね。ですから今年はそういうことを見極めて、何が良い企業でどれが良いファンダメンタルズであるか、を見つけないといけないと思っています。

--全体がよく見えるけれども、局面が来た時に、中身をしっかりとみていかないといけないということですね。

思わぬものを実は買っていたということが起きないように注しないといけないというふうに思っています。
 
 
 

 
■日経朝特急
 
中国・次世代通信に5兆円
中国通信大手3社は、2020年までに3000億元規模を投じ、次世代の無線通信規格・第5世代の通信網を整備する。中国の携帯契約件数は世界最大。あらゆるものがインターネットにつながるIoTや自動車のインフラとなる5Gが中国市場でいち早く普及することで中国初の技術やサービスが事実上の世界標準に近づきそうだ。
 
 

2016年度の税収・伸び悩み
財務省発表の2016年4月~11月期の一般会計ベースの税収は、26兆6855億円と1年前比3.6%減った。前年同期を下回ったのは7年ぶり。年度前半の円高に伴う法人税収の減少などが響いた。足元は円安になっているものの為替が税収を左右する状況が続く。
 

 
中国・資本流出阻止に躍起
中国が資本流出阻止に躍起になっている。人民元の対ドル相場が中国本土買いオフショア市場主導で急反発している。5日の香港外国為替市場の終値は1ドル6.82元台と2日間で2%上昇。中国の通貨当局がオフショア人民元の流動性を絞り込み、翌日物金利が一時100%超に急騰した。中国本土では資本規制を企業から個人に拡大。資本の海外逃避を食い止めようとしている。
 
 
 

 

■日刊モーサテジャーナル

トランプ氏、情報機関も改革?(ウォールストリートジャーナル)
ロシアによるサイバー攻撃が、米国大統領選の結果に影響を及ぼしたとの見方を否定し続けているトランプ次期大統領。ウォールストリートジャーナルによると、トランプ氏は、捜査を担当したCIAなど米国情報機関の改革に乗り出すことを検討しているという。記事によると、トランプ次期政権はFBIやCIAなどを統括する国家情報長官室の人員削減をすすめ、各機関の連携を強化する計画を立てている。トランプ氏は情報機関が大きくなりすぎて、政治色を強めていることを懸念していて、ロシアのサイバー攻撃問題を材料に選挙結果を無効にしようとしていると、批判しているという。
 
 

メーシーズが人員削減、好条件そろっていたのに…
米国の新聞は老舗デパート・メーシーズが去年の年末商戦が振るわなかったことから今後、複数の店舗の閉鎖や全部で1万人以上の解雇を進める方針を明らかにしたことに注目している。
ワシントンポストは消費マインドの改善や気温の低さなど小売業にとって好条件がそろっていたのにと、メーシーズの凋落ぶりを伝えている。
またウォールストリートジャーナルは、メーシーズは「店舗数が多く、ブランド頼みが足かせとなり、方針転換は困難」と分析。インターネット販売が好調なアマゾンは、米国で4店舗目となる書展を春に米国・マンハッタンにオープンする予定で、家賃が下落に転じ、商業施設の空きスペースが増得る今、皮肉にもアマゾンがリアル店舗の分野で攻勢をかけていると伝えている。
 
 

米国でシャープTVが売れない!鴻海に痛手(ウォールストリートジャーナル)
フォックスコン(鴻海)はシャープの名前が使えないことが判明。去年、鴻海がシャープを買収した狙いの一つが独自の家電製品事業を構築することだったが、肝心のシャープ製テレビの米国での販売権が2020年まで中国企業ハイセンスに握られている。ハイセンスはシャープブランドを手放す意向は全くなく、これを利用しシェア拡大を目指す。一方、鴻海についてアップルやソニーなどの製品を受託製造することで有名だがこの分野の成長は限定的と指摘。今後、今回のテレビのようにシャープが経営危機のときに売却したビジネスの権利を取り戻すのが大きな課題になるだろうと伝えている。
 
  
 
 
■今日の予定

11月毎月勤労統計
ユーロ圏11月小売売上高
米11月貿易収支
米12月雇用統計
 
 

■ニュース

トランプ氏 ついにトヨタを攻撃
自動車メーカーなどのメキシコへの工場移転を巡り批判を繰り広げているトランプ次期大統領が5日、今度はトヨタの工場建設計画をツイッターで批判しました。トランプ氏は、「トヨタはメキシコに工場を建設し、アメリカ向けのカローラを作ろうとしている。もってのほかだ。工場をアメリカに造らなければ高い関税をかける」と強く批判しました。この批判は、豊田社長が5日、「現時点で建設計画に変更はない」と発言したことを受けたものとみられます。一方、トヨタは声明を出し、「メキシコの工場建設は、アメリカの雇用削減にはつながらない」と反論しています。
 
