かりん暮らし

ヴィーガンでアニマルライツな起業家です。

なんのために食べますか?

2008-04-01 15:16:30 | 地球のコト
久しぶりに更新します。
前回は、鶏が食用として改良され、卵用種というものが出来て
その鶏たちの一生についてお話しましたが、今回は肉用種について
お話したいと思います。

鶏の肉、いわゆる鶏肉は、食肉の中でも最も安価で売られています。
胸肉、グラム39円なんていうものもありますね。
なぜ、こんなに安く出来るのでしょうか?


1950年代、アメリカである発見がありました。
生まれたばかりのヒヨコを育てる飼料の中に抗生物質が含まれた製品の
残りかすが入っていました。
そして、その抗生物質には驚くべき薬効があったのです。
なんと、鶏が異常な速度で成長し始めたこと。
抗生物質には、細菌を退治するだけでなく
成長を促進させる作用があったのです。

そしてこのことが、それから現在に至るまで続く
“工場式畜産業”を可能にさせたのでした。

それまでの畜産業者は、ブタや鶏を放し飼いにし、
ブタたちは土を掘り返し、突き、餌を探していました。
それをすることによって土の中のビタミンやミネラルをも摂取できる
自然の営みに沿ったやり方だったのです。
ですが、抗生物質を投与することにより、
より狭い場所で大量に飼育することが可能になったのです。

工場式畜産業にはこうした利点よりも問題点のほうが多いです。
一つは、鶏たちの一生です。

ブロイラーと呼ばれる肉用種の鶏は卵用種の“バタリーケージ”とは違い
大きな倉庫で過ごします。
水や餌はコンピューターで制御され定期的に与えられます。
鶏の習性として、明るいうちは活動し、餌を食べ続けるので
一日のうちのほとんどを電気を点けて過ごさせ
なるべく早く肥らせようとします。

今ではなんと生まれてからたったの6週間で大きくなり、
場に送られるのです。
鶏の寿命は15~20年もあるというのに…

一羽の鶏に与えられたスペースは、わずかA4サイズしかありません。
身体が弱かったり、小さかったりする鶏はバタバタと死に
生き残っても、夏の暑さや冬の寒さに耐え切れず死んでいきます。
肉の割合を多くするために改良に改良を重ねられたとりたちは
体重を支える骨が重みに耐え切れず、足が折れたり捻挫したりするのです。
その痛みはどんなにか辛いことでしょう。

そうして文字通り“地獄の生活”を強いられた挙句、
箱に詰め込まれ、運ばれます。
そしてベルトコンベアーに足を引っ掛けられ、逆さまに釣られ
気絶するように強い電流の流れる水槽に浸けられます。
そのあと喉を切り裂かれる機械に流されるのですが
その時もまだ意識が残っている鶏たちが少なくないそうです。

ブロイラーの鶏たちは、窓も無い倉庫で一生を過ごします。


外の風に吹かれることもなく、暖かな太陽の光も
草の匂いも、土も、何も知らずに短い一生を過ごすのです。

もう一つの問題点はまた次回お話したいと思います。

工場式畜産をぜひ見て下さい、ここをクリック!