走るナースプラクティショナー ~診断も治療もできる資格を持ち診療所の他に診療移動車に乗って街を走り診療しています~

カナダ、BC州でメンタルヘルス、薬物依存、ホームレス、貧困層の方々を診療しています。登場人物は全て仮名です。

農業、酪農業、畜産業への影響

2020年05月08日 | 仕事

農業と畜産業への影響

北海道の農場もでっかいがカナダの農場や畜産業のサイズもでっかい。大量生産、大量輸出でコスト減を狙うからだ。で、コロナのおかげで影響が出ている農業や畜産業の事をご存じですか?

まず酪農業。牛乳は一般消費者への市場の他にレストランやカフェへの直接販売もある。ロックダウンが始まった時、レストランとカフェへの売りがなくなり、最初は余った牛乳をフードバンクへ送ったが、毎回していては損失は拡大するばかり。そして酪農家は搾った牛乳を垂流ししているそうだ。生産量を半分にすれば良いと思うかもしれない。しかし搾乳をしなければ乳は止まる。瓶詰めにするより捨てた方がコストが低くなると言うわけだ。下水に流れていく牛乳。なんとも言えない光景だった。

じゃがいもの生産。これもレストラン関係へ出荷する方が一般市場よりずっと多いそうだ。特にフレンチフライ。この需要が減りじゃがいも農家は去年のじゃがいもが未だに山積み。このままでは次の収穫が丸々倉庫行きになるそうだ。ヘリコプターが2機ぐらい収まるのではないかと思うぐらいの倉庫にじゃがいもの山。圧巻の映像だった。

牛肉や豚肉、鶏肉は大きな工場でされパッケージ化される。これらの工場はエッセンシャル職業として継続していたが、最近続々と職員のクラスター感染が発覚し、工場は閉鎖へ。従業員がコロナ感染の心配なしで働けるように労働環境改善がなされるまで再開はできない。畜産業家は出荷予定の牛や豚に溢れているそうだ。そのスペース、餌代などが出費を負担している為、大量安楽死を考慮中とニュースに出ていた。

何もかも稼働している連鎖を止めるより、捨ててしまうのが一番コストが低く済む。しかしなんとも言えない現実。食べるものがなくて餓死している人がいる一方で、経営のためには捨てる事が一番と。これが利を追求した現代社会の成れの果てなのか、、、そう思うとそんな犠牲の上に成り立っている生活。現代人がまるで意地汚いモンスターに見えるのは私だけでしょうか?



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