走るナースプラクティショナー ~診断も治療もできる資格を持ち診療所の他に診療移動車に乗って街を走り診療しています~

カナダ、BC州でメンタルヘルス、薬物依存、ホームレス、貧困層の方々を診療しています。登場人物は全て仮名です。

看護師の社会的地位の向上

2018年06月11日 | 仕事
昨日の続き

殺人犯は心の病気を治療中でしたが、殺人に関して責任能力が問えると判断され、刑に服しています。無期懲役です。自分から精神科医に殺人を告白したように、全ての殺人と未遂を認めています。殺人を想像することが、自分の怒りの感情を鎮める唯一の方法だったとも供述しています。

何度も投薬の間違いを起こし、指導されていた犯人。州民を守る役割のあるカレッジは何をしていたのでしょうか? カレッジの証言に注目が集まります。

先日、自分が属するカレッジのサイトを読んでいました。偶然見つけた(今まで見過ごしていた)のですが、登録されている看護師の免許が剥奪になったり、保留になったり、指導が入っていることや、捜査が始まるなど、看護師ごとに名前、免許証番号付きで公表されていました。詳細もしっかり書かれています。医師や薬剤師、全てのカレッジで同じ事が行われているわけですが、少しビビりました。監視されていると勘違いしてしまいそうなほど、、、。

何度も書きますがカレッジは公民を守る団体。団体に属する者の水準を守る事が使命なのです。そのためのレギュレーションで、それを守っていないものには捜査が入る。当たり前の事。だから公民から信頼されるのだ。信頼されるが故、公民や雇用主から苦情が出ることもしかり。捜査の結果、レギュレーションを守っていない事が判明すると、カレッジの名を汚したとまで言われ罰金を払う事にもなるのだ。身が引き締まる思いだった。

プロと呼ばれるのは、そう言うことだ。プロとしての自覚、公民の信頼に応える努力。改めて考えさせられた。そして殺人犯のパブリック インクワイアリーで、更にそれを再確認した。世の中はバランスが大切だ。自由と秩序。自由と法律、、、、警察が力をつけすぎて、監視カメラが町中に設置され、メールや手紙が閲覧されれば平和の名の下自由を失う。

労働組合とカレッジのバランスもしかり。バランスが取れているから公民が守られ、労働者も守られるのだ。

そして日本にも、このような明確なシステムが設置されることを願います。社会的地位向上と信頼を得るための第一歩ですから。


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