生かして生かされて生きる

日々感じる事 気になる言葉
宗教問わず信仰について考える
ほとんど私用メモ帳化してます

宗教の復権

2006年05月17日 | 創価学会問題
「宗教の復権」~グローバリゼーション・カルト論争・ナショナリズム~(中野毅著。2002年9月初版)
(第一部・グローバリゼーション、宗教的ナショナリズム、原理主義。第二部カルト/セクト論争とナショナリズム)(著者のサイトでも一部考察が拝見できました)

学会問題を考える時、創価学会の本の中に、外部サイドの私からみて、(学会員さんに)読むのをお勧めしたくない本もあれば(たいてい絶版になっているらしいが)、友岡さんの本のように読んでみたほうがいいと思う本もある。

この本はいきなり題名もセンセーショナル(人によってはラディカルに感じる部分)かもしれないですが、カルト・セクトと日本でも海外でも話題にあがるいくつかの団体について、創価大学の研究者の方が”創価学会も含めて”カルト側、反カルト側の両方を検証、考察されている。
そういう意味ではカルト問題、原理主義問題に前向きと言える本。
ナショナリズムグローバリゼーションもカルトの展望も、理論だけで実践が伴わない限りは手放しでは賛同できないものの、著書では多元主義も視野に入れてバランスはとられていると思う。
被害者問題にはあえて触れずに「マクロの視点」ということですが、広い視野での考察は今の出来事をみる一つの考え方として知ってみるのもいいと思う。

また、アンチサイド、カルト問題に関心のある方も今後の批判姿勢を問うのに読んでみるといいと思う。
宗教が個人の生き方だけでなく政教分離といえども国や政治に与える影響というのは実際少なくないと思っているので、宗教に関して無関心でいるのもよろしくないと思っているし、また宗教に対して偏見だけでもよくないと思う。
宗教に関しては私もいろんな視点のほしいところでもあったりする。

また、あとがきより気になったところを一部引用。
今まで被害が出ていても一部の学会員さんから「個人の問題、組織には関係ない。トラブルなんて起こしてナンボ」で済まされていた部分が、団体、信者個人としてのあり方と反カルトのあり方を問う形で述べられている。これらの声が末端信者の盲信されている方にも届いて迷惑行為が減ってほしいと願うし、外部側も批判にあたって心がけるものでもあると思う。

・『この自由で多元的な社会を是とする立場からの方法的視座は、やはり文化相対主義に近い立場であると考える。
端的にいえば、 「自由や人権などの価値観も、特定の歴史と伝統を有する具体的社会における産物であり、相対的な価値でしかない。
社会や文化が異なれば、真理や価値も異なってくる」 という認識である。』

・『「自由は個人の内面の自由のみでなく、外的行為として表現されるものであり、共同行為を求めることもある。
その際大切な事は、自分の自由を追求することが、他者の自由を奪ってはならないし、他者の自由を内的にも外的にも保障することと両立しなければならない」と。
そしてこの基準は、個人にも、宗教教団やその他の社会集団にも、また強制的な権力を持つ政府や国家になによりも要請される。』


・『他者の自由や人権を侵害するような行為は、たとえ信仰の名のもとにおいても許されない。
この他者には、当該宗教団体に属する者も、属さないものもふくまれる。』

・『当の社会が許容する範囲においてしか自由は認められず、現行法規に違反する犯罪は裁かれなければならない。
しかし、社会一般がみとめる自由を逸脱した場合でも、直ちに法的な規制を加えよ、新たな法律を制定して取り締まれという議論は、問題をふまえる必要がある(後半に記述あり)。』

・『自由主義社会では、たとえ逸脱と見える信仰内容であっても、その信仰による外的行為が他者の自由や権利を侵害しない限り、需要していくことが求められる。』

・『宗教集団にあたっては、集団外の諸個人や、集団内の信徒個人の自由や権利を侵害していないか、常にチェックしていくことが必要である。
一般社会も、その監視が集団ヒステリー現象や社会的リンチにならないよう、自己抑制が必要である。特にマスメディアが発達した社会では、メディアによるラベリングが過度の抑圧状況を容易に生み出す危険性があることを前提として対応しなければならない。』

・『この見解に対してもさまざまな批判や異論もあることと思うが、多くの関係者や研究者との論議をとおして、さらに深めていきたいと念願している。』


文中に桜井教授、それから島薗進教授などのお名前も見受けられた。
 「カルトを問い直す」など、カルト問題に関連する書籍もみてみるといいと思う。




最新の画像もっと見る

6 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (三九郎)
2006-05-17 14:17:44
友岡さんって、有名人やねんね。

まわりの学会員ほとんど知ってたわ。

本は読んでないんやろけど。
うん、知ってるみたいです。 (みれい)
2006-05-17 23:22:25
うちの知り合いの学会員さんも名前は知ってました。

「それって何月号?」と聞かれたので、友岡さんは月刊誌とかに何か書いていらっしゃるみたいです。



んで、やはり本は読んでらっしゃらないようでした。

うんうん (三九郎)
2006-05-17 23:37:36
あいつら本読まへんなあ~、ほんまに。
ですよね・・・ (みれい)
2006-05-17 23:59:05
せめて紹介したサイトの友岡さんの抜粋だけでも見てくれるとありがたいです。

Leoさんのサイトとかも実にわかりやすくまとめられてるし。



「人間革命」だけは御書より読んでいる人多いと思うのですけどね。
神格化と人間 (マターリ)
2006-05-18 20:29:45
昨年、図書館で、『ブッダは歩む・ブッダは語る』を借りてきて、読んだことがあります。第三文明社からの出版というのは気が付きませんでしたので、驚きました。学会系の出版社からよく出したなあ、というのが実感です。



創価学会問題は、釈迦・日蓮さん・池田氏の神格化、絶対化に起因しているように思います。どなたも、神話の世界の方ではなく、現実の歴史に足跡を残している方なので、「偉大な人間」としてとらえる必要があるのだと思います。
あは (みれい)
2006-05-19 00:00:21
>マターリさん



実は、私も宗教の復権が創価大学の方と途中まで気がつきませんでした。



そちらの本、読まれましたか。学会の本だと言われないと気がつかないくらいかもですね。

私も意外でした。



>神話の世界の方ではなく、現実の歴史に足跡を残している方なので、「偉大な人間」としてとらえる必要があるのだと思います。



なるほど。人間・釈迦。人間・日蓮。同感。

教祖も私も人間ですね。



>三九郎さん



う~ん、そういう情報って、どうなんだろう?

友岡さんよりも(失礼)、その女の子が傷つかなければいいです。

削除依頼来たらこっそり消します。

個人的には食事くらい自由にしたらいいと思います。私も恋多くて。なんてw

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。