この時期になると毎年思い出すのが 私が小学生低学年だった頃の事です。美しいはずの四季の変化の中で一番わたしを脅かすのが 夏から秋への変わり目でした。夏の終わりが何よりも辛くて、死んだ方が 夏を見送るよりもましだ と本気で憂鬱をかみしめていたことを今でもはっきり覚えています。泣いても何ひとつ変えることができないことにいらつきながら 泣かないで ただもう じっと 呼吸困難に陥ったように意識の全てを鼓動にむけながら、(心が痛む時によくある症状なのですが)、途方に暮れておりました。幼い脳で、私は学校が始まるのが嫌なんだな、と解釈していましたが 今思うと あの頃からはっきりと 鬱の気が表れていたのでしょう。風の臭いが変わる、空の色や日ざしの濃さが変わる、気温が下がる、もう何もかもが まるで線を引いたかのように変わる瞬間がある。それがなぜか恐かったのです。臆病は生まれつきらしいな。でも今は知っています。変わらない唯一の事実は 何一つ変わらないものは無い ということ。あの頃から25年弱、それが私の学んだことです。