2006 J1リーグ 第34節: 浦和レッズ 3-2 ガンバ大阪
■ 優勝決定戦
2006年度J1リーグ最終節。どのような運命のいたずらなのか、優勝の可能性が残されたただ2チーム、その両雄の決戦によって王座が決まるという舞台を迎えます。
悲願の初優勝なるか、浦和レッズ。Jリーグ史上4度目の連覇なるか、ガンバ大阪。
前回は開幕戦での対決で、お互いに譲らない引き分けというかたちでスタートを切ったこの2チーム。それ以降は、ともにリーグの主役であり続けた存在でした。そして、今日までそれぞれのスタイルを確立して勝利を重ね続けてきた彼らが、9ヶ月という長い期間を経て再び直接対戦することで、今年のリーグ戦は決着がつくのです。
ただしこの優勝への条件は、前節までの成績によって、極めて浦和に有利となっています。G大阪に必要とされるのは、この浦和との直接対決においての「3点差以上での勝利」。それ以外の結果では全て、浦和が優勝を勝ち得ることになります。限りなく優勝へ近い浦和に、何とかG大阪がそれに追いすがっているというのが現状でしょう。過去のデータを参考にしても、浦和は今年、今日の舞台であるホームゲームでは全試合無敗。そしてその「3点差以上」という敗戦も、一度もありません。
前節では奇跡的にも優勝への権利を残して、この日につなげたG大阪。果たして、それ以上の奇跡をこの最終戦で見せることができるのでしょうか。
G大阪は、FW播戸が先発に復帰。MF遠藤もとうとうベンチ入りです。浦和の方でもDF坪井が控えに入るなど、離脱していたこれまでの役者たちが、この一戦に勢ぞろいしてきました。
見所は、浦和のFWワシントンと、G大阪のFWマグノ・アウベス、この得点王を争う大砲と言うべき選手を、お互いの最終ラインがどう封じ込めるのかという点でしょう。
また、中盤でも同様なことが言えます。浦和では好調な山田とポンテ、G大阪は鍵となる二川。この攻撃的MFを、お互いのボランチはどう阻止していくのでしょうか。
日本代表の三都主と加地がマッチアップする、サイドにおける攻防戦も注目です。開幕戦では、その加地に見事にかわされて失点を喫した三都主。雪辱を狙います。
■ 運命の90分
優勝を見届けるべく、今日も溢れるほどに浦和サポーターが入った満員の埼玉スタジアムで、午後2時に運命のキックオフのホイッスルが鳴りました。
G大阪はセットプレーから一度大きなピンチを迎えるものの、アウェーながら圧倒的にゲームを支配する立ち上がりとしました。3点必要なことから、開始から猛然と攻め入るかとも思われましたが、じっくりと徐々に徐々に迫っていく、緊張感のある寄せ方でした。
その中での前半22分、G大阪は播戸がやってくれました。橋本からのボールに、浦和守備陣の裏へ抜け出す播戸。このスピードに、三都主とネネはつききれません。そしてゴールラインぎりぎりから折り返し、これをマグノ・アウベスがヒールで流し込んで、G大阪がゴール!播戸は戦列から離れていても、その勢いのある突破力を失ってはいませんでした。エース2人の活躍で、G大阪は最低条件の3得点のうち、1つを前半から奪うという、大きな先制を呼び込みました。
明神のカバー、加地の積極性、家長のクロス。その後も、この中盤の選手たちを中心として、つなぐサッカーを展開するG大阪が支配権を譲らずに、シュートまでもって行きます。浦和の選手たちはほとんど出れない状況でした。
しかし、この劣勢をたった一人でひっくり返した選手がいました。浦和のMFポンテです。
前半27分、ワシントンとのコンビで駆け上がったポンテは、対応に来たDFシジクレイをワンタッチでかわし、逆サイドのゴールネットへシュートを突き刺す、鮮やかな個人技で同点とします。2人だけの攻撃で得点へと結びつけてしまいました。G大阪側からこのシーンを振り返ると、ポンテをケアするべきDF山口が、どうしたことか彼への反応が遅くてその対応が甘く、仕方なしにあわてて詰めにいったシジクレイのカバーがかわされたという、やや守備に緩慢さが見られた場面でした。痛恨の1失点です。
これでさらに浦和に引き固められてしまったG大阪は、引き続き保持は出来るものの、ついに前への出し所が見つからなくなってしまいました。そして前半終了間際に、またもポンテにやられてしまいます。
カウンターから、フリーのスペースがあった右サイドに突入するポンテ。これにG大阪は家長と宮本が何とかカバーに入りますが、この2人をもろともせずに、ポンテは一直線のクロスをワシントンへ見事に通します。これをワシントン、豪快に決めて浦和が逆転です。流れの中からではたった2回だったチャンスを、どちらも決めてしまった浦和は、これでG大阪をどん底に追い詰めました。この1点は大きく、優勝争いは実に「4得点差」へと広がりました。
後半、さらに前がかりになるG大阪は、ついに切り札であるMF遠藤を投入します。中盤の前方に配された遠藤は、ブランクを感じさせない立ち回りで、期待に応える動きを見せて攻撃によく絡みました。
