走るナースプラクティショナー ~診断も治療もできる資格を持ち診療所の他に診療移動車に乗って街を走り診療しています~

カナダ、BC州でメンタルヘルス、薬物依存、ホームレス、貧困層の方々を診療しています。登場人物は全て仮名です。

動く標的

2021年06月25日 | 仕事
今週のコロナの勉強会は頷くことが沢山あった。カナダの中でもBC州はワクチンの接種率が高く、州民の78%が1回目の接種を終えている。コロナに関するランドスケープがガラリと変わってきている。そうなると検査結果の意味やマスクの意味が変わってくる。そのような内容が多かった。以前にも書いたが「OOはXXである」と信じきり、それを突き通すのは医療ではない。「A期にはOOは△△を意味していたが、B期になるとOOは□□を意味する」。こんなところでしょうか?つまり状況による順応性、機転、方向性の変更などがとても重要になるという事。

統計学を理解している人にはわかりやすいと思うけれど、数字一つでは表せない事象の複雑さ。違う視点で同じ事象を捉えても見えてくるものが異なる事実。よってマスコミで取り上げているような97%と93%ならば97%が良いと理解を煽るようなものは科学ではない。Contextによる討論を繰り返す事でより良い科学が作り出される、まさにAction in Science だな〜と頷くのであった。

ターゲットはいつも動いている。Moving Target なんです。

このMovingTargetに追いつけないのが日本の弱点なのではないでしょうか?コロナに関しては、たとえ日本の医療者が追いついていても、それを信じられない、もしくは重要性を理解しようとしない政治家が邪魔をしていては諸外国のようの物事が動かない。これが対策の不統一、医療資源の偏り、対策の遅れなどにつながったのではないでしょうか?凝り固まり、城の中で城外を出ないで指示を出す。未だに国民の20%にも届かない接種率。批判されてからも加速できない亀対応。

情けない

この一言です。


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