2006 J1リーグ 第33節: FC東京 0-0 浦和レッズ
さあ、浦和の初優勝の日となるのでしょうか。
今年のJリーグもいよいよクライマックスです。東京に乗り込んだ浦和はこの日、勝利して勝ち点3を得れば、文句なしに2006年度のJ1王者に輝きます。
それを見届けるべく、大挙してこの味の素スタジアムを赤く染めるレッズのサポーターたち。大声援に包まれて、注目の一戦が始まりました。
開始直後、東京の右ウイングの石川が思い切りのよいシュート。これを皮切りとして、今日の試合で全体を通して主役になり続けたのは、東京得意の右サイドアタックでした。
石川は前節の横浜戦に続いて、軽快な動きです。そしてそこに右サイドバックの徳永も加わって、このサイドの攻略を成功させていきます。再三に渡って同サイドの三都主の裏をかいくぐり、2人で敵陣深くまで侵入。浦和のDFネネを引っ張り出しては、クロスを何度も上げてチャンスを作っていました。ここから東京はコーナーキックも多数獲得。浦和の選手たちをゴール前へ釘付けとさせます。
もう、こちらのサイドはほぼ東京のものです。東京にとっての主戦場は8割方、石川・徳永のコンビが引っ張っていたこのエリアでした。
惜しむらくは、そこからのフィニッシュが、結果として1点もつながらなかったことです。頑強な浦和守備陣に対抗できる前線の選手が、中央では揃っていませんでした。結果論ですが今日ばかりは、存在感のほとんどなかった戸田ではなく、平山を用いてその高さを武器にしたほうが良かったかも知れませんね。
今日も圧倒した試合運びを見せるかと思われた浦和でしたが、意外と言うほどに終始キープをすることができませんでした。攻撃陣へボールを託すことができず、シュートまでなかなかもっていけません。決定機と言えば、後半16分に、三都主のスルーパスから山田が裏へ抜け出た一回きりという有様でした。
どこか重い動きで、ペースが低く感じられた浦和の選手たち。しかし、それは決して調子を落としていたわけではなく、初優勝を目前として固くなっていたわけでもありませんでした。
東京の中盤の選手のパフォーマンスが素晴らしかったのです。これに手を焼いて、浦和側は四苦八苦していたというのが実際のところだったと思います。
前述の石川は言うに及ばず、梶山がキープでタメを作ります。そして何と言っても、今野と馬場の2人でしょう。今野はことごとく、相手のポイントとなるところにカバーリングやマーキングで立ちはだかり、勢いを衰えさせます。馬場も90分間、休むことなく懸命なチェイシングを続ける運動量で、中央で浦和の障害となる存在でした。
それでもようやく後半25分ごろから、浦和に流れが傾いてくる転機が訪れます。そのきっかけの理由は2つです。さすがに息切れしたのか、やっと東京のその右サイドの猛攻が消えてきたこと。そして、終盤になってさらに動きに精彩を増した浦和のダブルボランチ、長谷部と鈴木の踏ん張りがあったことです。この2人の攻守に貢献する働きが目立ち始め、浦和は全体的に押し上げられるようになってきます。そして途中出場の小野が、退いた山田とはまた違った柔らかさを持つプレーでアクセントをつけ、終盤はシュートまでこぎつけられるようになってきました。
しかしながら反撃に至ることのできた時間は短く、結局無得点。0-0のドローとなりました。
何とか今日勝ちきって、自らの手で優勝を決めたかった浦和でしたが、思わぬ東京の奮闘に遭ってしまいました。
そして深刻なのが、不動の日本代表であるはずの三都主でしょうね。ここ最近、低調さから脱出できず、この試合においても攻守に渡って絶不調でした。自身のサイドを、東京に制圧されっぱなしとなった責任も当然あり、大きな反省が必要でしょう。埋もれた逸材である、同ポジションの相馬は、控えのベンチからこれをどう感じているのでしょうか。
長い時間帯を相手に支配されていましたが、守備陣の方と言えば、全く冷静さを失わずに相変わらずの堅守でした。もう、余裕の風格さえ感じ取れますね。一度だけ、コーナーキックからジャーンをフリーにさせてしまいましたが、それ以外は放り込まれるボールを弾き返し続けます。上がりっぱなしの闘莉王の穴にも、鈴木が怠ることなくカバー。最後尾では、キーパー山岸が落ち着いた反応での好セービング。確立した守備のスタイルで、今日も失点を許しませんでした。