こうして反撃の機運が見えつつあったG大阪でしたが、ある不運に襲われます。DFのシジクレイが、負傷でプレーを続行できないというアクシデントが発生。その直後に浦和がコーナーキックを得たのです。浦和はショートコーナーから、ファーサイドの闘莉王に当てて落とさせるという、G大阪を左右に揺さぶる攻撃です。これにシジクレイが不在であったG大阪の守備陣は混乱し、最後には中央でのマーキングが全く出来ずに、フリーのワシントンに追加点を許してしまいました。3-1です。G大阪はこれで事実上、優勝の灯が消えてしまいました。
依然としてG大阪は、パス回しで圧倒的にグラウンドを制圧するものの、もうほとんどの選手が引いて動じない浦和を前に、なかなか崩せません。クロスから播戸がドンピシャリのヘッドを放つも、これもキーパー山岸のファインセーブに遭ってしまいます。コーナーキックというセットプレーから、DFの山口が1点を返すのが精一杯でした。
刻々と時間は過ぎて行き、笑みもこぼれる浦和のベンチ内。あとは試合終了の瞬間を待つばかりです。そして2分のロスタイムが消化され、タイムアップが告げられたその時、埼玉スタジアムは大歓声で揺れました。
最後はライバルを直接打ち負かしての、文句のない優勝。浦和は最高の結末でもって、Jリーグ14年目にして初の頂点という栄冠に輝きました。
■ ポンテと二川
この一戦、勝負を分けたのはただ一点。前半戦における両チームの攻撃的MFでした。
三都主と加地が対峙するサイドの方が鍵を握ると予想されていましたが、この試合は意外にも、その逆サイドが両チームにとっての主戦場でした。90分通じて、G大阪は左サイドに張る家長からのクロスが目立っていました。
その裏を狙うのが、浦和にとっては右サイドの、1.5列目にいるポンテでした。今日好調であった彼を抑え切れなかったのが、G大阪にとっては敗因です。ポンテ自身も1得点1アシストという結果で、わかりやすいですね。チームが攻勢のために上がっていく家長は仕方ないにしても、橋本や山口といった、このエリアを担当する彼らが、ポンテの瞬間的な勢いを阻止することができませんでした。特に左DFの山口は、1失点目が象徴的でしたが、浦和のワントップのワシントンをシジクレイに任せているにもかかわらず、ポンテへのプレッシャーが非常にルーズだった印象です。そして彼の個人技を爆発させる結果としてしまいました。
対して、G大阪の1.5列目は二川です。G大阪にとっては唯一の貴重なチャンスメイカーでしたが、浦和はこの存在を徹底的に潰していました。今日の二川は、決して調子が悪かったわけではありません。事実、後半に遠藤が加わってマークが分散されると、見違えるように効果的なパスを続発させていたのです。鈴木や長谷部はもちろん、浦和の中盤の選手たちは、この二川を前半の45分間は封じることに成功していました。これでG大阪は、前線の下にいる彼にボールを経由させることができず、中盤の橋本、明神、家長といったボールホルダーからFW陣との距離は長いものとなってしまいました。もちろん、二川自身の技術が発揮されることもありません。これが原因で、あれほど前半にゲームを支配しながら、G大阪は畳み掛ける攻撃までには至らなかったのだと思われるのです。繰り返しますが、遠藤が入ってからは、二川は決定的なパスを送るなどの活躍を見せ始めていました。仮に、遠藤が最初からいて、2人で組み立てられていたならば・・・。ここ数試合でも悔まれ続けてきた、遠藤の離脱でした。
■ 2006年度の浦和
さあ、見事に初のリーグ制覇を成し遂げた浦和の、その輝かしい一年を振り返りましょう。
今年の浦和は、ワシントン、ポンテ、小野、長谷部といった、非常にキープ力に長ける優秀な選手を前線に揃えていました。そこから見せたのは、まったく相手にボールを譲らない、ゲーム支配率の高いサッカー。これまでの浦和には、あまり見られなかった特徴でした。しかしながら残念なことに、これといった戦術がどうも確立されているようには感じられず、連動性や積極性には欠ける印象でした。よって、分厚い遅攻を繰り広げながらも、攻撃の迫力自体は乏しいものでした。
それでも、各選手は個人技から得点していってしまいます。1人ないし2人だけで打開し、ゴール内へとボールを突き刺すことのできる、スキルの高い選手が数多く存在しました。中でもFWワシントンが圧巻です。崩れることのないボディバランスから、抜群のゴールセンスを披露して、観る者を圧倒してきました。毎試合のようにコンスタントに発揮できる決定力がすごく、終わってみればカップ戦を含めた32試合出場で35得点という、まさに優勝請負人としての存在感を示した、浦和の新エースでした。
調子よく勝ち点を重ねることが出来ていましたが、次第にその個人技に頼るサッカーには綻びが出始めるようになってきます。
