安倍晋三首相（５８）は２月２５日、公明党の山口那津男（なつお）代表（６０）と首相官邸で会談し、次期日銀総裁に黒田東彦（はるひこ）アジア開発銀行総裁（６８）を起用する人事案を伝えた。
副総裁には日銀理事の中曽（なかそ）宏氏（５９）と、学習院大の岩田規久男（きくお）教授（７０）を充てる。
政府は野党との折衝を経て、今週半ばに３人の人事案を国会提示する方針だ。
国会同意には衆参両院の過半数の賛成が必要で、野党が多数を占める参院の動向が焦点となる。
首相は２５日、自民党の石破（いしば）茂幹事長（５６）にも正副総裁の人事案を伝達した。
その際、「今は経済が重要な時期だ。
国会の同意を得られるよう、丁寧に対応しなければならない」と述べた。
現職の白川方明（まさあき）総裁は４月８日の任期満了を待たず３月１９日に副総裁２人とともに辞職する。
政府は空白を生じさせないために、国会同意の１０日ほど前に人事案を提示する慣例や参院の状況を踏まえ、今週内に提示する見通しだ。
黒田氏も中曽氏も国際金融に精通している。
岩田氏はデフレ脱却のため、大胆な金融緩和の実施を訴えてきた。
首相は新布陣の日銀と連携しながら、経済政策「アベノミクス」を加速させる。
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