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大江健三郎「静かな生活」

2013年03月02日 | あ行の作家

 

講談社文芸文庫

1995年9月 第1刷発行

1997年1月 第6刷発行

解説・伊丹十三

290頁

 

 

大変読みやすい作品でした

大江健三郎なんて無理、と思っている方にも是非お薦めしたいです

 

主人公は女子大生のマーチャン

両親が「ピンチを乗り越えるため」アメリカへ「避難」してしまい、日本に残った障害のある兄・イーヨーと、弟・オーちゃんの三人での日常生活を描いています

平穏無事とはいかず、近所では性的事件が起きたり、イーヨーが差別意識のある言葉をぶつけられたり、マーチャンが男に襲われそうになったところをイーヨーに助けられたり、様々な出来事が起こりますが、家族はそれらを乗り切っていく強い絆で結ばれており、傍からみれば波瀾万丈のようでも当人たちにとっては「静かな生活」を続けていくのです

 

人が生きていくうえで簡単に見過ごしてはいけないこと、無責任に対処してはいけないこと

丁寧に生きていくということはどういうことか

 

大江健三郎の作品でこのように癒されたような読後感に包まれたのは初めてです

 

伊丹十三監督で映画化されたようです

機会があれば観たいものです

 

 


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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
latifaさん (こに)
2013-03-09 15:50:18
映画、是非とも観たくなりました!

本書は本当に読みやすかったですね。
音読みのイーヨーが吠えまくる犬を「ケン」と呼ぶユーモアセンスには拍手を送りたくなりました。
知的レベルが高い大江一家ですね~。
羨ましいこと!
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読みました! (latifa)
2013-03-07 14:16:12
こにさん、こんにちは!
私もこれ、以前読んだ事があります。
読んだのは、4,5年前だったでしょうか・・・。
大江さんの本は、難しそうだし、、、って思っていたのですが、これは彼の実の家族のお話だと聞いて、手に取りましたが、とっても読みやすかったです。

映画も見たんです。映画もなかなか面白かったです。
なんと、あの渡部あつろうさんが主役で出ていて、なんかびっくり! まだ若くて新人の頃だったのかな。ういういしかったー。
この映画で、演技賞を受賞していたんですものね・・・
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