イビチャ・オシム率いる千葉に、連携力の差を存分に見せ付けられて、これまでの好成績を全否定されるような衝撃的な完敗がありました。またナビスコカップにおいても、この無理やりな展開を修正できないままに、川崎に競り負けて1回戦敗退。さらにワールドカップの中断期間中に、頼みのワシントンが負傷で欠場となると、再開後に早速これが影響して、新潟を相手にいいところなく敗戦してしまいました。
うまく波に乗り切れません。
これらを救ってきたのが、今年の浦和の最大の象徴であった守備力でした。全34試合でたった28失点という数字を見るまでもなく、シーズンを通して強固であったこの守りなくしては、浦和の優勝は間違いなくあり得なかったでしょう。
攻守に派手な活躍で目立った闘莉王ばかりがクローズアップされた守備陣ですが、彼以外でも、特に素晴らしかった坪井という存在がありました。終盤は負傷のために残念ながら欠場しましたが、1対1での勝負強さは際立っており、突破を許しませんでした。それに、堅実な働きを見せる堀之内、ビッグセーブを連発してきたGK山岸が加わり、チームを失点から遠ざけていました。
この堅守の最終ラインの内容と言えば、決してオフサイドトラップなどをしかけたり、流動的な組織力を見せる動きをすることはありません。どんな相手に対しても、敵の攻撃パターンが移り変わろうとも、毎回同じように対応するという、まさに「不動の」ディフェンスラインでした。これが成立していたのも、個々の身体能力の高さがあったことに他ありません。スピードや屈強なフィジカルでもって次々に局面で競り勝ち、シュートされる前に跳ね返せてしまうのです。少ない失点数からは「堅実さ」が想像できそうなものですが、その実は、攻撃と同様に、守備においても個人能力による「ごり押し」とでも表現できるような感じでありました。
また、その最終ラインの活躍だけでは、この堅牢さを評価することができません。その一つ前に位置する、中盤の底で君臨した鈴木啓太です。今年、不動の日本代表へと成長を遂げ、チームに多大な貢献をした彼なくしては、今年の浦和は語れないでしょう。活動量、マーキング、カバーリング、これらをフルに発揮し続けてきて、ほとんどの試合で相手の攻撃に対するフィルターとなっていた鈴木は、大いに自軍の守備網の負担を軽減させていました。今季の最優秀選手をこのチームから選べと言われると、難しいところがありますが、個人的にはぜひこの鈴木を推したいところです。
このように後方からの土台が安定していたため、攻撃陣に好不調があろうとも、決して浦和はずるずると崩れることはなく、連敗なども一度もありませんでした。
後期には重症から復活したFW田中達也、同じく戦列復帰したワシントン、そして終盤になって攻撃のリーダーとなった主将の山田。彼らがそれぞれの技術を炸裂させて勝利の立役者となり、ついに25節以降は首位を一度も明け渡しませんでした。
全選手の素晴らしい個人技術力が見事に躍動しての、優勝であったでしょう。
もう一つだけ付け加えさせていただくと、浦和を支え続けたサポーターの力も見逃せない点です。チームはこれに恵まれました。実際に、彼らが熱心に詰め掛けたホームでは、とうとう公式戦で全試合負けることがありませんでした。この後押しが、浦和を王者へと導いた大きな原動力の一つだったと言っていいでしょう。この多大な結成力を持った、サポーターと一体になったチームが優勝したということに、私は少し嬉しさを感じています。
J開幕当初から低迷を続け、J2に降格する苦しい時期でも、彼らは見捨てませんでした。もたらされた観客動員などで可能となった補強により、強豪へと変貌するようになり、そして国内の頂点にまで登りつめられた浦和。苦楽をともにしてきたサポーターの賞賛されるべき応援が、ついに結実したシーズンでありました。
■ 2006年度のG大阪
敗れたG大阪にも目を向けたいと思います。この日川崎が勝利したため、結局最終順位は3位となりましたが、紛れもなく浦和と並んで今年のリーグの主役でした。
連覇を目指すG大阪。開幕前には、大黒とアラウージョという二枚看板のFWがそろって、それぞれの希望による仕方のない事情で移籍となり、彼らを放出せざるを得ませんでした。しかしそれにともない、必要に迫られて敢行した大型補強が大当たりしました。
中でも、日本代表の加地の加入は大きかったでしょう。右サイドで攻守に貢献する彼は、人材の不足するこのポジションにおいて君臨し、チームに左右のバランスをもたらしました。その加地はもちろん、同じく新規加入の明神も、橋本とともに中盤で果敢なプレスを絶やしません。この安定した中盤が支えとなったことにより、前方の攻撃的MFの遠藤と二川は、その創造力豊かなプレーを存分に披露することができました。
