忘れな草の花籠

確かハンドメイドブログだったはず・・・

トビウオが飛ぶとき

2023-08-08 13:55:59 | BOOK
台風~!!
7号まで発生しちゃいましたね。
とにかく甚大な被害がでませんように・・・。

さて「トビウオが飛ぶとき」でピンとこられた方、
朝ドラファンですね。(笑)
以前に購入してた本、昨日一気に読んじゃいました。
本当はゆっくりひとつひとつ味わって・・・と思っていたのですが
ついついひきこまれて全部読んじゃいました。

「舞いあがれ!」のアンソロジーです。
脚本家の桑原亮子さんが手がけた詩歌集です。
「舞いあがれ!」の登場人物、
貴司くん、秋月さん、リューさん、八木のおっちゃんの詠んだ詩歌です。
これがもうすばらしくてすばらしくて。
読みながらそのキャラクターが浮かんでくるのです。
詩歌にちゃんと個性があるのです。
すごいなー。
全部桑原さんが作っているのにそれぞれの登場人物が歌ってるかのよう。

貴司くんは素直で純粋で繊細。そしてどこか影のある歌になってます。
しかもだんだんと成長していってるというのがすごい。
すごく貴司くんらしいな、と思われる歌がこちら。

*アパートの部屋番号まで書かれてる絵馬
夕風に回りはじめた

人のことをよく見ている貴司くんならではの観察眼。
やさしくて人の気持ちに人一倍敏感な貴司くんらしい歌だな、って思いました。

そして秋月さん。
情熱的でどことなく官能的。そして技巧が凝らされた数々の歌。
人を愛したいけれどいざとなったら踵を返す、そんな秋月さんの姿が浮かびます。

*雪の夜に読みて冷たき両の手を首に当つ命で暖を取りたり

子どもたちの歌、これも桑原さんが作ったんですかねー?
すごく子どもらしくて視点がかわいらしい。
しかも学年でテイストが違うのがすごい。
低学年はやっぱり低学年っぽい感じで
高学年は高学年らしく少し成長してる姿がうかがえます。

そしてリューさん。
リューさんの本名(?)、北條龍之介だからリューさんなんですね。
ひと昔前の青年、って感じの歌です。
フォークソングとかヒッピーとかそんな文学的なアウトローな感じがうかがえます。
「神田川」の歌とか似合いそうですねー。
お酒、タバコ、文学、そういったものに心ひかれてたんだろうな、って思っちゃいます。
在りし日の青春が綴られてました。

*終電ののちの線路に沿って行く君の衛星として

そして八木のおっちゃんの詩。
これがですね。
もう秀逸で秀逸で。
八木のおっちゃん、姿が浮かんできます。
視点がやっぱり八木のおっちゃんなんですよー。
ふつうの人とは違うところに目をつけます。

*花といふ束縛のかたち解かれきて
風吹けば立ち上がる花片よ

この視点はすごいですね。
花は花びらが集まって調和しているものと思っていたのですが
八木のおっちゃんの目には「束縛」と映るんですね。
風が吹くと自分自身を主張するかのようにすっくと立ちあがる花びら。

そして「白い蝶」という詩。

     

私はこれがいちばん好きでした。
そして泣きました。
美しさ。儚さ。力強さ。やさしさ。いのち。孤高。支え。
いろんなものがこのひとつの詩に込められていて・・・。
胸がいっぱいになりました。

「舞いあがれ!」の世界を思い出し、またドラマを見たくなりました。
ドラマ関係なく、ふつうにすばらしい詩歌集として楽しめる一冊です。
おすすめです。
詩を読んで泣いたのはひさびさですね。
金子光晴さんの「おばあちゃん」、
河井酔茗さんの「ゆづり葉」以来です。

すばらしいアンソロジーでした。

では暑いので今日も無理せず
熱中症に気をつけて過ごしましょう。
よい一日を♪


さて今日の朝ドラ。
もう今日は郵便屋さんですね。
全部彼がもっていきました。
いやぁ、あの衝撃と言ったら。
そして千歳ちゃん誕生。
素敵な名前をつけてもらいましたね。
ザルに入ってる姿がめちゃめちゃかわいい。
あの当時って赤ちゃんをザルに入れてたの・・・?
ラストの万太郎&竹雄の湯上がりツーショットが素敵でした。
マンガの一コマのようで。



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