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南英世の 「くろねこ日記」

徒然なるままに、思いついたことを投稿します。

囲碁を打つ人のための英会話集

2024年05月29日 | 日常の風景

ついに掲載
3月に執筆した原稿がついに囲碁雑誌に掲載された。全6ページ。日本で初めての囲碁を打つ人のための英会話集である。万全を期したつもりだったが、1カ所だけミスが見つかった。文法的ミスではないのだが、私が意図したことと違う意味になることを日本棋院のマイケル・レドモンド9段から指摘された。まあ、1カ所で済んでよかったというべきか。次号で訂正予定。
 

英語が苦手な人や英語を母国語としない韓国・中国・台湾の人ともコミュニケーションが取れるように、なるべく易しい単語を使って、文章も短くした。このテキストが囲碁の国際交流に役立つことを期待している。

購入を希望される方は電話、Fax、ハガキ、またはE-mail で下記までお申し込みください。(1冊770円+送料180円です)

〒 530-0001 大阪市北区梅田1-1 駅前第3ビル17階 囲碁サロン「爛柯」

tel・fax  06-4796-4115 (ただし水曜日は休業日です)

E-mail igorankaosaka@gmail.com

 

表紙を飾る川村信子先生の絵も素敵です。


金融経済教育研究会解散

2024年05月26日 | 日常の風景

金融経済教育研究会が発足したのは2009年12月であった。発足と同時に私も幹事の一人になりその運営にかかわらせていただいた。それから15年がたち、諸般の事情でこの度解散することとなった。昨日は最後の研究会が開かれた。

講師は柯隆先生。中国経済の専門家である。習近平政権発足から11年。ヒトラー、スターリン、毛沢東を20世紀の3大暴君と説き、習近平政治は次第に毛沢東に近づきつつあるという。中国の不動産バブル、経済成長率、ジニ係数、人口動態、台湾問題などについて話された。その内容があまりに面白かったので、さっそく彼の著書を6冊ほど買った。

 

思えばこの研究会にはずいぶんお世話になった。大竹文雄阪大教授を始め藻谷浩介氏、永濱利廣氏など著名人の講演を20人ほどの少人数で聞くことができ、その内容は授業にも使わせていただいた。とりわけ、ハードロック社長の若林克彦氏の講演では、自社製の「絶対に緩まないナット」をお土産に頂いたことが印象に残っている。

ねじが緩むと大事故につながる場合が少なくない。絶対に緩まないねじは、16両編成の新幹線に2万個、東京スカイツリーには40万個使われているという。ちょっとした工夫でビジネスを立ち上げることができる例として、このねじを教室に持ち込んで中小企業の話を盛り上げたものである。

講演を聞くだけではなく、私自身も講演を依頼されたことがある。2011年のことである。そのときは授業で使えるネタを一杯盛り込んで話をさせていただいた。謝礼として確か3万円頂いた記憶がある。

本研究会はこの後、金融経済教育推進機構(J-FLEC)のもとで新たなスタートを切るという。


ニホンかニッポンか

2024年05月25日 | 日常の風景

「ニホン」か「ニッポン」かと問われれば、多くの人はどちらでもいいと答えるに違いない。実は昨日までの私もそうであった。ところがそうではないことを今朝の朝日新聞(2024年5月25日)にあった高橋純子編集委員の記事で知った。

記事によると「ニッポン」と発音されるのは「儀式めいた時、元気な時、侵略思想を広げようとする時」だという(鶴見俊輔「言葉のお守り的使用法について」1946年)。たしかに、大日本帝国憲法は「ダイニッポンテイコクコクケンポウ」であり、「ダイニホンテイコクケンポウ」とは読まない。また第二次世界大戦時は「ニホン」ではなく「ニッポン」が多用された。「ニホン」と読むのは危険思想とみなされたらしい。

