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相模の岡崎城へ

2020-03-15 | おでかけ
岡崎城と言えば、神君・家康公生誕の地、
三河の岡崎が知られていますが・・・

こちらは相模国、神奈川県伊勢原市の岡崎城です。
かつて伊勢宗瑞(北条早雲)と三浦氏との激闘があったとか・・・

今、この岡崎城は、お寺を中心とした小高い丘に、
雑木林や畑が広がり、住宅も点在するエリアとなっています。
城跡と言われても、ちょっとねぇ~と、いう感じでしょうか。


(縄張り図・ア)

それでも、無量寺の看板には「岡崎城趾」と書かれているわけで・・・
とりあえず、縄張り図を頼りに、歩いてみました。

なお、本に載っていた西股総生氏の縄張り図に、
画像に手書きの記号をつけています。(↓の画像)
このあたりで撮影したんだなぁと言うことでご参考までに。

なお、画像と本文の順番が一致しておりませんこと、
最初にお詫び申し上げます。



まずは無量寺の境内が、かつての主郭。
今は畑となっている、道路を挟んだあたりも、土塁に囲まれた曲輪だったようです。

お寺の裏を通り、たぶん、今堀切を歩いているはずと想像しながら
畑の方へ出ます。


(縄張り図・ク)

残念ながら、この日は、野ねずみ駆除の薬をまいたとの張り紙があり、
道をそれることには、いっそうの抵抗がありました・・


(縄張り図・イ)


・・・それでも、城廻をぐるりと一周。
縄張り図によると、主郭のある無量寺境内を頂点に、
三つの郭が、ポンポンと並んでいたようです。

確かに、土地の高低差は実感できます。
周りを歩くと、最後は登り坂でしたから、かなりゼイゼイさせられました。


(縄張り図・キ)


西股総生氏のおっしゃる、「数段の腰曲輪と土塁を組み合わせた巧妙な虎口」
「岡崎城内ではもっとも遺構がよく残っていて見応えのある場所」は
加藤牧場と加藤家の裏にあたる藪の中↓と思われますが・・・断念。

山城は好きですが、藪こぎをするのは、抵抗が・・・
というへたれっぷり、笑ってやってくださいませ・・・


(縄張り図・カ)

・・・という、この岡崎城。

今でこそ、のどかな田園地帯となっていますが、
かつては最初に触れたとおり、
死闘が繰り広げられた城なんです。

無量寺の案内板によると・・・
寺には二つの時代がありました。


(縄張り図・ウ)


一つは、平安時代から鎌倉時代にかけて。
岡崎四郎義実は、源頼朝に石橋山の合戦から従った重臣で
岡崎城を築き、その名をとって、岡崎と名乗ったとか・・・

ただし、西股氏によると、「附会」(ふかい→こじつけ)にすぎないとのことで、
真偽は現段階では不明です。

義実は、九十歳過ぎまでのご長寿を全うし、
今でも子孫によって法会が営まれているようでした。
天皇陛下も学習院大時代に、こちらへお出ましになったとか・・・(なぜ?)


(縄張り図・エ)


もう一つの時代が、室町時代、戦国時代の始まりといえましょうか。

当時の城主は、三浦道寸(義同)。
築城主とされる岡崎義実も、元は横須賀の三浦氏の出身でしたから、
道寸は義実の子孫にあたるわけですね。

といっても道寸は扇ガ谷上杉家から三浦家の養子になったので、
直接の子孫とは言えないかもしれませんが・・・

とにかく、道寸さんは、養父である三浦時高を滅ぼし、
三浦家の居城・新井城を息子に譲り、自分は、この岡崎に入りました。

ここを狙ったのが、伊勢宗瑞、後の北条早雲です。
小田原へ入り、相模平定を目指した宗瑞の前に、岡崎城が立ちはだかります。
当時の岡崎城は、湿地に囲まれた大事にそびえる、要害の地。

道寸と宗瑞。
なんと17年にもわたって、にらみ合いが続いたとか・・・

永正9(1512)年、ついに岡崎城は落城、
道寸は弟の道香を頼り、新井城へと落ちるのですが・・・
その後、三浦一門は、新井城で滅びます。

結果、岡崎城は伊勢宗瑞、つまりは北条家の城となったのでしょうが
廃城となったのは、いつの頃か定かではないそうです。


(縄張り図・オ)


想像以上に、歴史のある、すっごい、城でございます。
神奈川県の歴史で、三浦道寸と北条早雲といえば
戦国時代初期のビッグネームですから・・・

新井城は訪ねたことはないものの、名前は知っており、
いつか見学したいと考えていました。
たいして、こちら岡崎城は・・・不勉強で申し訳ございませんでした!


う~ん。

城めぐりは好きですが、
ワタシは縄張りよりも、やっぱり誰がどんな風に、この城で生きたのか、
そっちの方に、俄然、興味を持つのであります。

◆参考
西股総生 松岡進 田嶌貴久美『神奈川 中世城郭図鑑』 戎光祥出版
(縄張り図も、お借りしています)

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お付き合いいただき、どうもありがとうございました。
勝手ながら、ただいま、コメントはご遠慮しております。

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