走るナースプラクティショナー ~診断も治療もできる資格を持ち診療所の他に診療移動車に乗って街を走り診療しています~

カナダ、BC州でメンタルヘルス、薬物依存、ホームレス、貧困層の方々を診療しています。登場人物は全て仮名です。

子供を被害者にも加害者にもさせない為に

2019年06月09日 | 仕事
以前性行為について書きました。

性行為の同意
性行為の同意 その2

年齢差、パワー的地位のあるものが未成年者と性行為をすると犯罪になる事についてでした。

では同い年同士が性行為をする事は?同意があれば犯罪にはなりません。同意がなければ立派な犯罪です。

相談があると呼び出し、人気のないところで性行為を強制された。立派な犯罪です。

彼女は不安症が酷くなったと診察に来ました。問診を取る中で同意のない性行為を暴力で強制された事を話してくれました。彼女は中学生です。私には報告する義務が生まれます。彼女は警察には言って欲しくないと言います。あれはレイプではないから、と。彼女に丁寧に報告する必要性を話します。実際彼女の病状は事件に起因するもので、それを起こした相手を野放しにするのは正しくありません。

そして警察に報告します。警察官は診察室へすぐにやって来ました。私も警察のインタビューに立ち会いました。一コマ一コマ警察官は事件の経過を丁寧に彼女に聞きます。側で聞いていて悪寒が走ります。レイプではないと私に言った彼女でしたがその描写は立派な犯罪だと思いました。

警察官は彼女の母親へ連絡を入れ、捜査を開始するかどうか決めると言っています。未成年なので親の判断を仰がなければならないと言う事です。

事件は2ヶ月前に起こっていました。それでも警察の敏速な動きに私は感動しました。なにせ私は日本と言う男性優位社会で性犯罪に鈍感な社会で育ちましたから。警察官は言います。真剣に取り扱わなければならない内容だと。法もシステムも機能している国。日本もこうなって欲しいと強く思いました。

もう一度言います。性行為とはキスや体に触る、性的表現をするなども含まれます。ハグも許可なしですると犯罪となる可能性もあります。日本の殿方。海外、特に先進国では素行にお気をつけあそばされ。

そして中高生のお子さんを持つ親御さん。何が正しい事なのかしっかり子供に教えてください。被害者や加害者になる子供たちを1人でも減らすために。


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