走るナースプラクティショナー ~診断も治療もできる資格を持ち診療所の他に診療移動車に乗って街を走り診療しています~

カナダ、BC州でメンタルヘルス、薬物依存、ホームレス、貧困層の方々を診療しています。登場人物は全て仮名です。

パニックに

2021年06月23日 | 仕事
実習生を持つと、患者に協力を求めなければならない。殆どの人がすんなり返事をしてくれるのだが、今日の彼は違った。

開口一番に学生に診てもらうためにきたわけじゃない。美加に診てもらうために来たんだ!と言う。学生を褒めようと、私が同じ部屋で監督を務める、と言っても彼は変わらない。
仕方なく私が診察、学生は見学となった。

で、診察途中、彼が言う。ごめん、怖かった、と。

彼が私の患者になって6ヶ月。それまで医療を避けてきた人。どんなに苦しくても救急室へ行く事を拒否する人。病院とか医療者が大嫌いな人。

そんな彼を学生に任せようとした私が悪かったか、と反省する。

彼は言う。次は大丈夫だと思う。次は君に任すよ、と学生さんに約束する彼。

ほんのちょっとの事。しかしそれでパニックになる、そんな患者さんたちを多く診察する私です。

冒頭写真:あら可愛いアライグマ何て言わないでくださいね。アライグマはゴミをあさる悪者なんです。ほら目隠しをしているようで盗人っぽいでしょ。


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