「人生成りがたし」
私がむかしから念仏のように唱えていた言葉があります。多分親に教えられた言葉のように思います。
それが「桃・栗3年 柿8年 柚子の大馬鹿18年」というものでした。
この言葉の奥には「人生成りがたし」という意味が含まれていたようにも思われます。
普通北海道には無いような木ばかりです。桃の木も栗の木も北海道に移植されて今では根付いていますが、むかしは見ませんでした。さらに柿は北海道には無く(一部の道南では見られる様になりましたが)、柚子においては全く見ません。
内地から入植した人たちが、北海道に持ち込んだ言葉であろうと想像されます。
柚子の木は18年経つとようやく実を付けるようですので、「柚子の大馬鹿18年」と大馬鹿の言葉を付けた言葉になりました。
〇ついでに、他の果実は何年で実を付けるのでしょうか・・・・。
・枇杷は9年でなりかかり
・梅は酸い酸い13年
・梨はゆるゆる15年 梨の馬鹿めが18年
・ミカンの間抜けは20年
・林檎ニコニコ25年
・銀杏ばかやろ30年
果物はそうはたやすく、実を付けないのです。・・・・・ 人生成りがたしです。
〇以上は果物の話ですが、仕事の修業に必要な期間とされているものについて次に紹介します。
・大工仕事の修業に必要な期間は 「穴掘り3年、鋸(ノコ)5年、墨かけ8年、研8年」
・すし職人 〃 「飯炊き3年、握り8年」
・ウナギ職人 〃 「串打ち3年、裂き8年、焼き一生」
・植木職人 〃 「水まき3年、根回し2年」
一人前になるには、むかしはまずは3年辛抱と言うのが常道でした。世に認められるまでは苦労無くしては成し遂げられません。