走るナースプラクティショナー ~診断も治療もできる資格を持ち診療所の他に診療移動車に乗って街を走り診療しています~

カナダ、BC州でメンタルヘルス、薬物依存、ホームレス、貧困層の方々を診療しています。登場人物は全て仮名です。

ギャップを実感

2016年10月29日 | 仕事
うーん、なんか不完全燃焼気味な夜だった。こんなところでパネルセッション。



私はパネラーとして前の座席に座っていました。お題はフェンタニルについて。青少年とその親を対象に行われました。同様の会は他の街でも開かれていて200人以上の参加者が現れました。

この会場の収容人数は200人。座席が足らないのでは、と心配していましたが座席は半分以上が空席のままでした。質疑応答も他の場所では白熱していたのに、しょぼくてサッサと終わっちゃいました。なんだか悲しい。と同時にこれが自分に課せられた課題なのだと改めて認識しました。

私が働いている地域は、色々な意味で特別な場所。BC州のマジョリティーがアジア人になる日はそう遠くないと言われるほどアジア人の移民者が多いBC州。特にバンクーバー周辺はそれが顕著だ。

カナダは白人の国と思い、子供をBC州に留学させるとほとんどの人は驚く。白人はクラスの1/4ぐらいにとどまり、他はアジア人となるのだ。アジア人と一言で言っても、中国人、韓国人、フィリピン人、タイ人、ベトナム人、イラン人、インド人、そして日本人。

しかし私が働く街は、未だにマジョリティーが白人なのだ。そして教会が多く、敬虔なクリスチャンの街でもあるのだ。なので非常に保守的。犯罪率の低さ、緑の多さ。移民者の比率の低さ。この辺りの他の市に比べるとかなり違う人口層なのだ。しかし人口増加率は最高値。次の10年に見込まれている増加率は25%で一番だ。急激に成長している街だ。今までのような人口比率は維持できないと思う。

で、保守的、、、、対岸の火事的考えが非常に浸透しているのです。

しかし、この街で増え続けるオーバードースによる死。市民の興味と実際に起こっている事のギャップが大きいんですよ。あちこちにイベントを知らせたけれど、それが末端のどこまで届いたのか非常に疑問なのです。うちは関係ないわ、と学校や地域で情報が出されなかったかもしれません。

この街のギャップ。それが私の課題なのです。


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