こんなCDを買った!聴いた!

最近購入した、または聴いたCDについて語ります。クラシック中心です。

チェリビダッケのブルックナー 2

2013年09月05日 23時20分10秒 | ブルックナー
今年の夏は、滅茶苦茶暑かったですねえ。しかし九月の声を聴く頃になると、秋雨前線に台風の湿った空気とやらが入り込んで、各地で大雨が降り、警報が出まくりました。竜巻も発生しました。そして、とたんに涼しくなりました。しかし、このまま秋になるんでしょうかねえ。9月になっても、暑いのはたまりませんねえ。今年も夏が終わりましたね。悲しいことであります。

そんな中で、今回はチェリビダッケであります。ブルックナーです。私はブルックナーはかなり好きな方なんですね。でも、振り返って見るに、去年の一年間、このブログでは2回しか取り上げていません。けっこうCDも買ってはいるし、それなりに聴いてはいるのですが、どうもご無沙汰でありました。そして、ブルックナーですが、今回はチェリビダッケによる演奏。チェリビダッケは、ブルックナーを得意とする指揮者でありますが、この組合せも初めてであります。なぜか、私はチェリビダッケのブルックナーは、なぜか敬遠してきたんですね。

それで、チェリビダッケであります。彼は録音嫌いで有名でしたが、死後大量のライブ盤が発売され、特にブルックナーに関しては、得意としていたこともあり、ミュンヘン・フィルとの3~9番が残されています。そして、最近になって、SONYからそれとは別の4・6・7・8番のライブがSACDで発売されて、これも話題となったのでありました。この発売が、きっかけとなって、以前にEMIから出されていた以前のCDも、久々に聴いてみようと思ったわけでした。そんなわけで、ブルックナーの交響曲第4番変ホ長調「ロマンティック」です。1988年10月16日、ミュンヘン・ガスタイクでのライヴ。EMIからの正規盤であります。

しかし、このチェリの演奏、4番のイメージを大きく変えるとも言っていい演奏ですねえ。どちらかと言えば、この4番は内容的にも薄いとか言われていました。でも、この演奏はそういった印象を払拭してしまいます。全曲が79分もかかる。例えばワルター盤は65分。十分以上も長い。第3楽章以外はどれもゆったりとしたテンポ。そして、MPOの演奏、これも磨き抜かれた、これでライブかと思えるように素晴らしい。こんなテンポでも極めて緊張感あふれる演奏が展開されているのです。そして、演奏は実に美しいのです。強奏から弱奏まで、輪郭は明確であるし、音色は鮮やか。切れ味満点の演奏。そんなところから醸し出される音楽は、これまでの印象を覆し、密度は濃く後期の曲に匹敵するような偉容をも感じるのでありました。

第1楽章、私はこれくらいのテンポが一番好きです。ホルンの柔らかい音の背後の弦のトレモロも実に美しい。それに加わる木管が極めてこれも美しく、これらが程よくブレンドされながら、力強い合奏がほんとに心地よい。一縷の乱れなく、これもチェリの凄さ。曲が進む中でも、これらの素晴らしさはどんどん増幅されます。そして、第2楽章。ここでもゆったりとしたテンポがより強調され、曲中一番冗長な印象を持つ楽章ですが、逆に緊張感が漂い、中には神々しいところも聴ける。特に木管とホルンに弦が加わり、その充実した響きは、もしかすると最大のきかせどころかもしれず。退屈させない。楽器の良さを十分に理解させるところは素晴らしい。第3楽章。ここはそれほど演奏時間は変わらず。スケルツォらしいところはそれほど感じないが、演奏は豪快であり、反面ゆったりとした中に透明的な澄んだ美しさが印象に残ります。そして、第四楽章。他の演奏と比べて最も長いもの。スケールが大きく、金管は伸び伸びと吹き、まっすぐな表情であることで、変に考えていくことなく、大らかに曲は進みます。その中で木管は良い音色で曲のアクセントとなっています。弦楽器の表情も実に細やかであり、それらが曲のよさに繋がっていますね。

今週前半は台風からみの警報が出て大変でした。そして、もう秋雨前線もみることができます。もう季節は一足飛びに秋になったりして。でもそれはないか。
(EMI 5 56690 2 1998年 輸入盤)

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« バーンスタイン版ボエームで... | トップ | ヴァントのベートーヴェン全... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブルックナー」カテゴリの最新記事