走るナースプラクティショナー ~診断も治療もできる資格を持ち診療所の他に診療移動車に乗って街を走り診療しています~

カナダ、BC州でメンタルヘルス、薬物依存、ホームレス、貧困層の方々を診療しています。登場人物は全て仮名です。

エキジットプラン

2020年04月21日 | 仕事

カナダのコロナによる死亡者数は昨日付けで1690人だがBC州は86人。感染者数のカープも抑えてExit Plan が話し合われている。エキジットは出口。この非常事態からどう抜け出るか?計画を立てているところ。しかしその案が施行されるのは5月中旬と言われている。現在の予想のカーブが続く事が第一条件だ。それも一斉に全てが緩和されるのではない。部分的に緩和をしていき、感染者のカープを見極めてとなるらしい。そして予防接種ができない限りフィジカルディスタンスは緩和されないときっぱり言われている。Exit Planができるように今の規制を緩めないように、と彼女は口を酸っぱくして言っている。

BC州の非常事態宣言と様々な規制が始まったのが3月23日。まさに2ヶ月の長い道のりだ。毎日行われる州の記者会見でも、ツイッターでも、職場の週一の全体オンライン会議でも、CEOから定期的に送られてきる統計とアップデートのEメールでも、死亡者の数を言う時に、「尊い命が、、、」とか「これはただの数字ではなくて人命の数、、、」と始め家族にお悔やみの言葉を言添える事を忘れないリーダー達。流石だと思う。公衆衛生の世界は数字の世界。それなのに数字ではなくて「人間の命」と州民やスタッフに再確認させる。非常に大事な事だと思う。リーダーがリーダーシップを発揮し、州民がそれに従う。それによって人命が守られるのだ。

規制と経済効果のバランスはとても重要だ。前代未聞の失業者数。逼迫する財政。しかし経済を選び規制を緩めるのが早ければ、また尊い命を多く失う事になり、今まで亡くなった方々が教えてきてくれた事でさえ無駄になる、とブレーキをかける。遠回りのようで近道とはこの事だと思う。人命を最優先させるメッセージと実践が明確だ。日本も見習って欲しいと思う。

続く。

BC州の発祥の地に住んでいる私。いつもは観光客で賑やかな通りですが、誰もいません。夜の散歩。


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