
東京中央郵便局跡地に建設された高層ビル・JPタワーの低層棟であるキッテの6階屋上庭園を散策していきたいと思います。丸の内駅前広場周辺には丸ビルと新丸ビルの2つの展望テラスが存在していましたが、キッテが開業したことによって展望テラスの数は3か所に増えました。

屋上庭園の名前は「KITTEガーデン」と命名されています。順路である木道に沿って、屋上庭園のほぼ全体に緑化工事が施されています。近年の都市部におけるヒートアイランド現象対策なのかもしれません。

キッテガーデンの屋上の緑地化は、今まで見てきた東京の再開発施設の緑地帯とは比較にならないほど緑の量が多いと感じました。普通に樹木が何本も植えられているので、ビルの屋上とは思えないほどでした。

ここ10年くらいの間に東京の再開発施設では緑化される建物の数が目立ってきました。ヒートアイランド現象への対策や断熱性の向上、大気汚染物質の吸収・吸着、また景観の向上や畑としての利用など、その効果は様々であると言われています。

丸ビルや新丸ビルの展望テラスと比較してみると、展望台のためのスペースが物凄く広く確保されています。普通の樹木が植えられている以外に、新緑の芝生広場も本格的に整備されているのです。

キッテガーデンの歩行者用エリアもウッドデッキとして整備されています。また緑地帯内の至る場所に休憩や食事用のベンチも設置されていました。緑地帯の入園は無料になっており、平日と土曜は夜11時まで、日曜は夜10時まで開いているので夜景も楽しむことが可能です。

東京都によって制定された条例によって、2001年4月から『東京における自然の保護と回復に関する条例』において、一定基準以上の敷地における新築・増改築の建物に対して、その敷地内(建築物上を含む)への緑化を義務付けています。

この条例の存在が、事実上の屋上緑化促進となっています。また2004年の「都市緑地保全法」の改正により市町村が指定した区域での大規模ビル開発などの際に一定割合の緑化を義務づける内容が盛り込まれることになりました。

この日は平日の正午前後にキッテガーデンを訪れたのですが、ゴールデンウイーク前後に見られたような混雑はなかったです。屋上庭園を隅々まで散策していることにします。

キッテガーデンの屋上庭園からは、目の前に東京駅の在来線・新幹線のホーム群を見下ろすことが出来るほか、東京駅周辺の高層ビル群や丸の内駅舎等を眺めることが出来ます。

丸の内駅舎寄りのウッドデッキ脇には広大な芝生広場が設置されていました。6月の時期に訪れたため、芝生広場は綺麗な新緑によって覆われていました。

今までは地上周辺を歩き回りながらでしか眺めることが出来なかった、丸の内地区の高層ビル群を約40メートル程の高さから見渡すことが出来ます。

キッテガーデンの中央には、階下層の吹き抜け空間「アトリウム」のガラス天井が三角形状に設置されています。ここからは見えませんが、トップライトのガラスにはソーラーパネルが備えてあり、同時に強い直射日光も和らげる効果があるのだそうです。

東京駅のホーム群から南側(有楽町駅側)へ伸びている線路群を見下ろして撮影してみました。手前側がJR山手・京浜東北・東海道線の在来線の線路群、奥が東海道新幹線の線路となっています。

キッテガーデンから南東側(銀座方向)を撮影してみました。京橋のビジネス街や、銀座の繁華街を構成しているビル群が密集しています。銀座・京橋地区ではこれまでは再開発による高層化は進んできませんでしたが、近年では徐々に高層化が進みつつあります。