 

メキシコ中銀 ペソ安でドル売り介入
トランプ次期大統領の強硬姿勢に端を発した通貨ペソ安に、メキシコの中央銀行がたまらず為替介入です。メキシコ中央銀行は5日、国内とニューヨークの銀行を通じ、ドル売りペソ買いの為替介入を行ったと発表しました。介入の規模については公表していませんが、今後も市場の動向を注視するとして更なる介入の可能性を示唆しています。ペソは、トランプ氏が次期大統領に決まった去年11月に史上最安値水準となり、4日には過去最安値を更新していました。
 

 
イラクが原油減産を開始
OPEC=石油輸出国機構第2位の産油国イラクが減産を開始しました。ルアイビ石油相は5日、去年11月のOPEC総会での合意に基づき、原油の生産削減を開始したとの声明を発表しました。イラクは日量120万バレルの削減を約束しています。一方、アメリカのエネルギー情報局が発表した週間在庫統計は、ガソリンや留出油の在庫が予想以上に増加し、WTI原油先物価格は下落に転じました。
 
 

米ISM非製造業景気 横ばい
アメリカのサービス業の景況感を表す12月のISM非製造業景気指数は、57.2となり市場予想を上回りました。前の月に比べ横ばいと、1年ぶりの高い水準を維持しました。新規受注が4.6ポイントの大幅な上昇となったほか、価格指数が9ヵ月連続で上昇した一方で、雇用が大幅に低下しています。
 
 

米新規失業保険申請 43年ぶり低水準
先週一週間の新規失業保険申請者数は、前の週に比べて2万8,000人減って23万5,000人と、ほぼ43年ぶりの低水準となりました。一方、雇用サービス会社ADPが発表した12月の民間雇用者数は、前の月から15万3,000人の増加で、市場予想を下回る伸びとなりました。
 

 
衆院解散「今年はない」発言、後で修正
安倍総理大臣が昨晩、公の場で「年内解散なし」と明言したにも関わらず、その後「言い間違いだった」と修正する一幕がありました。「今年はまったく考えていないということははっきりと申し上げておきたい」。安倍総理は昨晩、都内で開かれた催しでの挨拶で、衆院解散について年内はないと明言しました。しかし政府筋がその後、記者団に対し「今年ではなく、今月の言い間違いだった」と説明しました。年内の解散を否定する総理の発言をわざわざ訂正してきたことで、解散時期を巡って憶測を呼びそうです。また重要課題と位置付ける働き方改革に関しては「最大の壁の1つ。国民の理解を得ながらしっかりと挑戦を果たしたい」と実現に意欲を示しました。
 

 
新潟県知事 柏崎刈谷原発 再稼働に慎重
去年秋に就任した新潟県の米山知事は5日、東京電力の数土会長、広瀬社長と初めて会談し、柏崎刈羽原発の再稼働に慎重な姿勢を伝えました。米山知事は現状では福島第一原発の事故原因の検証が十分ではなく、柏崎刈羽原発の再稼働は認められないとの立場を示した上で、検証には数年かかると伝えました。これに対し東電側は検証について誠心誠意対応していくと答えました。
 
 

国内新車販売 5年ぶり 500万台割れ
去年の国内新車販売台数が497万260台にとどまり2年連続で減少していることが5日わかりました。500万台を割り込んだのは東日本大震災があった2011年以来です。おととし4月に軽自動車税が増税された影響が長期化しているほか、去年、三菱自動車が燃費データの改ざんを公表したことも販売が低迷した要因となりました。
 
 

米 家電見本市開幕 注目は…
アメリカのラスベガスで5日、3,800社以上が出展し、世界最大級の家電見本市、「CES」が開幕しました。最新情報を現場から宇井五郎記者が中継です。
 
今年は日本企業の出展も目立っている。
10年ぶりに見本市に復帰したホンダ、お披露目されたのがライダーが乗っていなくても倒れないバイク。日本の狭い駐輪場からの出し入れを無人でできるようにと想定して開発している。今回の展示はこうした自動運転がキーワードである。
《本田技術研究所/松本宜之社長》
「2輪・4輪・汎用ビジネスで蓄積したデータを強みとして生かし、AI技術をかけ合わせて、研究開発を加速させたい。」
合わせて発表したのがコンセプトカー「ニュービー」。人工知能を搭載しドライバーと会話が可能、自動運転による相乗りで稼ぐこともできる。
一方まるでモーターショーのような派手な演出をしたのがトヨタ。開幕前の4日に発表したのは、本田と同様、人工知能を使った「コンセプトカー愛」。
そして今日はこの後、日産のカルロスゴーンCEOが基調講演をする予定で、これまでテレビなどが主役だった家電ショーがこうした自動運転車に席巻されたと言えそうだ。
 
