走るナースプラクティショナー ~診断も治療もできる資格を持ち診療所の他に診療移動車に乗って街を走り診療しています~

カナダ、BC州でメンタルヘルス、薬物依存、ホームレス、貧困層の方々を診療しています。登場人物は全て仮名です。

長い二人三脚

2023年06月20日 | 仕事

生きています。ご心配をかけています。とにかく忙しくて、、、、優先させているのは自分の健康。よってブログは後回しになっています。



不安症とADHDのコンボ率は高い。よって両方の治療をするわけですが、バランスが大切です。症状を混ぜこぜにせず変化を理解していかないと、どっちがどっち?的なことになります。


でもこの彼は、効果があるといえば薬の増量が止まる。効果がないといえば他の薬に変えられる、と思い込みがあり、問診を取るのが難しい。だって大袈裟に言う傾向があるから、、、。経験していることを正直に言ってくれれば良いのに。作り話はすぐバレます。やめましょう。


こんな時に役に立つのがスケール式の質問用紙。同じものを何度も使うことで回復傾向にあるのかどうか掴めます。しかし忘れてはならないのは、その質問以外の患者の困難をかならず聞くこと。あと、主感的なものの物差しは難しい。感覚には個人差が大きく関係しますから。それと目標の差も現れます。


頻回にあることですが、「不安がゼロになる」ことを目標にする患者が多い。不安は人間の感情の一部だからゼロにはならない。不安が日常生活を侵害しない(仕事や学校へ行けない、家族の世話ができないなど)程度になるのがゴールです。その辺りの確認も必ず行わなければなりません。


もう一つ、時間がかかることを理解してもらう。この彼は診察と治療を始めて3ヶ月になります。まだ微調整を行なっています。誰も魔法の杖を持っていない。とてもシンプルなことですが、ここも理解してもらわないと信用を失います。あと少し、二人三脚を続けましょう。



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