インターロイキン-2(IL-2)のページを更新
- インターロイキン-2(Interleukin-2: IL-2)は、サイトカインの一つである。IL-2は未分化なT細胞(ナイーブT細胞)及びインターフェロンγやIL-12の刺激を受けてナイーブT細胞から分化した1型ヘルパーT細胞によって産生され、Th1サイトカインと呼ばれるグループに分類される。IL-2は細胞性免疫に関与している。
IL-2は主に活性化されたT細胞により産生され、T細胞、B細胞、マクロファージ等の細胞に対して作用する。
T細胞の細胞膜上にはT細胞受容体(英: T Cell Receptor, TCR)が発現しているが、マクロファージ等の抗原提示細胞からの抗原提示を受けることによりIL-2を産生するシステムが稼動する。
ヘルパーT細胞においてはTCRはCD4と呼ばれる分子と複合体を形成して存在していることが知られている。さらにCD4はSrc(サーク)チロシンキナーゼファミリーに属するLckあるいはFyn(フィン)と会合している。TCRに抗原が結合すると、これらのキナーゼによりTCRのリン酸化が行われる。このリン酸化された部位に対してSyk(シック)ファミリーの分子であるZAP-70が結合する。その後、細胞膜に存在するアダプター分子LATを介してSH2ドメインを有する多くの分子を活性化する。中でもホスホリパーゼC(PLC)γは小胞体からのカルシウムイオンの放出に関与し、カルシウム依存的にカルモジュリン及びカルシニューリンの活性化が引き起こされる。カルシニューリンは転写因子 NFATの脱リン酸化を行い、核内へ移行させる。その後NFATはDNA上のIL-2プロモーターに結合し、IL-2mRNAの産生が亢進する。
受容体にリガンドであるIL-2が結合すると受容体タンパク質と会合しているJAKが活性化し、受容体のチロシンリン酸化を行う。このリン酸化を自己リン酸化と呼び、IL-2受容体のリン酸化チロシン残基がSTAT分子のSH2ドメインとの結合部位となる。転写因子であるSTAT5はSH2ドメインを介した二量体を形成して活性化し、核内へ移行した後にDNA上の配列に結合することにより転写活性化を引き起こす。
<出典:Wikipedia>