MEMORANDUM 今日の視点(伊皿子坂社会経済研究所)

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♯19 ラジオ体操

2013年06月20日 | 日記・エッセイ・コラム

 職場の館内放送では、毎朝、始業前に「ラジオ体操第一」が流されています。

 これまで何年もの間、まあ軽く聞き流してきた(…というか、これからデスクワークをするっていうのに「ラジオ体操もどうよ」って違和感すら感じていた)のですが、4月から職場が変わって驚いたのは、職場の皆が音楽に合わせて楽しげにラジオ体操をしている姿でした。

 正直、少しビビったのですが、「これは自分だけ知らんふりはできないぞ」という雰囲気だったので、プレッシャーの中、郷に入れば郷に従えと始めてみました。

 するとどうでしょう。これがなかなか良いのです。

 第一に目が覚める。メリハリがつくっていうのでしょうか。月曜の朝の(いつもってわけじゃないんですが)「仕事か、やだな…」みたいなハードルをひとつ「ひょい」と飛び越えることができるような気がします。

 第二に身体が伸びる。前屈や体旋などをやると、体のあちこちがボキボキいいます。思わず「うー」とか声が漏れたりします。関節がよっぽど固まってるんでしょうね。いわゆるストレッチの効果としてその後の身体のキレがずいぶん違う様な気がします。

 そして第三に、気分が明るくなる。運動で血圧が上がるからでしょうね。話もしたくないよううな気分だったとしても、少しだけ「ま、やるか」的な元気が出たりします。

 そんなわけで、最初は照れくささもあってちょこちょこっとお茶を濁したり、「両足飛びー」のところはちゃんと飛ばなかったりしていたのですが、今では「これが無ければ朝は始まらないぜ!」とばかりに、がんがんに昭和の匂いを発散させながら胸を張ってやっています。(無論、外から見るとかなり不思議な光景らしく、廊下から知らない人が覗いていたりしますが…)

 調べてみると、このラジオ体操、そもそも文部省の肝いりで国民の健康づくりのために1928年に始められたという、100年近い歴史と伝統を誇る由緒正しい日本の朝の風物史のようです。ただし、今の音楽、形になったのは、第二次大戦後の1951年とのこと。

 この体操のすごい所は、例えば「ラジオ体操第一」で言えば、①の「伸びの運動」から⑬の「深呼吸」までの13の動きによって、約400種類ある身体の筋肉をまんべんなく動かすことができる究極の全身運動になっていることです。それも軽い運動から普段使わない筋肉の運動までがこの3分11秒間に凝縮され、また効率的にレイアウトされているこということです。

 何でも、戦後、新しい時代にふさわしい体操を作ろうと、我が国を代表する運動の専門家25人に制定委員をお願いし、ひとつひとつの動き、流れを練りに練って創りあげたものなのだそうです。

 ちなみに、「ラジオ体操第一」は、子供からお年寄りまで一般の誰もが行うことを想定した、どちらかといえば「事務職」向けの体操であり、一方、これより少しテンポが速く運動量も多い「第二」は、働き盛りの人が職場で行うことを想定した、作業現場向きの体操なのだそうです。(個人的には、第二の少しメロウな曲調も好みなのですが。朝の気分はやはり第一ですかね…。)

 と、いうことで、どうせやるなら体操の効果を最大限に得られるよう、正しい型を学ばなければなりません。それぞれの動きに注意すべきポイントがありますので、NPO法人全国ラジオ体操連盟(←こういう組織があるんですね。「指導士」の認定とか研修とかやっています。ちなみにこの法人のサイトでは「指導士用ユニフォーム」、「ラジオ体操カレンダー(必見)」なども取り扱っています。)が認定する正統なラジオ体操第一を、HP等でよくご確認いただきたいと思います。

 また、せっかくですので、この際、YouTubeでNHKのラジオ体操の動画も是非ご覧いただければと思います。動きが思いのほか大きく、そして美しいことに驚きます。

 なお、ラジオ体操に関しては、「ほぼ日刊イトイ新聞」 2012.8.23号「スゴイね、ラジオ体操!」に詳しいので、興味のある方はそちらもどうぞ参考に。(^^)



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