私が小さい頃は、何処の家でも12月になると餅つきの用意。うちでは親父の仕事の関係で30日が多かった。
師走の風が冷たくて冷たくて、両手をすり合わせながら家の前で火の番をするのが私の役目、家族全員がワイワイと
楽しそうな笑い声が聞こえてくる、家の中へ入りたくてしょうがなかった、でもこれが私の持ち場。
あの頃、師走の風は本当に冷たかった。
餅を丸める作業、おふくろが臼とりで親父が杵を突く役。その杵が重たい重たい。その杵で10臼は付いていたみたい。
親父が杵を振り上げ『ヨッ』と声を掛ける、お袋がそれに応えて『ハッ』とか『ヨィショッ』。
私から見ればそのパワーはスーパーマン並みだった、仕事帰りなのに……。そして餅箱が見る見るうちに餅で一杯になる。
鏡餅、薄切りにする餅用の「ねこ」、丸餅、あんころ餅、等で二階の六畳間が餅だらけ。この餅が五月頃まで残ってる。
ついにはカビだらけの餅となり、お袋が包丁でカビをこそげて番茶を注いで食べるんですよね(笑)。
あの頃は、間食のおやつが無いんで餅ばっかりだった。
でも懐かしいなぁ〜〜あの頃に帰って見たい。