 


トルコ 自動車爆弾で2人死亡
トルコ西部イズミルにある裁判所付近で5日、自動車爆弾による爆発が起き、2人が死亡、少なくとも10人がけがをしました。その後、警察は銃撃戦の末、容疑者2人を射殺しましたが、別の容疑者1人がいまだ逃走していて行方を追っています。事件を受けて、地元の知事は少数民族のクルド人武装勢力によるテロとの見方を示しました。トルコでは1日にもイスタンブールで銃乱射テロが発生し39人が死亡したばかりです。
 
 

米軍「オスプレイ」 空中給油訓練 きょう再開
アメリカ軍の新型輸送機「オスプレイ」が空中給油の訓練をきょうから再開します。アメリカ軍は去年12月13日、オスプレイが沖縄県名護市沖で不時着し、大破した事故を受けて、事故の原因となった空中給油の訓練を休止していましたが、必要な再発防止策を講じたとして再開を決めました。これを受けて、オスプレイの安全性への懸念が高まっている沖縄では反発の声が強まっています。
 
 
 




■【コメンテーター】BNPパリバ証券/中空麻奈氏、マーケット・リスク・アドバイザリーの新村直弘氏
 
・ トランプ氏がトヨタ攻撃、メキシコのリスク

--トランプ氏がツイッターでトヨタを批判してきました。

《BNPパリバ証券/中空麻奈氏》
トランプ氏が選ばれた後というのは、どちらかというとトランプ効果と言ってよいことばかり出てきたと思う。しかしトランプショックは確実にあると思っていて、その一つだと思っています。フォードやGMにもケチをつけていましたが、今度はトヨタにきたということで、どういうネガティブなことが出てくるのか少し見極めなければいけないと思います。
--メキシコ中銀がペソを買い支えしなければいけない状況といのは、一つの大きな出来事ですね。
 
 

・ イラク原油減産・今後の注意は

--イラクが減産開始を実行してきました。

《マーケットリスクアドバイザリー/新村直弘氏》
いいニュースと言っていいか分からないです。原料価格が上がるとそれだけ負担場増えますから。大幅に増産した後のピーク時でない時期での減産なので、やはりこれは順守するだろうなと思っていました。OPECが結束をとりもどしたことで、非常に重要なメッセージが出てきているニュースだったと思います。
 
 

・ 日刊モーサテジャーナル/メーシーズが人員削減・好条件そろっていたのに・・・

--メーシーズと言えば、小売りの代表格だったわけですけれども、厳しいんですね。

《BNPパリバ証券/中空麻奈氏》
「アメリカはこれから金利を上げていってもいい、景気が良くなっている代表の国ですが、それでも製造業を始めずっとリストラしているんです。そしてついに消費とかこういうことまで来たと考えると、かなり大きな構造転換が必要かなと思います。」
 
 
--新村さんは企業リスクの専門家ですが、どう見ますか。

《マーケットリスクアドバイザリー/新村直弘氏》
ネット専業のアマゾンがリアルに入ってきているということは、別に景気は悪くないのだろう。業態転換がメーシーズが遅れたということが大きいのかなと思います。
 
 



・ 今日の経済視点
 
《マーケットリスクアドバイザリー/新村直弘氏》 『長期金利』
ここ数年どうしても供給側ばかりフォーカスされているんですけど、結局、商品価格というのは需要が同感ですよね。アメリカでトランプ政権が誕生して、いろいろやっていますけれども、結局アメリカにとってはいいんですけど、世界経済にとっていいかどうか、怪しいわけですよ。メキシコやトヨタのように。そうすると長期金利が上昇して、新興国からどんどん資金が出ていくと、新興国の需要が減ってしまう。かつアメリカですら長期金利が上がって悪い金利上昇によって景気が悪くなるということもあり得るので、長期金利が緩やかな上昇にとどまるかどうか、というところが今年重要な商品市場を見るうえでの最大のポイントになると思う。
 


《BNPパリバ証券/中空麻奈氏》
2017年のクレジット視点
・ 『イベントに注目』
・ 『選別』
クレジットサイクルが歪んできているので、歪みの中で私たちは選別投資をしないといけないと思っている。モノを選んでおかないと、思わぬ変なものを持っていることもありえますので、投資には注意をしてほしい。何がポイント化というと、イベントが今年はいっぱいあります。選挙・政治などが割とスプレッドを動かす、ボラティリティを動かすことになりやすいので、イベントを注目していきましょう。