はと@杭州便り

中国杭州で仕事&子育てしているはとぽっぽのページです。

台湾

2006-01-18 18:54:34 | その他
中国に住むようになってから、かえって他の国には行きにくくなった。
たまの休暇は日本に帰ってしまうので時間もないし、中国から日本以外の国に行くのは飛行機の便数も少なく、チケットも日本よりずっと割高なのだ。

行きにくくなった最たる場所が台湾で、日本からなら格安チケットで直行便、わずか3時間ほどで行けたのが、中国からは政治上の問題で国交がないため、香港かマカオ経由で6時間くらいかかる。

中国に住んでいて「台湾に行きたい」と言うと「似たようなもんじゃん」と思う人もいるだろうが、私に言わせれば全然違う。何が違うって語り出すとキリがないけど。
それでなくてもこの所、中国生活のサツバツ&サバイバルな部分(?)にお疲れ気味な上、杭州は一週間雨続きで暗く、寒い日が続いている。

吐く息さえ白い家の中でダウンジャケットを着ながら生活し(エアコンがあるのは寝室のみである)、震えながらシャワーなんぞ浴びていると(バスタブがないので仕方がない)、ふと
「南国・台湾で茶館に行って、美味しいもの食べて、温泉につかってまったりしたい~~!!」と叫びたくなる。
要するに癒されたいのだ。

台湾には知り合ってもう7年近くになる台湾人の友達・Hさん姉妹がいる。
彼女達が日本へ旅行に来ていたときに偶然電車の中で知り合って、その後私が台湾へ遊びに行ったときは、お父様やお母様も総出で、それこそ一家をあげて歓待して下さった。

外国に初めて行く時って、第一印象が結構大事だと思う。
Hさん一家と知り合うまで、恥ずかしながら台湾について何も知らなかった私。
けれど今も、私の台湾の印象は最初に会ったHさん一家と同じく、暖かくてホンワカした感じである、と言えば少し感傷的すぎるだろうか。

その後Hさんはイギリスへ、私は中国へ留学し、毎年年賀状だけのやりとりになってしまったが、私が年賀状のすみっこに「今度の春節休暇には台湾へ行きたい」と書いたら、即効心のこもったメールが返ってきた。

「お元気ですか?私達も家族もみんな貴方のことを想っています。
また会えるのを心から楽しみにしています。
台湾から貴方と貴方の家族のご健康を祈っています。
…」
日本語に訳すとこんな感じだが、手紙の中にもやさしい彼女の人柄が感じられ、読んでいるうちに不覚にも泣けてきた。

物静かで周囲にとても気を使う彼女は、日本の映画が好きで、特に北野武や小津安二郎が好きだと言っていた。以前日本から小津安二郎の本を送ってあげたら、とても喜んでいたっけ。。。

これまでHさんと実際に会って話した時間は3日分くらいしかないし、当時はお互いに不自由な中国語と日本語で四苦八苦しながらコミュニケーションしていた。

でも、私たちには何か通じるものがあって、だからこそこれだけ長い間連絡しなくても、向こうもきっと私と同じ気持ちでまた会ってくれると信じられるんだと思う。

事情があって今回の春節は台湾に行けなくなってしまった。とても残念だけど、今日彼女にお詫びのメールを書いた。
でもきっとまた近いうちに台湾に行きたい。
そして彼女とゆっくりこの数年の積もる話を楽しみたいと思っている。

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