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テツ、ミルキー、虎徹、そしてランとともに

マサの憤り

2007年08月03日 | ミルキー♪
【マサ、留守番する】続き


あのハラショウは、どうなったか。

飼い主にこっぴどく殴られ、夕食ももらえず、暗くなる頃には横たわっていた。もう息をしてなかったのだ。

マサの言葉を借りる(本文より)

『ハラショウは、他の生き方を知らなかった。ハラショウは、飼い主はみんなあんなもんだと思っていた。
 「おっちゃん、これがオレのウンメイなんだ」
 運命なんて言葉を、ハラショウはいったいどこで覚えたんだろう?いや、そうじゃない、あれは俺の夢のなかのハラショウの台詞だったんだ。俺は密かに、ハラショウの境遇はハラショウの運命だと自分で自分に言い聞かせて、ハラショウの苦しみから目をそらせようとしていたのか。
 鉄工所の親父のような人間は、これからもどんどん増えていくだろう。そういう人間は、大人もいるし、子供もいる。学校のウサギを殺して面白がる奴もいれば、ペットを気晴らしの対象にする奴もいる。
生き物の生殺与奪の権利を握って君臨するのは、さぞ気持ちのいいことだろう。
虐め過ぎて死んでしまったら、また金で買ってくればいいんだ。
命なんて、たやすく金で購えるのだから。

そしてマサは思う。
帰る家があることを、自分の帰りを待っていてくれる人がいることを、今ほど大切に思えるときはなかったと。

そして、夜明けの空に一生懸命輝いている、今まで見たことなのない星を見て、あの星は、ハラショウかと思う。もしそうならば、もっともっと空の高いところに、誰の手も届かないところにのぼっていってほしいと思う。

『ハラショウは、やっと自由になったのだ。』(本文)

人間のおろかさ、醜さ、
とどまること知らず…


コメント (2)
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