徳間書店
2012年8月 初刷
269頁
舞台は長崎の出島
植木商・京屋で修行中の15歳になる庭師・熊吉はオランダ商館への奉公を命じられます
依頼主はオランダから来た医師・シーボルト
なんと更地に薬草園を作れと言われます
自前で薬草を用意するシーボルトに魅せられた熊吉は失敗を繰り返しながらも工夫を重ね見事な薬草園を仕上げ、シーボルトと妻のお滝の信頼を得ていきます
さらに、日本の草木を母国へ運びたいというシーボルトの希望に熊吉は知恵を絞りますが思わぬ事件に巻き込まれていきます
シーボルトは何度となく熊吉に日本の自然風景の豊かさ、美しさ、素晴らしさを語ります
日本で暮らしていると当たり前のことが外から見ると全く違うのですね
シーボルトの国外追放後、長い時が流れ
熊吉は大阪の植木商に婿入り、四郎兵衛と名乗っています
そこへ訪ねて来たのはシーボルトとお滝の一人娘・以祢
シーボルトが著した植物図鑑の中の紫陽花の学名を四郎兵衛に教えられて肩を震わすのでした
日本史にその名を残すシーボルト、お滝、使用人のおるそん、と熊吉の交流物語であり成長物語
読み終えて、とても爽やかな心持ちになりました
熊吉は実在の人物とのこと
熊吉の存在がどれほどシーボルトの実績に役立ったか、は言わずもがなです
朝井まかてさんの視点で描かれると「へぇ~」と思うことが多くて興味深いです。
「丘の上の賢人」
まだ記事にしていません<m(__)m>
今は今年の1月頃に読んだものをようやく記事に出来てるんですよ。
映画も本も、すごい溜まってます(汗)
まかてさんのこの本、植物ネタとか、シーボルトの関係や現在に引き続かれてる感じとか、後味良かったですよね。
ところで、「丘の上の賢人」昨日読み終わったのだけれど、色々探したんだけど、こにさんちで感想見つからなくて。読んだけど書いてないのかな・・・?