では、戦後公布された日本国憲法はどう発音すればよいのか。負の歴史を踏まえて作成されたことを考えれば、当然「ニホンコクケンポウ」と読むのが筋であろう。今まで意識したことはなかったが、これまで私自身「ニッポンコクケンンポウ」と発音したことは皆無である。

「ニホン」か「ニッポン」か。どちらでもいいように思われがちだが、そこにはイデオロギー上の根深い対立があるらしい。そうか、そうだったのか。知らなかった。

最近、サッカーなどの国際試合では「ニッポン、チャチャチャ」が大流行りである。これが「ニホン、チャチャチャ」では何とも締りがない。そんなことにまでケチをつけるつもりはないが、「ニッポン」と発音する背景にはそんな負の歴史があったことを忘れてはならない。

 


長期金利

2024年05月22日 | 日常の風景

日本の長期金利が不気味な動きをしている。毎日その動向を追っているのだが、ついに1%に迫ってきた。市場は日銀の金利引き上げを織り込み始めているのだろう。

「長期金利の上昇=国債価格の下落」

という式が成り立つ。すぐにどうこういうことはないかもしれないが、ちょっと気になる動きである。


ドル売り介入

2024年05月18日 | 日常の風景

 

円安が進行する中で政府日銀によるドル売り・円買い介入が何度か行われた。これによって政府・日銀はかなりの利益を得た模様だと報道された。ドル売りをするとなぜ日本は利益を得るのか。

これを正しく理解するためには、外貨準備がどのような形で保管されているかを知る必要がある。外貨準備は日本銀行の口座に当座預金のような流動性で保有されているのではない。通常は9割以上が当該国の国債で保有されている。つまりドルであればFRBの口座に日本政府名義の米国債という形で存在しているのである。

2024年1月現在の日本の外貨準備は1兆2900万ドル(約200兆円)である。この外貨(=国債)は過去の円高・ドル安のときに安く購入したものである。したがって円が安くなった今、高くなった米国債を売って「ドル売り円買い」の介入を行えば、日本政府・日銀は大儲けできる。つまり、過去に安く買ったものを今高く売ることによって利益が出るというわけである。

では、そもそも日本の外貨はなぜ200兆円にも膨らんだのか? 簡単に書けば経常収支の黒字によって膨らんだということになる。つまり、経常収支が大幅な黒字でそれに見合う海外投資が行われなかった場合、大幅な円高になってしまう。そこで円高を回避するために政府は「政府短期証券(=借金)」を発行して円を調達し、その借り入れた円で米国債を購入する。その米国債が外貨としてFRBの口座に保管され現在200兆円になっているというわけである。

最近、200兆円もの外貨があるならその「埋蔵金」を国の財源にすべきだという声が上がっているが、それは間違っている。外貨は「借金」が原資である。かりに外貨を売って差益が出たとしても借金の償還に充てるのが筋というものである。


プロであること

2024年05月18日 | 日常の風景

4月から現場に復帰して以来、めっきり囲碁の勉強をしなくなった。だから棋力も下がっている。自分でも嫌な負け方をすることが多い。それでつくづく思った。所詮、囲碁はアマチュア、本業は教師なのだと。

プロとして納得のいく仕事をするのは生半可なことではない。囲碁の藤沢秀行先生は、大きな対局のときの集中度というのは、とても尋常ではなかったと奥様の藤沢モトさんが書いていた。

「対局前にはもう意識は碁のほうに行っていますから、紐が垂れていようが袴がたくし上っていようが、一向にお構いなしです。玄関に草履が出ていても、踏み出した時にちゃんと足に引っかからなければ、足袋のままですたすた出て行ってしまいます。その前にこちらがちゃんと履かせてやらないといけない。それくらいに集中しています」(『勝負師の妻』より)

一流の教師になりたい。日本一の授業をやりたい。そんな理想を抱いて毎回毎回教室に臨んでいる。アマチュアにはできないことをできるのがプロ。それも並みのプロでは物足りない。私が目指しているのは、囲碁でいえばタイトルホルダーレベルのプロである。