さてこの試合、褒め称えたいのが、予想を大きく上回る東京の頑張りですね。グラウンド中央での奮戦ぶりは上記のとおりです。浦和の大砲であるワシントンの抑え役を任されたDFジャーンも、徹底したマークで離すことなく封じきり、その任務を成し遂げました。
頂点にいるチームへの挑戦という意気込みなのか、味の素スタジアムでの優勝は目の当たりにしたくなかったのか。今季最後となるホームゲームで、素晴らしい意地を見せてくれました。
こうなると、気になるのは同じ時刻に万博で行われている、2位のG大阪の試合です。G大阪の結果次第では、浦和の優勝があり得るからです。
G大阪は京都との対戦。相手は負ければJ2降格という、崖っぷちに立たされて必死のチームです。
浦和との勝ち点差は5で、いくら東京が浦和の勝利を阻止してくれても、自分たちが引き分け以下ならば、そこで終戦ということになってしまいます。
勝利するほかはないG大阪でしたが、それは相手の京都にとっても同様です。前半の早々に、その京都のパウリーニョに先制されてしまいました。
しかしながら、リーグ終盤になって存分に輝きを取り戻してきたマグノ・アウベスが、チーム全体の不振をよそに、一人で卓越した個人技から2得点を挙げ、逆転に成功します。
これを死守し、何とか望みをつなぐべくリードを保持したいG大阪でしたが、終了10分前というところで、またもパウリーニョにゴールを許して痛恨の同点弾を浴びてしまいました。
このまま刻々と時間は過ぎて行き、絶体絶命のG大阪。すでに試合を終了させ、この2-2というスコアが伝えられている、味の素スタジアムで待機していた浦和一同は、優勝の瞬間を今か今かと待ち望んでいます。
そして浦和の優勝が決まりかけていた、万博の試合終了直前の後半48分のことでした。家長のループクロスに合わせて、ヘッドで叩き込んだマグノ・アウベスのシュートはゴールネットの中へ!!!!起死回生の勝ち越し弾を挙げ、神がかり的な活躍で劇的な勝利を呼び込んだマグノ・アウベスは、G大阪をこの窮地から救いました。
この2試合の結果、本日での浦和の優勝は決定せず。J1リーグは、1シーズン制を復活させた去年から、2年連続で優勝の行方が最終節まで持ち越されるということになりました。
浦和のサポーターの方々には大変失礼ですが、この日浦和を引き分けに持ち込んだ東京の予想以上の戦いぶり、ならびにG大阪の土壇場での勝利には、個人的には感謝したいところです。なぜならば皆さんもご承知のとおり、最終節では浦和対G大阪というカードが組まれていて、この両雄の直接対決でもって、優勝が決まるという試合になるからです。リーグの主役であったこの2チームの対戦が消化試合となるのは余りにも惜しいですし、何よりライバルであるお互いが直接ぶつかった末に優勝が決まるという、盛り上がりが必至の舞台となります。
その優勝決定戦、圧倒的に浦和が優位に立っている情勢です。
浦和の勝ち点69、得失点差+38に対し、G大阪は勝ち点66、得失点差+33という成績です。すなわち、G大阪は浦和に勝利し、勝ち点3を得て同じ69にすることはもちろん、3点差以上の勝利でなければ得失点差で劣り、浦和を上回ることができません。浦和は2点差以内の敗北でも優勝という有利さに加え、ホームの埼玉スタジアムでの試合というアドバンテージもあります。今季の浦和は、ホームゲームの連続無敗記録を現在も更新中と、ホームでの公式戦は全試合無敗。さらにリーグ戦において3失点というのは、これまでの33試合の中でたったの一度だけです。
限りなく浦和の優勝の可能性は高いのですが、今日劇的にも生き残ったG大阪はこの勢いをもって、奇跡の逆転優勝を狙います。
さあ、浦和の初優勝の日となるのでしょうか。
今年のJリーグもいよいよクライマックスです。東京に乗り込んだ浦和はこの日、勝利して勝ち点3を得れば、文句なしに2006年度のJ1王者に輝きます。
それを見届けるべく、大挙してこの味の素スタジアムを赤く染めるレッズのサポーターたち。大声援に包まれて、注目の一戦が始まりました。
開始直後、東京の右ウイングの石川が思い切りのよいシュート。これを皮切りとして、今日の試合で全体を通して主役になり続けたのは、東京得意の右サイドアタックでした。
石川は前節の横浜戦に続いて、軽快な動きです。そしてそこに右サイドバックの徳永も加わって、このサイドの攻略を成功させていきます。再三に渡って同サイドの三都主の裏をかいくぐり、2人で敵陣深くまで侵入。浦和のDFネネを引っ張り出しては、クロスを何度も上げてチャンスを作っていました。ここから東京はコーナーキックも多数獲得。浦和の選手たちをゴール前へ釘付けとさせます。
