やっパリ、メトロで。

パリ在住だったブログ主が語る、パリ・フランス、日本の交通系散歩日記。鉄分やや多め。

北海道でバカンス(3) 都会の脇のローカル線で一風呂~札沼線

2013-08-18 | 旅行


北海道に来てから4日目、
札幌からの日帰り旅行第3回目です。
今回は、夕方に友人とススキノで待ち合わせのため、
あまり遠出せずに、札幌近郊を行きます。

本日の企画は、都会から近いローカル線をたずねるというものです。
JR札沼線という路線が、札幌駅から新十津川駅まで延びています。
しかし、札幌駅で「札沼線」という路線名は見つかりません。
今では、愛称名「学園都市線」で通っています。
昔は札幌駅から始まり、新十津川駅を通って、
一日前に通った留萌本線石狩沼田駅までを結んでいました。
その末端部分が昭和47年に廃線になってしまってから、
終点が「沼」田ではなくなってしまったために
名が体をあらわさなくなりました。
そこで、JR化後に「学園都市線」という愛称名がつきました。

国鉄時代は、全線を通して古ぼけたディーゼルカーが
思い出したころにやってくるような、場末のローカル線でした。
JR化後、札幌から途中の北海道医療大学駅までは沿線の成長が著しく、
複線化、高架化、そしてついに昨年2012年には電化までを果たし、
ICカードkitakaのエリアにも。
昼間は20分に一本で電車がやってくる、完全な都市型路線となっています。

その成長を我関せずとしているのが、
今日、久しぶりに訪れる石狩当別駅~新十津川駅間です。
「学園都市線」というしゃれたニックネームではなく
「札沼線」という本名が似合うローカル線区間。

それでは、行ってみましょう。

札幌から「学園都市線」の電車で石狩当別まで。
ロングシートの通勤電車。札幌市北東郊の新しい住宅地が続きます。


石狩当別駅です。札幌市の隣、当別町です。


向かいに止まっている1両のディーゼルカーに乗り換えます。
この一つ先、北海道医療大学駅からは電化されていません。


扇風機が車内の空気をかき回します。


がらがら過ぎるとさみしいですが、
家族連れなども乗っていて、ちょうどボックスが埋まる程度の
よい乗車率(JR側はもっと乗ってほしいでしょうが)。
窓を開けて、足を投げ出せば、旅気分。


窓をいっぱいに開けて、石狩川右岸側にひろがる平野の中を行きます。


石狩月形駅では、列車の行き違いが行われます。
ここから先の行き止まり側(新十津川方面)は、
通票(スタフ)を持っている列車1本しか入れません。
いわば通行手形です。
画像はスタフの引渡しを行っているところです。
見えにくいですが、運転士さんが持っている輪っかの根元のところに、
スタフが組み込まれています。
列車の運行管理も自動化が進み、
このようなシステムになっているところは、全国でも少なくなりました。

石狩月形駅を出ると、ローカルな雰囲気の中に、
高い壁に阻まれた近代的な建物が現れます。
月形刑務所です。人の気配が見えないのが物々しさを増幅しています。

ブログ主は刑務所に入ったことはありませんが、
刑務所勤務の友人がいました。
一緒に飲みながら、
刑「おまえは収監してもすぐに逃げそうだな」
主「どういう意味だ、それ?根性がないってことか?」
刑「いや、頭ひねってひたすら脱出計画を練りそう」

閑話休題。




終点の新十津川駅に来ました。

昨日の函館本線滝川駅は、ここからわずか3km程度のところにあります。


明治22年、奈良県の十津川村が大水害にあい、
そこから難を逃れてこの土地に入植したのが、新十津川の始まりです。
この付近では、今でも関西弁を話す人がいるとかいないとか。


浦臼駅~新十津川駅は一日3往復のみ。1時間3本の札幌口との落差が激しい。


ここから石狩沼田方面の線路は剥がされ、
泣いても笑っても新十津川が終着駅。


乗ってきた車両は、国鉄時代そのままの青い座席と内装。
郷愁を誘います。

15分ほどの滞在の後、折り返しの列車で引き返します。

さて、特に観光スポットのないこの路線の特徴は?
何もないのが心地いいローカル線!?
いえいえ、面白い駅名があります。


bottom(シモ)だけどtop(トップ)


小銭ならあるよ


早起きは三文の徳


さっぴかない。しょっぴかない。


名前は平凡ですが、待合室の小屋
(毛筆体で「不審者に注意」と書いてあって、不気味さを増している)
を除いて、
周りは山林しかありません。豊かなのか?
秘境駅。


もう、なんともコメントのしようのない、
北海道らしさ。おつ!


パン屋でしょうか。存在感がある。

途中、本中小屋駅で降ります。

まっすぐ続く線路。


踏み切りを渡り、まっすぐ10分進んでいきます。


中小屋温泉。
15年ぐらい前の学生時代に、大学の仲間と12人で来ました。
札幌でB'zのロックコンサートが行われていたようで、
市内や近隣の宿泊施設は満室、一番近いところでここが空いていました。
札幌から1時間。

地元の人が、農作業が終わってから汗を流しにくるといった感じの、
飾り気のない温泉ですが、
内湯と半内湯(露天にサンルーフをつけて虫除けにしている)があります。
宿泊もできますよ。



一風呂浴びたら、札幌へ戻ります。
ススキノで、友人とジンギスカンが待っています。



次回もつづく。
猫にまたたび、明日もまた旅。



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