人手不足なのになぜ賃金が上がらないのか

2024年05月18日 | 日常の風景

前から不思議に思っていたこの謎が知りたくて読んでみた。21人の経済学者がそれぞれの分析を試みているが、まさに「群盲象を撫でる」である。曰く

① 非正規雇用が増えたから

② 労働分配率が下がったから

③ 労働生産性が落ちたから

④ 賃金の下方硬直性が上方硬直性をもたらしているから

⑤ 医療・福祉・介護業界ではサービス価格が政府によって規制されているので、需要があっても価格を上げることができないから。

⑥ 原材料の値上がりを価格転嫁できないので、労働コストを下げているから

⑦ 成果主義に原因があるから

⑧ 就職氷河期の人口サイズが大きく、彼らの賃金が低く抑えられているから

⑨ 労働者側の交渉力が弱体化しているから

⑩ 外国人労働者を導入したから

 

そうした中で、ちょっと有力だと思ったのは①に関連した、非正規労働市場の供給曲線を用いた説明である。

現在、30歳代の既婚女性や60歳を超える高齢者の就業率が確実に上昇している。低成長が続くなかで、彼らは生活の足しにしようと、わずかな賃金上昇でも労働市場に参入しようとする。その結果、労働供給曲線は水平に近い形(=弾力的)になる。これはちょうど、農業国が工業化を推し進めるうえで農村部に過剰労働力が存在する状況と似ている。

したがって、賃金が上昇しなかった根本的な理由は「非正規労働市場における弾力的な労働曲線にあった」と執筆者は結論付ける。

うーん、なるほど。このことをわが身に照らし合わせれば、非常勤講師という月6万円程度にしかならない低賃金で授業を行っている私も、賃金の上方硬直性の犯人の一人ということか。納得・・・

ただ、全体を読み終えて分析の仕方が経済学に偏りすぎていると感じた。もうすこし、労働組合の弱体化や政治的な側面も取り上げないと、根本原因はつかめない気がする。


金爆上げ

2024年05月18日 | 日常の風景

金の値上がりが止まらない。円安もあってついに1キロ1300万円を突破した。先週、授業で「資産運用のやり方」について話したばかりである。経済学は金もうけのための学問ではない。しかし、政治・経済の知識を利用して時代の先読みを的確に行えば、お金は自然についてくる。


選挙妨害

2024年05月18日 | 日常の風景

新聞報道によると、4月にあった衆議院補欠選挙で他陣営の街頭演説を妨害したとして、つばさの党代表らが逮捕されたという(公職選挙法違反)。

当然であろう。このような行為が許されるなら大政党が小政党の選挙活動を妨害してつぶすことも許されることになる。とんでもない話だ。彼らの行動は、表現の自由の意味がわかっていない身勝手なふるまいといわざるを得ない。

民主主義は国民がしっかり監視していかないと簡単につぶれる制度でもある。

 


まさかの落札

2024年05月18日 | 日常の風景

フジコヘミングのCDを探していたところ、偶然ヤフオクに安く出品されているのを見つけた。約50枚。ケースが割れている商品が含まれるなど、ジャンク扱いだった。ジャンクだからと思って1枚100円程度で遊び半分で入札しておいたら、なんと落札してしまった。買い得だったかどうかは商品が届かないとわからない。

わが家にはすでに全100巻のクラシックの全集がある。違った演奏家による聴き比べも面白いかもしれない。

 

(後日談)

その後、現物が送付されてきた。

さっそく聴いてみたが、いまのところ何の問題もない。ジャンクと書いてあったが、超お買い得だったようだ。ラッキー!