そして、そこから生まれてきたチャンスをことごとく点に結びつける、新生FW陣の決定力です。前半戦は、大分から加わったマグノ・アウベスが、昨年に続き得点力を発揮。その彼が負傷明けで調子をガタッと落とすと、それに入れ替わるように活躍し始めたFWがいました。神戸から移籍してきた播戸です。バイタリティ溢れる勢いでゴールを量産し、FWフェルナンジーニョをベンチへと追いやり、ついには日本代表にも選出されるという、彗星のごとく現れた新エースでした。この播戸も負傷で欠場となりますが、終盤では輝きを取り戻したマグノが再び爆発してきて、最前線では結局穴の見られなかったシーズンでありました。
このように、新戦力が期待を裏切らない働きを見せたG大阪。チームは去年と変わらずに、攻撃的なサッカーをスタイルとしてきました。しかしながら、その内容は個人技依存というものから完全に脱却していて、着実なパスワークを繰り返す重厚なものへと再構築されていたのです。
特にその中心にいたのが、遠藤と二川でした。この2人はG大阪の攻撃にとって、欠かせない存在でありました。2人とも好調を持続させ、遠藤は正確なキックから、二川はダイナミックな飛び出しから、それぞれ決定的なラストパスを量産していきます。相対するチームとしては、片方ならまだしも、この両方はなかなか抑えきれるものではありませんでした。
ゲームの支配率の高さは浦和と双璧をなしましたが、個々のスキルによるキープで制圧する浦和とは対照的に、チーム全体でつなげるパス主体の展開で主導権を握ってきました。
守備で特筆すべきは、右サイドバックも担当できる加持を得たことにより、去年から試みては失敗していた4バックを、従来までの3バックとついに併用できるようになったことです。対戦相手の攻めに合わせて柔軟に守備体制を取れるようになったのは、大きな収穫だったでしょう。
度重なるアジアのクラブ大会が組み込まれる過密日程の中でも、連覇を十分に感じさせるチーム力を保っていました。むしろ、最終節に転がり込んできた優勝で頂点に立ったという去年よりも、総合力は上回った感のある印象です。
多くの新戦力を迎えてのチーム再編成でしたが、それは実に1年目から成功したと言えそうです。
リーグにおいて、目下優勝争いのライバルであった川崎に4-0で圧勝したときには、優勝にもっとも近いチームでありました。しかしどうしたことか、続く甲府、磐田戦において、まさかの連続3失点での連敗。さらに追い討ちをかけるように、要の遠藤が肝機能低下により戦列から離脱してしまいます。
終盤において、この遠藤の離脱は大変痛いものでした。パートナーを失うこととなった二川は、奮闘を続けましたが、攻撃時の負担を一身に背負う立場となり、マークも集中されて、目に見えて存在感が薄れていってしまいました。守備に明神と橋本、攻撃に遠藤と二川という、中盤でバランスよく4人を共存させ、うまく機能し始めてきた4-4-2のシステムも、これで頓挫してしまいます。
チームは、これまでの調子の良さが嘘のように失速するというかたちで、今シーズンの終焉を迎えてしまいました。
G大阪は昨年にリーグ王者となったことから、今年はそのリーグ戦はもちろん、アジア制覇も大目標にして臨みました。国内ではJ1リーグ、ナビスコカップ、そしてAFCチャンピオンズリーグ、A3チャンピオンズカップまで、全てのタイトルを手にしようとして、これらに全力でもって戦い、シーズンを通してきました。思うに、このように手広く狙った目標の多さが、どこかしらにチームの安定性を欠いてしまった。それが、それぞれの大会のここ一番という戦いにおいて失態を演じることにつながり、そして全てを逃してしまう結果の要因の一つになったのではないでしょうか。浦和は初となるリーグ制覇に向けて、これに全力を注入してきました。この差もあって、リーグ戦でも、惜しくも浦和に届かなかった感じがあります。確かに、チームは去年までとは別の強さを持つ変身を遂げて、進化を見せました。しかしながら、余りにも大きかった目標に対して、新生G大阪は、まだチームの厚みや成熟度などが不足していたのかも知れません。
流れるようなボール捌きで、魅力的な攻撃を再三に渡って見せてくれて、個人的にはもっとも好印象だったこのチームが無冠(天皇杯はまだ残っていますが)というのは、私にとっては非常に寂しいことでした。今季の良さをベースにして、さらなる熟成を図り、覇権を奪回する強大な存在になってくれることを期待しています。
■ 祝!浦和初優勝
終わりに、最後まで盛り上げてくれた、この両チームには感謝を申し上げたいと思っています。
浦和、ならびに浦和サポーターの皆様。初優勝、本当におめでとうございました。
そしてG大阪、ならびにG大阪サポーターの皆様。見事な3位入賞に、拍手をお送りいたします。
■ 優勝決定戦
2006年度J1リーグ最終節。どのような運命のいたずらなのか、優勝の可能性が残されたただ2チーム、その両雄の決戦によって王座が決まるという舞台を迎えます。
悲願の初優勝なるか、浦和レッズ。Jリーグ史上4度目の連覇なるか、ガンバ大阪。
