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伊坂幸太郎「クジラアタマの王様」

2022年12月13日 | あ行の作家


本文挿画:川口澄子
NHK出版
2019年7月 第1刷発行
380頁

大手お菓子メーカーの宣伝広報局に勤務する岸
お客様サポートに寄せられた1本の苦情電話を皮切りにマスコミの過剰報道やネット炎上に消耗しながらもなんとか事態の鎮静化に成功します
その後、都議会議員の池野内から連絡が入ったり人気ダンスグループの小沢ヒジリとの接触から、金沢での火事、ハシビロコウなど岸と彼らとの共通点が明らかになり、奇妙な物語は本人の予期せぬ方向に進んでいくのでした

池野内から聞いた話だと岸と池野内と小沢は夢の世界で大きなハリ鼠や熊と虎が合体したような生物と闘い、夢の世界で負けると現実の3人、岸、池野内、小沢にも良くないことが起きるとのこと
ほとんど夢を覚えていない岸にとっては「そんなこと言われても…」な話なのですが…

初めは「昼間は普通の会社員、夜になるとRPG内の勇者となる」といったオーソドックスな設定で、アクションシーンは小説が苦手とするものなので夜の部分をコミックにすることで非現実的な世界の活劇を楽しんでもらえるのではないか、と考えたそうです
川口澄子さんによるコミックパートの有無は大きいです
ゲームをしない自分には文字を追うだけでは何のことやら、想像も出来ない世界でした

第一章「マシュマロとハリネズミ」、第二章「政治家と雷」、第三章「炎とサイコロ」まではごく普通に楽しんで読みました
新型インフルエンザ感染拡大による社会の混乱を描く、第四章「マイクロチップと鳥」に入ると一転する展開に驚き
コロナ禍以前に書かれたものにも関わらず、そこに書かれているのは私たちが2020年以降に体験したことばかりです
素晴らしい想像力と創造力に平伏致します

以前、上野動物園で見たハシビロコウは結構動いていましたっけ
機会があったら、嘴が歪み、つぶらな目が微笑むのか、生・ハシビロコウを観察したいものです










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