昨日の続き
ガイドラインは組織としての責務です。
例えば医療事故が起こったとします。医療行為を行った看護師の足取りもレビューされますが、その行為のガイドラインがどうであったかも調べられます。そしてそれがアップデートしたものであったかどうか、看護師の免許を持つものであれば理解できる内容であったかどうか、用語の利用は的確であったかどうか、ガイドラインが看護師に浸透するように組織としてどのような教育を行ったか、などあらゆる視点で審議されます。
ここまでするのは医療事故、つまり間違いが起こるのはその個人の不注意ではなくシステム的な因子が最も影響を与えている確率が高いからです。
北米ではクレディテーションは大学だけではなく組織にも行われます。良い組織とはこのような活動が当たり前にあり、組織の向上、職員の安全、組織の使命を効率よく行っているかどうか審査される対象となり、医療機関でガイドラインが実践的でなければアウトだからです。
そして組織だけではなく免許を発行する団体も、プロのあり方についてガイドラインを作らなければなりません。カレッジは州民を守るための団体ですから、看護師やナースプラクティショナー(NP)が何なのか、何をどこまでできるのか基準を持って示す必要があります。こちらはスタンダードと言った方が良いですね。法律制度の解釈は色々な方向に取れるように作ってある。その解釈を組織として具体化するものです。
そして私はNPなので糖尿病診断のガイドライン、糖尿病治療のガイドラインなど治療に関する山のようなガイドラインがあります。こちらはそれぞれの団体が作ったものです。州のガイドラインにカナダのガイドライン、アメリカ、ヨーロッパと同じ糖尿病でも同じではありません。どれを参考にするのかはプラクティショナーの裁量です。
施設で働く看護師であれば、薬の投与方法についてのガイドラインもあります。こちらは薬剤師によって作られます。
これらの事をどう思いますか?めんどくさい?ありがたい?
私は自分を守ってくれる物だと思っています。医療は複雑です。高度化に伴い複雑化も進んでいます。行為の根拠の明確性、経験値に頼らない看護。経験年数が違う看護師でも最低水準はキープできる確かさ。現代の医療にとって不可欠なものであると言っても過言ではありません。
貴方の職場のスタンダードやガイドラインはどうですか?