前回は開幕戦での対決で、お互いに譲らない引き分けというかたちでスタートを切ったこの2チーム。それ以降は、ともにリーグの主役であり続けた存在でした。そして、今日までそれぞれのスタイルを確立して勝利を重ね続けてきた彼らが、9ヶ月という長い期間を経て再び直接対戦することで、今年のリーグ戦は決着がつくのです。
ただしこの優勝への条件は、前節までの成績によって、極めて浦和に有利となっています。G大阪に必要とされるのは、この浦和との直接対決においての「3点差以上での勝利」。それ以外の結果では全て、浦和が優勝を勝ち得ることになります。限りなく優勝へ近い浦和に、何とかG大阪がそれに追いすがっているというのが現状でしょう。過去のデータを参考にしても、浦和は今年、今日の舞台であるホームゲームでは全試合無敗。そしてその「3点差以上」という敗戦も、一度もありません。
前節では奇跡的にも優勝への権利を残して、この日につなげたG大阪。果たして、それ以上の奇跡をこの最終戦で見せることができるのでしょうか。
G大阪は、FW播戸が先発に復帰。MF遠藤もとうとうベンチ入りです。浦和の方でもDF坪井が控えに入るなど、離脱していたこれまでの役者たちが、この一戦に勢ぞろいしてきました。
見所は、浦和のFWワシントンと、G大阪のFWマグノ・アウベス、この得点王を争う大砲と言うべき選手を、お互いの最終ラインがどう封じ込めるのかという点でしょう。
また、中盤でも同様なことが言えます。浦和では好調な山田とポンテ、G大阪は鍵となる二川。この攻撃的MFを、お互いのボランチはどう阻止していくのでしょうか。
日本代表の三都主と加地がマッチアップする、サイドにおける攻防戦も注目です。開幕戦では、その加地に見事にかわされて失点を喫した三都主。雪辱を狙います。
■ 運命の90分
優勝を見届けるべく、今日も溢れるほどに浦和サポーターが入った満員の埼玉スタジアムで、午後2時に運命のキックオフのホイッスルが鳴りました。
G大阪はセットプレーから一度大きなピンチを迎えるものの、アウェーながら圧倒的にゲームを支配する立ち上がりとしました。3点必要なことから、開始から猛然と攻め入るかとも思われましたが、じっくりと徐々に徐々に迫っていく、緊張感のある寄せ方でした。
その中での前半22分、G大阪は播戸がやってくれました。橋本からのボールに、浦和守備陣の裏へ抜け出す播戸。このスピードに、三都主とネネはつききれません。そしてゴールラインぎりぎりから折り返し、これをマグノ・アウベスがヒールで流し込んで、G大阪がゴール!播戸は戦列から離れていても、その勢いのある突破力を失ってはいませんでした。エース2人の活躍で、G大阪は最低条件の3得点のうち、1つを前半から奪うという、大きな先制を呼び込みました。
明神のカバー、加地の積極性、家長のクロス。その後も、この中盤の選手たちを中心として、つなぐサッカーを展開するG大阪が支配権を譲らずに、シュートまでもって行きます。浦和の選手たちはほとんど出れない状況でした。
しかし、この劣勢をたった一人でひっくり返した選手がいました。浦和のMFポンテです。
前半27分、ワシントンとのコンビで駆け上がったポンテは、対応に来たDFシジクレイをワンタッチでかわし、逆サイドのゴールネットへシュートを突き刺す、鮮やかな個人技で同点とします。2人だけの攻撃で得点へと結びつけてしまいました。G大阪側からこのシーンを振り返ると、ポンテをケアするべきDF山口が、どうしたことか彼への反応が遅くてその対応が甘く、仕方なしにあわてて詰めにいったシジクレイのカバーがかわされたという、やや守備に緩慢さが見られた場面でした。痛恨の1失点です。
これでさらに浦和に引き固められてしまったG大阪は、引き続き保持は出来るものの、ついに前への出し所が見つからなくなってしまいました。そして前半終了間際に、またもポンテにやられてしまいます。
カウンターから、フリーのスペースがあった右サイドに突入するポンテ。これにG大阪は家長と宮本が何とかカバーに入りますが、この2人をもろともせずに、ポンテは一直線のクロスをワシントンへ見事に通します。これをワシントン、豪快に決めて浦和が逆転です。流れの中からではたった2回だったチャンスを、どちらも決めてしまった浦和は、これでG大阪をどん底に追い詰めました。この1点は大きく、優勝争いは実に「4得点差」へと広がりました。
後半、さらに前がかりになるG大阪は、ついに切り札であるMF遠藤を投入します。中盤の前方に配された遠藤は、ブランクを感じさせない立ち回りで、期待に応える動きを見せて攻撃によく絡みました。
こうして反撃の機運が見えつつあったG大阪でしたが、ある不運に襲われます。DFのシジクレイが、負傷でプレーを続行できないというアクシデントが発生。その直後に浦和がコーナーキックを得たのです。浦和はショートコーナーから、ファーサイドの闘莉王に当てて落とさせるという、G大阪を左右に揺さぶる攻撃です。これにシジクレイが不在であったG大阪の守備陣は混乱し、最後には中央でのマーキングが全く出来ずに、フリーのワシントンに追加点を許してしまいました。3-1です。G大阪はこれで事実上、優勝の灯が消えてしまいました。
