走るナースプラクティショナー ~診断も治療もできる資格を持ち診療所の他に診療移動車に乗って街を走り診療しています~

カナダ、BC州でメンタルヘルス、薬物依存、ホームレス、貧困層の方々を診療しています。登場人物は全て仮名です。

C型肝炎の治療

2022年02月13日 | 仕事

ウイルス性肝炎と言ってもAからEまでの5種類。感染ルートは異なる。BとCは将来癌に変化する事があるので、定期的にエコーをしなければならない。

AとBは予防接種があり、感染予防が出来る。未だにBの治療方法は確立されていない。
Cの予防接種はないが治療薬が開発された。それも飲み薬。3ヶ月の服薬で完治出来る。BとCは性交や歯ブラシやカミソリのシェア、タバコの回し飲み、箸やフォークの共有などで感染するので、私の患者層に多い。

で、最近続々とC型の治療を行い、完治になる患者が続いた。面白い事に、それを聞きつけ次から次へ検査と治療を願い出ている患者が増えている。私の患者層って、ちょっとしたコミュニティーと言うか、団結しているというか、口コミがすごい。今回のように良い事で影響が出るのは、治療する側としても嬉しい。

しかし、C型の中にも違うタイプがあり、完治しても再感染する可能性がある。そこを入念に説明して行くことも大切。特にタバコの回し飲み。タバコというより違法薬の回し飲みだけどね。ここで注射?と思う人が多いと思いますがハームリダクションのお陰で使い捨て注射器を使用する人が増えて、注射器での感染は低くなりました。しかし違法薬を気化させるパイプはハームリダクションに含まれていないので共有する人が多い、と感じています。これもハームリダクションに含まれる日がきますように、、、、

カナダでは新生児の予防接種にBが90年代から始まりました。Aは先住民族であれば含まれています。Aは水質汚染地域で起こりやすい(糞便から経口感染)ので、そのような地域(水道水を飲まないように注意喚起されている地域)へ旅行予定の人に推奨されています。2回の投与が必要なので、早めの計画をお奨めします。旅行のためのワクチンはカナダではカバーされておらず、個人負担です。AとBの混合ワクチンが販売されています。ちなみにBは3回の接種が必要です。医療者や救急隊、消防隊、警察で働く人にはB接種が義務化されています。

冒頭写真:ブルーバードデーでした。真っ青な空が広がる冬晴れの日をスキーヤーはそう呼びます。春スキーのような温度で暑いと思うほど。


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