もう、こちらのサイドはほぼ東京のものです。東京にとっての主戦場は8割方、石川・徳永のコンビが引っ張っていたこのエリアでした。
惜しむらくは、そこからのフィニッシュが、結果として1点もつながらなかったことです。頑強な浦和守備陣に対抗できる前線の選手が、中央では揃っていませんでした。結果論ですが今日ばかりは、存在感のほとんどなかった戸田ではなく、平山を用いてその高さを武器にしたほうが良かったかも知れませんね。
今日も圧倒した試合運びを見せるかと思われた浦和でしたが、意外と言うほどに終始キープをすることができませんでした。攻撃陣へボールを託すことができず、シュートまでなかなかもっていけません。決定機と言えば、後半16分に、三都主のスルーパスから山田が裏へ抜け出た一回きりという有様でした。
どこか重い動きで、ペースが低く感じられた浦和の選手たち。しかし、それは決して調子を落としていたわけではなく、初優勝を目前として固くなっていたわけでもありませんでした。
東京の中盤の選手のパフォーマンスが素晴らしかったのです。これに手を焼いて、浦和側は四苦八苦していたというのが実際のところだったと思います。
前述の石川は言うに及ばず、梶山がキープでタメを作ります。そして何と言っても、今野と馬場の2人でしょう。今野はことごとく、相手のポイントとなるところにカバーリングやマーキングで立ちはだかり、勢いを衰えさせます。馬場も90分間、休むことなく懸命なチェイシングを続ける運動量で、中央で浦和の障害となる存在でした。
それでもようやく後半25分ごろから、浦和に流れが傾いてくる転機が訪れます。そのきっかけの理由は2つです。さすがに息切れしたのか、やっと東京のその右サイドの猛攻が消えてきたこと。そして、終盤になってさらに動きに精彩を増した浦和のダブルボランチ、長谷部と鈴木の踏ん張りがあったことです。この2人の攻守に貢献する働きが目立ち始め、浦和は全体的に押し上げられるようになってきます。そして途中出場の小野が、退いた山田とはまた違った柔らかさを持つプレーでアクセントをつけ、終盤はシュートまでこぎつけられるようになってきました。
しかしながら反撃に至ることのできた時間は短く、結局無得点。0-0のドローとなりました。
何とか今日勝ちきって、自らの手で優勝を決めたかった浦和でしたが、思わぬ東京の奮闘に遭ってしまいました。
そして深刻なのが、不動の日本代表であるはずの三都主でしょうね。ここ最近、低調さから脱出できず、この試合においても攻守に渡って絶不調でした。自身のサイドを、東京に制圧されっぱなしとなった責任も当然あり、大きな反省が必要でしょう。埋もれた逸材である、同ポジションの相馬は、控えのベンチからこれをどう感じているのでしょうか。
長い時間帯を相手に支配されていましたが、守備陣の方と言えば、全く冷静さを失わずに相変わらずの堅守でした。もう、余裕の風格さえ感じ取れますね。一度だけ、コーナーキックからジャーンをフリーにさせてしまいましたが、それ以外は放り込まれるボールを弾き返し続けます。上がりっぱなしの闘莉王の穴にも、鈴木が怠ることなくカバー。最後尾では、キーパー山岸が落ち着いた反応での好セービング。確立した守備のスタイルで、今日も失点を許しませんでした。
さてこの試合、褒め称えたいのが、予想を大きく上回る東京の頑張りですね。グラウンド中央での奮戦ぶりは上記のとおりです。浦和の大砲であるワシントンの抑え役を任されたDFジャーンも、徹底したマークで離すことなく封じきり、その任務を成し遂げました。
頂点にいるチームへの挑戦という意気込みなのか、味の素スタジアムでの優勝は目の当たりにしたくなかったのか。今季最後となるホームゲームで、素晴らしい意地を見せてくれました。
こうなると、気になるのは同じ時刻に万博で行われている、2位のG大阪の試合です。G大阪の結果次第では、浦和の優勝があり得るからです。
G大阪は京都との対戦。相手は負ければJ2降格という、崖っぷちに立たされて必死のチームです。
浦和との勝ち点差は5で、いくら東京が浦和の勝利を阻止してくれても、自分たちが引き分け以下ならば、そこで終戦ということになってしまいます。
勝利するほかはないG大阪でしたが、それは相手の京都にとっても同様です。前半の早々に、その京都のパウリーニョに先制されてしまいました。