依然としてG大阪は、パス回しで圧倒的にグラウンドを制圧するものの、もうほとんどの選手が引いて動じない浦和を前に、なかなか崩せません。クロスから播戸がドンピシャリのヘッドを放つも、これもキーパー山岸のファインセーブに遭ってしまいます。コーナーキックというセットプレーから、DFの山口が1点を返すのが精一杯でした。
刻々と時間は過ぎて行き、笑みもこぼれる浦和のベンチ内。あとは試合終了の瞬間を待つばかりです。そして2分のロスタイムが消化され、タイムアップが告げられたその時、埼玉スタジアムは大歓声で揺れました。
最後はライバルを直接打ち負かしての、文句のない優勝。浦和は最高の結末でもって、Jリーグ14年目にして初の頂点という栄冠に輝きました。
■ ポンテと二川
この一戦、勝負を分けたのはただ一点。前半戦における両チームの攻撃的MFでした。
三都主と加地が対峙するサイドの方が鍵を握ると予想されていましたが、この試合は意外にも、その逆サイドが両チームにとっての主戦場でした。90分通じて、G大阪は左サイドに張る家長からのクロスが目立っていました。
その裏を狙うのが、浦和にとっては右サイドの、1.5列目にいるポンテでした。今日好調であった彼を抑え切れなかったのが、G大阪にとっては敗因です。ポンテ自身も1得点1アシストという結果で、わかりやすいですね。チームが攻勢のために上がっていく家長は仕方ないにしても、橋本や山口といった、このエリアを担当する彼らが、ポンテの瞬間的な勢いを阻止することができませんでした。特に左DFの山口は、1失点目が象徴的でしたが、浦和のワントップのワシントンをシジクレイに任せているにもかかわらず、ポンテへのプレッシャーが非常にルーズだった印象です。そして彼の個人技を爆発させる結果としてしまいました。
対して、G大阪の1.5列目は二川です。G大阪にとっては唯一の貴重なチャンスメイカーでしたが、浦和はこの存在を徹底的に潰していました。今日の二川は、決して調子が悪かったわけではありません。事実、後半に遠藤が加わってマークが分散されると、見違えるように効果的なパスを続発させていたのです。鈴木や長谷部はもちろん、浦和の中盤の選手たちは、この二川を前半の45分間は封じることに成功していました。これでG大阪は、前線の下にいる彼にボールを経由させることができず、中盤の橋本、明神、家長といったボールホルダーからFW陣との距離は長いものとなってしまいました。もちろん、二川自身の技術が発揮されることもありません。これが原因で、あれほど前半にゲームを支配しながら、G大阪は畳み掛ける攻撃までには至らなかったのだと思われるのです。繰り返しますが、遠藤が入ってからは、二川は決定的なパスを送るなどの活躍を見せ始めていました。仮に、遠藤が最初からいて、2人で組み立てられていたならば・・・。ここ数試合でも悔まれ続けてきた、遠藤の離脱でした。
■ 2006年度の浦和
さあ、見事に初のリーグ制覇を成し遂げた浦和の、その輝かしい一年を振り返りましょう。
今年の浦和は、ワシントン、ポンテ、小野、長谷部といった、非常にキープ力に長ける優秀な選手を前線に揃えていました。そこから見せたのは、まったく相手にボールを譲らない、ゲーム支配率の高いサッカー。これまでの浦和には、あまり見られなかった特徴でした。しかしながら残念なことに、これといった戦術がどうも確立されているようには感じられず、連動性や積極性には欠ける印象でした。よって、分厚い遅攻を繰り広げながらも、攻撃の迫力自体は乏しいものでした。
それでも、各選手は個人技から得点していってしまいます。1人ないし2人だけで打開し、ゴール内へとボールを突き刺すことのできる、スキルの高い選手が数多く存在しました。中でもFWワシントンが圧巻です。崩れることのないボディバランスから、抜群のゴールセンスを披露して、観る者を圧倒してきました。毎試合のようにコンスタントに発揮できる決定力がすごく、終わってみればカップ戦を含めた32試合出場で35得点という、まさに優勝請負人としての存在感を示した、浦和の新エースでした。
調子よく勝ち点を重ねることが出来ていましたが、次第にその個人技に頼るサッカーには綻びが出始めるようになってきます。
イビチャ・オシム率いる千葉に、連携力の差を存分に見せ付けられて、これまでの好成績を全否定されるような衝撃的な完敗がありました。またナビスコカップにおいても、この無理やりな展開を修正できないままに、川崎に競り負けて1回戦敗退。さらにワールドカップの中断期間中に、頼みのワシントンが負傷で欠場となると、再開後に早速これが影響して、新潟を相手にいいところなく敗戦してしまいました。
うまく波に乗り切れません。
これらを救ってきたのが、今年の浦和の最大の象徴であった守備力でした。全34試合でたった28失点という数字を見るまでもなく、シーズンを通して強固であったこの守りなくしては、浦和の優勝は間違いなくあり得なかったでしょう。
