はと@杭州便り

中国杭州で仕事&子育てしているはとぽっぽのページです。

国籍:1

2008-07-24 18:47:22 | 杭州で妊娠
日中カップルの間に生まれた子供の国籍は、どうなるのか。

日本も中国も二重国籍を認めていないが、日本の国籍法では両親の国籍が異なる場合、子供が成人に達するまで「日本国籍の留保」という方法で実質的に二重国籍が認められている。
私も相方も、「親が決めるのではなく、子供が成人するまで二重国籍にして、できれば子供自身の意志で国籍を決めさせてやりたい。」と思っていた。
しかし、ここで問題になったのが中国の国籍法。

中国の国籍法で中国国籍を得られる条件(抜粋)

第四条 父母の双方或いは一方が中国籍で、中国国内で出生した場合。
第五条 父母の双方或いは一方が中国籍で、中国国内で出生した場合。但し父母の双方或いは一方が中国籍で中国国外に定住し、出生時に他国の国籍を取得しない場合。
第六条 父母が無国籍或いは国籍不明で、中国に定住し、本人が中国で生まれた場合

法律の条文は非常にわかりにくいが、
もし私が中国で出産した場合は中国国籍取得→日本国籍留保(実質的に二重国籍)ができるのだが、
日本で出産した場合は出生と同時に日本国籍になってしまう(日本国籍法 第二条 「子は、次の場合には、日本国民とする。一 出生の時に父又は母が日本国民であるとき」)ため、中国国籍を取得することはできない…かも知れない。

かも知れない、というのは、あちこち調べたり問い合わせてみても、結局はっきりした答えが見つからなかったからである。
中国の国籍法の理屈でいくと、日本で出産後、出生届を出さずに中国領事館へ駆け込めば、もしかしたらできるのかも知れない。
それに中国は各都市によって担当者の対応が違ったりするので、「日本国籍を離脱した」ということにして中国国籍を申請することができるのかも知れない。
しかし、これまで日本で出産して中国国籍の取得に成功したという話を聞いたことがないので、やはり難しいのだろう。

日本の国籍法では出生地について何も問題にならないのに、中国のヘンな国籍法のお陰で、本当は日本に帰って出産したいのに中国での出産を選択せざるを得ない人も大勢いるのだ。

つわりで苦しかったとき、私が一番悩んだのはこの国籍の問題だった。
「日中カップルの子供の90%以上は結局日本国籍を選択している。」というデータがあるそうだが、
これは日中カップルの大半が「日本人父、中国人母」であり、生活の基盤を日本に置いているということ、そして現時点では何と言っても日本国籍・日本パスポートの方が社会福祉や海外渡航の自由が保障されているから、だと思われる。
でも、20年後、日本と中国がどんな状況に置かれているのか、どっちの国籍の方がいいのか、誰にもわからない。

しかも私達は現時点では生活の基盤が中国にあるので、
「日本国籍で中国で生活するとなると、反日教育もあるし、いじめられたり辛い思いをさせてしまうのではないか」という心配もあったり、
「本当は子供自身に選ぶ権利があるはずなのに、親が子供の国籍を決めてしまうのは親のエゴではないのか」という気持ちもあった。

中国は出産事情が悪い、とは言え、杭州よりもっと発展が遅れている西部の町でも出産している日本人の方もいるわけで、
子供のために中国で出産する方向で、何とか気持ちを前向きに持って行こうとしたのだが、
実際に検診に行ったり経験された方々から話を聞いたりするだけで、どんどん後向きになってしまったのだった。

私が神経質すぎるのかも知れない。
お産なんて思ってるほど大したことじゃないのかも知れない。
ここで産む決断をできない自分は、単に弱虫なのかも知れない。

つわりでつらかった2ヶ月、そんなことばかり考えて相方と言い争ったり、夜も寝られないほど悩んでいたので、
せっかくの「おめでた」だというのに、私も相方も、精神的に「おめでた」とは程遠かったのである…。(続く)

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2 コメント

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脅かしてしまいごめんなさい。 (ヤスコ)
2008-07-26 09:41:49
先のコメントでは、脅かすようなことを書いてしまいごめんなさい。
「案ずるより産むが易し」といいますが、この先も中国で暮らして行かれるという前提なら、中国での出産もアリだと思います。
もちろん日本と比較してしまうと、首を傾げるところがいろいろありますが、中国でも沢山の人が出産されているわけですし。

ただ、7か月くらいの時にでも、一度日本の病院にかかり、
中国で出産される旨を伝えておくのもいいかもしれません。

私は妊娠中には貧血がひどくなり、毎日鉄剤を注射しに通ったり、また臨月に入ってから、妊娠中毒症になってしまい、結構最初のお産が「大変だった」という印象が強く、二人目も切迫早産で緊急入院をした経験があるものですから
ついつい心配ばかりしてしまいます。

でももっと「ポーン!」と安産で出産される方も沢山いらっしゃいますし、こればかりはその時にならないと何とも言えないと言うのが正直なところですよね。

自然分娩で生みたい、とか母乳育児、出産後の新生児健診などを考えればやはり日本で出産されて、生後1か月くらいで中国に戻られる方が
安全かとは思いますが、なにぶん中国での状況が分からないので、偏った見方、お許し下さい。
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Unknown (はと)
2008-07-29 17:08:01
>ヤスコさん

色々ご心配くださって有難うございます。
相方とよく話し合った結果、今回は日本へ帰ることにしました。

北京や上海ならお高い(日本円で100万くらいするそうです)ですが設備の整った外資系の病院もありますし、出産されている日本人の方も多数おられるそうですが、現実的に考えると産気づいてから上海に飛んで行くわけにもいかないし、日本の両親を慣れない上海へ呼び寄せるわけにもいかないし…で、残念ながらあきらめました。

あいにく相方の弟夫婦も年明けに第二子を出産予定で、同居している相方両親は手伝いに来られなくて…。
中国では病院は何もしてくれないので、入院生活一つとっても家族のサポートがなければ厳しいんですよね(::)

今でも中国で安心して産めるならそれが一番だと思うんですが、
妊娠後体調もあまりすぐれず、一応高齢出産(!)ということもあり、大事を取って帰ることにしました。
あとは産休に入る33週まで、早産などのトラブルにならないことを祈るだけです。
色々とお気遣いくださってほんとにありがとうございます(::)。
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