しかしながら、リーグ終盤になって存分に輝きを取り戻してきたマグノ・アウベスが、チーム全体の不振をよそに、一人で卓越した個人技から2得点を挙げ、逆転に成功します。
これを死守し、何とか望みをつなぐべくリードを保持したいG大阪でしたが、終了10分前というところで、またもパウリーニョにゴールを許して痛恨の同点弾を浴びてしまいました。
このまま刻々と時間は過ぎて行き、絶体絶命のG大阪。すでに試合を終了させ、この2-2というスコアが伝えられている、味の素スタジアムで待機していた浦和一同は、優勝の瞬間を今か今かと待ち望んでいます。
そして浦和の優勝が決まりかけていた、万博の試合終了直前の後半48分のことでした。家長のループクロスに合わせて、ヘッドで叩き込んだマグノ・アウベスのシュートはゴールネットの中へ!!!!起死回生の勝ち越し弾を挙げ、神がかり的な活躍で劇的な勝利を呼び込んだマグノ・アウベスは、G大阪をこの窮地から救いました。
この2試合の結果、本日での浦和の優勝は決定せず。J1リーグは、1シーズン制を復活させた去年から、2年連続で優勝の行方が最終節まで持ち越されるということになりました。
浦和のサポーターの方々には大変失礼ですが、この日浦和を引き分けに持ち込んだ東京の予想以上の戦いぶり、ならびにG大阪の土壇場での勝利には、個人的には感謝したいところです。なぜならば皆さんもご承知のとおり、最終節では浦和対G大阪というカードが組まれていて、この両雄の直接対決でもって、優勝が決まるという試合になるからです。リーグの主役であったこの2チームの対戦が消化試合となるのは余りにも惜しいですし、何よりライバルであるお互いが直接ぶつかった末に優勝が決まるという、盛り上がりが必至の舞台となります。
その優勝決定戦、圧倒的に浦和が優位に立っている情勢です。
浦和の勝ち点69、得失点差+38に対し、G大阪は勝ち点66、得失点差+33という成績です。すなわち、G大阪は浦和に勝利し、勝ち点3を得て同じ69にすることはもちろん、3点差以上の勝利でなければ得失点差で劣り、浦和を上回ることができません。浦和は2点差以内の敗北でも優勝という有利さに加え、ホームの埼玉スタジアムでの試合というアドバンテージもあります。今季の浦和は、ホームゲームの連続無敗記録を現在も更新中と、ホームでの公式戦は全試合無敗。さらにリーグ戦において3失点というのは、これまでの33試合の中でたったの一度だけです。
限りなく浦和の優勝の可能性は高いのですが、今日劇的にも生き残ったG大阪はこの勢いをもって、奇跡の逆転優勝を狙います。
確かに昨日のFC東京のサッカーは素晴らしかったですね!特に右サイドでの攻撃は素晴らしかったですが、最後のクロスの精度が甘かったことと「高さ」には無類の強さを発揮する浦和DF陣がいたことがこのスコアレスドローにつながったと思います。
ガンバのマグノアウベスのゴールには正直感動してしまいましたね。ガンバ自身は調子がですけど、マグノアウベスの決定力で生き残った感じがします。
最終戦の直接対決は明らかに浦和有利ですけど、ガンバの土壇場で息を吹き返したことによる勢いがどう作用するか、楽しみですね。
いや、この日の東京の踏ん張りは目を見張るものがありましたね。この内容をシーズン全体で披露できていたら、こんな下位に低迷していなかったのでは?とか勝手に思ってしまいます。
放送で、浦和戦終了後に流れてきたG大阪の試合で、マグノが土壇場で決めたのが映されたとき、思わず声を張り上げてしまいましたよ!
G大阪はその浦和戦になって、ようやく遠藤も復帰予定。うまく波に乗れるでしょうか。またもマグノがハットトリックかまして3-0で勝利して逆転優勝とかしようものなら、今後伝説として語り継がれるのは間違いないでしょうね(笑)
今週の土曜日、ついに今年の王者が決まりますね!僕は当日テレビ観戦の準備を着々と進めています。
条件面ではG大阪は厳しいですが、京都戦で見せた粘りを見せて欲しいです。去年と同様、今年も最終節までもつれ込む展開!今から楽しみです。伝説は生まれるのでしょうか?
今のところ土曜日は快晴との天気予報ですが、私も外出することなくテレビの前に釘付けとなる予定ですよ。
G大阪は遠藤に続いて播戸まで出場の可能性もあるみたいですね。ぜひこれまでのG大阪の集大成を見せて、チャレンジしてほしいですね。
私も本当に楽しみです。