攻守に派手な活躍で目立った闘莉王ばかりがクローズアップされた守備陣ですが、彼以外でも、特に素晴らしかった坪井という存在がありました。終盤は負傷のために残念ながら欠場しましたが、1対1での勝負強さは際立っており、突破を許しませんでした。それに、堅実な働きを見せる堀之内、ビッグセーブを連発してきたGK山岸が加わり、チームを失点から遠ざけていました。
この堅守の最終ラインの内容と言えば、決してオフサイドトラップなどをしかけたり、流動的な組織力を見せる動きをすることはありません。どんな相手に対しても、敵の攻撃パターンが移り変わろうとも、毎回同じように対応するという、まさに「不動の」ディフェンスラインでした。これが成立していたのも、個々の身体能力の高さがあったことに他ありません。スピードや屈強なフィジカルでもって次々に局面で競り勝ち、シュートされる前に跳ね返せてしまうのです。少ない失点数からは「堅実さ」が想像できそうなものですが、その実は、攻撃と同様に、守備においても個人能力による「ごり押し」とでも表現できるような感じでありました。
また、その最終ラインの活躍だけでは、この堅牢さを評価することができません。その一つ前に位置する、中盤の底で君臨した鈴木啓太です。今年、不動の日本代表へと成長を遂げ、チームに多大な貢献をした彼なくしては、今年の浦和は語れないでしょう。活動量、マーキング、カバーリング、これらをフルに発揮し続けてきて、ほとんどの試合で相手の攻撃に対するフィルターとなっていた鈴木は、大いに自軍の守備網の負担を軽減させていました。今季の最優秀選手をこのチームから選べと言われると、難しいところがありますが、個人的にはぜひこの鈴木を推したいところです。
このように後方からの土台が安定していたため、攻撃陣に好不調があろうとも、決して浦和はずるずると崩れることはなく、連敗なども一度もありませんでした。
後期には重症から復活したFW田中達也、同じく戦列復帰したワシントン、そして終盤になって攻撃のリーダーとなった主将の山田。彼らがそれぞれの技術を炸裂させて勝利の立役者となり、ついに25節以降は首位を一度も明け渡しませんでした。
全選手の素晴らしい個人技術力が見事に躍動しての、優勝であったでしょう。
もう一つだけ付け加えさせていただくと、浦和を支え続けたサポーターの力も見逃せない点です。チームはこれに恵まれました。実際に、彼らが熱心に詰め掛けたホームでは、とうとう公式戦で全試合負けることがありませんでした。この後押しが、浦和を王者へと導いた大きな原動力の一つだったと言っていいでしょう。この多大な結成力を持った、サポーターと一体になったチームが優勝したということに、私は少し嬉しさを感じています。
J開幕当初から低迷を続け、J2に降格する苦しい時期でも、彼らは見捨てませんでした。もたらされた観客動員などで可能となった補強により、強豪へと変貌するようになり、そして国内の頂点にまで登りつめられた浦和。苦楽をともにしてきたサポーターの賞賛されるべき応援が、ついに結実したシーズンでありました。
■ 2006年度のG大阪
敗れたG大阪にも目を向けたいと思います。この日川崎が勝利したため、結局最終順位は3位となりましたが、紛れもなく浦和と並んで今年のリーグの主役でした。
連覇を目指すG大阪。開幕前には、大黒とアラウージョという二枚看板のFWがそろって、それぞれの希望による仕方のない事情で移籍となり、彼らを放出せざるを得ませんでした。しかしそれにともない、必要に迫られて敢行した大型補強が大当たりしました。
中でも、日本代表の加地の加入は大きかったでしょう。右サイドで攻守に貢献する彼は、人材の不足するこのポジションにおいて君臨し、チームに左右のバランスをもたらしました。その加地はもちろん、同じく新規加入の明神も、橋本とともに中盤で果敢なプレスを絶やしません。この安定した中盤が支えとなったことにより、前方の攻撃的MFの遠藤と二川は、その創造力豊かなプレーを存分に披露することができました。
そして、そこから生まれてきたチャンスをことごとく点に結びつける、新生FW陣の決定力です。前半戦は、大分から加わったマグノ・アウベスが、昨年に続き得点力を発揮。その彼が負傷明けで調子をガタッと落とすと、それに入れ替わるように活躍し始めたFWがいました。神戸から移籍してきた播戸です。バイタリティ溢れる勢いでゴールを量産し、FWフェルナンジーニョをベンチへと追いやり、ついには日本代表にも選出されるという、彗星のごとく現れた新エースでした。この播戸も負傷で欠場となりますが、終盤では輝きを取り戻したマグノが再び爆発してきて、最前線では結局穴の見られなかったシーズンでありました。