2週間ぶりの授業

2024年05月16日 | 日常の風景

一昨日、昨日と2週間ぶりに授業を行った。少し体調を崩していたが、授業をやっているうちに「シャキン」とした。よっぽど授業が好きみたいだ。

昨日、教師になって初めて「資産運用」をテーマに授業をやった。生徒は食い入るように聞いていた。高校でこんな授業をやる教師はまずいないだろう。しかも3年生を相手に。自分で多くの失敗をしてきたからこそ、生徒に伝えておかねばならないことがある。

また、私が書いたヘタな絵を題材にオークションをやり、需要曲線の実物を提示したのもなかなか好評だった。現実は最良の教科書である。教科書のゴシックで書かれた抽象語を覚えただけでわかったつもりになるな。日頃からの私の口癖である。政治・経済の勉強は常に抽象を具体に置き換える想像力が不可欠である。少しはわかってもらえただろうか。

 

今日からまた1週間お休みである。人生、緩急が大切だ。先日買ったフジコヘミングのCDで「ラ・カンパネラ」を聞きながら、今日の囲碁サロンに備えて碁の勉強をする。

 

枕もとには、かつて描いた日本画が並んでいる。フジコヘミングのピアノはいいねえ。ゆったりと耳に入ってくる。

来週の授業が待ち遠しい。


勝負師の妻

2024年05月13日 | 日常の風景

天才棋士藤沢秀行に50年間連れ添った妻が、秀行の破天荒な生活を赤裸々に描く。

「酒に女にギャンブル三昧、大借金はするし、口を開けば悪態をついて怒鳴りまくる。こんな人間だと初めからわかっていたら、わたしだって結婚なんかしなかったでしょうねえ。いえ、結婚前はお酒も飲まず、無口で、それはまじめな人だったのです。」

「ほかに縁談がなかったわけでもないのに、なんだってよりによってこの人と一緒になろうと思ったのか、正直なとこと自分でもよくわかりません。」

 

一度だけ本物の藤沢秀行を見たことがある。金沢で棋聖戦が行われていた時、昼食休憩のときに乗ったホテルのエレベーターにたまたま秀行先生が一人で乗っておられたのである。ぼーっとした表情をしていたから、頭の中は対局中の碁のことでいっぱいだったのだろう。とても声を掛けられるような雰囲気ではなかった。40年以上も前の話である。

「一生懸命遊ぶことすらできない人間にいい仕事ができるか」というのが私の若いころからの信念なのである。しかしこの定義に従えば、最近はいい仕事ができていないのかもしれない。


離婚の費用

2024年05月13日 | 日常の風景

世の中には知らないことがいっぱいある。いや、知らずに済んでよかったというべきか。

離婚に伴う費用は
① 慰謝料
② 財産分与
③ 婚姻費用(略称コンピ)
の3項目からなるのだそうだ。離婚が成立した後、子供の養育費の問題があるが、ここではひとまず置いておく。

上記①②③のうち、①の慰謝料は大したことがないらしい。日本ではせいぜい100万円から200万円程度が相場だという。たとえて言えば、一発殴られたときの痛みは皆同じ。だからどんなに金持ちでも貧乏でも、金額は変わらない。

一方、財産分与となると、仮に妻が専業主婦であったとしても、夫が稼いで貯めたお金の半分は妻の共有財産になる。この時大切なのは結婚後に貯めた金額である。たとえ夫が稼いだお金でも、妻の内助の功が認められて、貯めたお金の半分は妻のものになる。

逆に、結婚前に夫がいくら資産を持っていても、離婚するときには妻の財産分与の対象にはならない。だから、ええしのボンボンと結婚することは必ずしもおいしくない。狙うべきは、年間のキャッシュフローの大きい人だという。

また、婚姻費用(通称コンピ)は裁判が長引けば長引くほど(つまり泥沼化すればするほど)妻の利益が膨らむ構造になっているという。著者によると「優秀な弁護士なら、たいていの人を、極悪非道のとんでもない異常人格者で、更生の余地のないような人物として描くことができる」という。だから、たとえ女性が浮気をして離婚の原因を作ったとしても、男性の所得が高額であれば、裁判の持っていきようによって妻が「大儲けできる」可能性があるのだという。

結婚とは重い負担を伴う契約であり、借金の連帯保証人になるより恐ろしいものであると著者は主張する。ふーん、そうなんだ。