涙と笑いのHIV奮闘記III

自分とは無関係と思っていた病気の闘病を続けるオヤジの日記。
日に日に進行する物忘れとも戦っています。

奈良国立博物館で「糸のみほとけ」展

2018-07-14 15:00:00 | 美術館・博物館

 

 日本では刺繡や綴織など「糸」で表された仏の像が数多く作られました。とりわけ、古代では大寺院の一堂の本尊とされる花形的存在でした。綴織當麻曼荼羅(国宝、奈良・當麻寺蔵)や刺繡釈迦如来説法図(国宝、奈良国立博物館蔵)は、その隆盛のさまを伝える至宝です。また、糸を縫い、織る行為は故人の追善につながり、聖徳太子が往生した世界を刺繡で表した天寿国繡帳(国宝、奈良・中宮寺蔵)が生み出されました。鎌倉時代以降、刺繡の仏は再び隆盛を迎えますが、その背景には綴織當麻曼荼羅を織ったとされる中将姫に対する信仰がありました。極楽往生を願う人々は中将姫に自身を重ね刺繡によって阿弥陀三尊来迎図や種子阿弥陀三尊図を作成しました。 
 この展覧会は綴織當麻曼荼羅の修理完成を記念し、綴織と刺繡による仏の像を一堂に集める特別展です。天寿国繡帳、綴織當麻曼荼羅、刺繡釈迦如来説法図の国宝3点が一堂に会する空前の企画です。本展を通して絵画とも違う「糸」の仏の世界の魅力をご鑑賞いただければ幸いです。

(ちらしより)

 

氷室神社国立博物館前で下車。
まず、氷室神社の睡蓮を見に行ってみます。

池から葉があふれんばかりになっています。
モネの睡蓮とはえらい違い。
時間が時間だけにほとんど花は閉じています。

道路を渡って国立博物館へ。

夕方になると鹿だまりになる場所にはまだ鹿はいません。

博物館前にようやく一頭。

博物館前の池にはヒシ、

そして蓮。

博物館の壁に今回の展覧会の案内。

博物館に入ると、大きな垂れ幕。

いつもは入館券を購入して、垂れ幕の向かって左にある階段を昇って展示会場に行くのですが、
今回はいつもと逆で、
いつもの出口が入口で、いつもの入り口が出口となっています。

なので、最初にショップがあったり、記念撮影コーナーがあります。

そして観覧後ではなく、観覧膳に庭園見学。

普段なら出口へ降りるスロープが、会場へ上るスロープになっています。

今回は「修理完成記念特別展 -国宝 綴織當麻曼荼羅と繍仏」とサブタイトルにあるように、
當麻寺の綴織當麻曼荼羅の修理が完成したことを記念する展覧会となっています。

そもそも綴織當麻曼荼羅は対策の繍仏でこの大きさのものは日本にも中国にもないそうで、
奈良時代、あるいは唐時代の作品と推定されています。
日本で制作されたのか、唐で制作されたのか不明だそうです。

江戸時代(1677年)に大規模修理が行われ、掛幅装に改められ、春慶塗の箱に収納され、宝蔵に襲蔵されていました。
昭和36年に国宝に指定され、その際までは全貌を精密に撮影されたほかは滅多に観ることができなかったとか。

綴れの4割だけが残っていて、残りを絵で補われていたようです。
綴れの部分は酸化して褐色気味。金糸の部分だけがなんとか鈍い金色となっていたようです。

今回平成の修理が完成したとはいえ、殆ど詳細が見えなくなっていて残念です。
部分復元されたものが展示されており、その美しさはため息が出るほどでした。
ちなみに複製したのは「川島織物セルコン」。
歌舞伎座の緞帳の一つを調製した会社ですね。

重文幡足製 東京国立博物館(法隆寺献納宝物)、重文 刺繍大日如来像 京都・細見美術館

 

国宝 綴織當麻曼荼羅 奈良當麻寺(部分)

その部分復元模造 京都・川島織物セルコン

作成当時はこんなにも美しかったんですね。

刺繍霊鷲山釈迦如来説法図 大英博物館
イギリスの探検家スタインが収集した中国敦煌発見の繍仏。
使われている技法・大きさは奈良国立博物館の同図と比較される名画。
今回本邦初公開で、両図が対面するのは初めてということです。

国宝 刺繍釈迦如来説法図 奈良国立博物館(部分)

刺繍當麻寺曼荼羅 京都・真正極楽寺。

国宝 天寿国繍帳 奈良中宮寺

これは普段は奈良国立博物館で管理し、中宮寺にはそのレプリカ、
そして特別な法会の時にだけ中宮寺に戻ります。

その一部分を

左上の右上の鳳凰と亀

鳳凰部分。刺繍の様子がよくわかりますね。

真ん中右の部分。袴を纏った人物。そしてその袴部分。

 

重文 刺繍阿弥陀三尊像 石川・西念寺

重文・刺繍騎獅文殊菩薩像 奈良・大和文華館。

今日観たのは前期展示。後期展示は8/7~。また訪れたい展覧会です。

 



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