このように、新戦力が期待を裏切らない働きを見せたG大阪。チームは去年と変わらずに、攻撃的なサッカーをスタイルとしてきました。しかしながら、その内容は個人技依存というものから完全に脱却していて、着実なパスワークを繰り返す重厚なものへと再構築されていたのです。
特にその中心にいたのが、遠藤と二川でした。この2人はG大阪の攻撃にとって、欠かせない存在でありました。2人とも好調を持続させ、遠藤は正確なキックから、二川はダイナミックな飛び出しから、それぞれ決定的なラストパスを量産していきます。相対するチームとしては、片方ならまだしも、この両方はなかなか抑えきれるものではありませんでした。
ゲームの支配率の高さは浦和と双璧をなしましたが、個々のスキルによるキープで制圧する浦和とは対照的に、チーム全体でつなげるパス主体の展開で主導権を握ってきました。
守備で特筆すべきは、右サイドバックも担当できる加持を得たことにより、去年から試みては失敗していた4バックを、従来までの3バックとついに併用できるようになったことです。対戦相手の攻めに合わせて柔軟に守備体制を取れるようになったのは、大きな収穫だったでしょう。
度重なるアジアのクラブ大会が組み込まれる過密日程の中でも、連覇を十分に感じさせるチーム力を保っていました。むしろ、最終節に転がり込んできた優勝で頂点に立ったという去年よりも、総合力は上回った感のある印象です。
多くの新戦力を迎えてのチーム再編成でしたが、それは実に1年目から成功したと言えそうです。
リーグにおいて、目下優勝争いのライバルであった川崎に4-0で圧勝したときには、優勝にもっとも近いチームでありました。しかしどうしたことか、続く甲府、磐田戦において、まさかの連続3失点での連敗。さらに追い討ちをかけるように、要の遠藤が肝機能低下により戦列から離脱してしまいます。
終盤において、この遠藤の離脱は大変痛いものでした。パートナーを失うこととなった二川は、奮闘を続けましたが、攻撃時の負担を一身に背負う立場となり、マークも集中されて、目に見えて存在感が薄れていってしまいました。守備に明神と橋本、攻撃に遠藤と二川という、中盤でバランスよく4人を共存させ、うまく機能し始めてきた4-4-2のシステムも、これで頓挫してしまいます。
チームは、これまでの調子の良さが嘘のように失速するというかたちで、今シーズンの終焉を迎えてしまいました。
G大阪は昨年にリーグ王者となったことから、今年はそのリーグ戦はもちろん、アジア制覇も大目標にして臨みました。国内ではJ1リーグ、ナビスコカップ、そしてAFCチャンピオンズリーグ、A3チャンピオンズカップまで、全てのタイトルを手にしようとして、これらに全力でもって戦い、シーズンを通してきました。思うに、このように手広く狙った目標の多さが、どこかしらにチームの安定性を欠いてしまった。それが、それぞれの大会のここ一番という戦いにおいて失態を演じることにつながり、そして全てを逃してしまう結果の要因の一つになったのではないでしょうか。浦和は初となるリーグ制覇に向けて、これに全力を注入してきました。この差もあって、リーグ戦でも、惜しくも浦和に届かなかった感じがあります。確かに、チームは去年までとは別の強さを持つ変身を遂げて、進化を見せました。しかしながら、余りにも大きかった目標に対して、新生G大阪は、まだチームの厚みや成熟度などが不足していたのかも知れません。
流れるようなボール捌きで、魅力的な攻撃を再三に渡って見せてくれて、個人的にはもっとも好印象だったこのチームが無冠(天皇杯はまだ残っていますが)というのは、私にとっては非常に寂しいことでした。今季の良さをベースにして、さらなる熟成を図り、覇権を奪回する強大な存在になってくれることを期待しています。
■ 祝!浦和初優勝
終わりに、最後まで盛り上げてくれた、この両チームには感謝を申し上げたいと思っています。
浦和、ならびに浦和サポーターの皆様。初優勝、本当におめでとうございました。
そしてG大阪、ならびにG大阪サポーターの皆様。見事な3位入賞に、拍手をお送りいたします。
ガンバは完全アウェーの中で、いいサッカーを展開していましたけど、浦和のしたたかさというか勝負強さに屈した印象が残りました。あとはあのホームの雰囲気は現地で体感して初めて分かりましたが、相手にしてみれば相当のプレッシャーになるのでしょうね。今年、浦和がリーグ戦でホーム無敗の理由が理解できた気がします。
しかしながら、ポンテ、山田、長谷部、鈴木といった中盤の選手たちの活躍に押されるかたちで、確かに後期はずっと控えに回っていましたね。
小野までもがベンチだなんて、分厚い選手層ですよね。
何と!あの優勝の瞬間の場面にいらっしゃったんですか。よくチケットを入手できましたね(笑)Jリーグの、浦和の新しい歴史が作られた瞬間に立ち会えて、うらやましいことです。
私も2回ほどだけですが、浦和主催の試合に観戦へ行ったことがあります。レッズに向けて、低く、力強い大歓声が会場を包みます。浦和は本当に心強い味方に恵まれましたね。