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南英世の 「くろねこ日記」

徒然なるままに、思いついたことを投稿します。

歴史に汚名を残したトランプ大統領

2025年04月04日 | 日常の風景

トランプ大統領が「相互関税」を発表した。第一段階としてほぼすべての国・地域に10パーセントの一律の関税を課したうえ、第二段階として約60カ国・地域に対してより高い税率を改めて適用するという。これが実行されれば、日本には24パーセントの税率が適用される。

 

今回の決定は第二次世界大戦後、世界が苦労して積み上げてきた自由貿易体制を根本から崩壊させる出来事である。これを受けて世界の株価は大暴落をしている。

後の教科書はこの出来事を「トランプショック」と記述し、歴史の過ちを一顧だにしない蛮行として永久に留めるであろう。彼は間違いなく歴史に汚名を残した。もっとも愚かな歴代最低の大統領として。

実は、去年授業の中で私は「トランプ大統領候補は経済のケの字も知らない」「もっと歴史と経済学を勉強すべきだ」「教養のかけらもない」と言い放った。ちょっと過激すぎたかなと思ったが、今にして思えば間違っていなかったと思う。

そもそも戦後、IMF・GATT体制が構築され、自由貿易が推進されてきたのはなぜか。最大の理由は、第二次世界大戦の原因が、列強の関税引き上げとブロック化、為替の引き下げ競争に一因があったと反省したからである。今回のトランプ大統領の決定はこうした歴史の教訓を無視し、時間の流れを90年前に巻き戻す愚策以外の何物でもない。

トランプ大統領は、関税はアメリカの産業を再生させ、Make  Amerika Great を実現すると主張している。相互関税の導入は手術であり、一時的に株価が暴落したとしてもまた回復すると言っている。

しかし、果たしてそうか。アメリカが貿易赤字なのはアメリカの国際競争力が低下しているからであり、それを関税によって一時的に保護したとしても問題の根本的解決にはならない。体内の病巣を取り除かない限り体力が回復するとは到底思えない。19世紀的な孤立主義への回帰はアメリカ国民を不幸にするだけである。

これから世界はどこに向かうのか。人類は未知の領域に足を踏み入れてしまった。中国、EU、カナダなどは報復関税をちらつかせている。オーストラリアは「底辺への競争には加わらない」としている。

歴史の教訓を生かすためには、報復関税は取るべき政策ではない。じっと耐えて、相互関税がアメリカ経済に打撃を与え、アメリカ国民が「トランプ辞めろ!」と立ち上がるのを待つのが最良のような気がする。

アメリカ国民は最も選んではいけない人物を大統領にしてしまった。そういえば、ヒトラーを選んだのも民主主義であった。民主主義のいいところは、リーダーが間違った場合、リーダを取り換える力が存在することである。アメリカ国民がいつトランプ劇場の夢から覚めるのか。アメリカの民主主義、さしあたり共和党内部からの反乱に期待したい。
 

 


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