昼下がりのショボ顔
ド近眼なので、お風呂に入る時、眼鏡を外していて、何にも見えない。
まあ、家の中の事なので、ぼんやりとでも見えていればそれで問題ないのですが。
最近、ゆず子さんは風呂場の脱衣所の扉を自分で開けられるようになってしまいまして。
なので、お風呂場のタイルにカビ取りスプレーかけっぱなしで放置、とか出来なくなった。
不便だけど仕方ない。
で、夜、お風呂に入っていると、風呂場のガラス扉の向こうに、ゆず子さんのシルエットが見えた。
おほほほほ。カワイイじゃないの。一緒にお風呂に入るかい?と、と風呂場のドアを少し開けてやると、
入ってみようかなー、でも足が濡れるしー(しぴぴぴぴぴぴっ)と、覗いてきたり引っ込んだり、を繰り返して結局出て行った。
その様子をバスタブのお湯に浸かって見てたのだけど、その姿はぼんやりとしか見えなくて、ゆず子さんがこっちを見てるのか見てないのかもよく分からない。
その時、ふと、ゆず子さんがいつも見ている世界もこんな感じなんだろうか、と思った。
この景色よりも見えてるのかもしれないし、もっと見えてないのかも知れない。
そう考えると、ゆず子ちゃんは頑張って生きてるんだなー、と思えて来て、おばさんはお風呂でじんわり涙ぐんでしまったのさ。
あんまり見えてないのかも知れないな。だから噛まれても仕方ないさ。(え?)