
4/26 投稿 過渡期 19話
真理子は知らなかった。
夜、爺は真理子をタケルの寝室のケージ入れ大きな黒い布をかけた。
その日の真理子は口輪をされていた。
真理子が横になると、タケルのベッドが見えた。
夜11時半前、タケルが部屋に入ってきた。
真理子は目を覚ました。
きつくされた口輪のせいで真理子の口が開かなかった。
でも真理子はタケルが一人ではないと知った。
女性の声が聞えたから。
タケルが結婚するかもと言ったのを思い出した。
真理子は伏せたままでベッドを見ていた。
女性はあまりしゃべらなかった。
でも真理子はタケルがその女性を愛するのを見た。
2人の腰が一緒に動き、女性が頂点の叫び声を上げた
ちょっと遅れてタケルが王者のように唸った。
そして二人は静かになると、そのまま朝まで眠った。
真理子の目から涙が流れた。
朝になって2人は出て行った。
爺は真理子を忘れていた。
昼近くになって真理子をケージから出した。
面倒なので真理子をベランダに出しておいた。
真理子はウンチまで済ませ、部屋の中に入りたかった。
すごく運がよかったことにタケルが帰って来た。
そしてベランダの真理子ポポを見つけ、ポポがウンチをしたのを
初めてみた。
真理子を中に入れてくれた。
そして真理子のウンチの入ったオマルも掃除してくれた。
タケルはつまみ食いをしながら居間に入ってきた。
真理子は飢えていた。
食べたそうにタケルを見た。
真理子に朝ごはんやった?とタケルが爺に聞いた。
まだです
じゃ、一緒に食べようとタケルが言った。
タケルは真理子をテーブルにつけた。
爺は真理子の犬みたい食器を真理子の前に置いた。
真理子はタケルの前で犬のように食べるのを恥ずかしく思った。
爺とタケルが抗議すると、
ポポ、食べなさいと爺は言った。
それは食べなければ後でムチだと真理子にはわかった。
真理子のその日の最初の食事、
真理子は器に顔を突っ込み食べ始めた。
タケルはそれを見ながらステーキをカットした。
ポポはペットだし、ま、いいか がタケルの結論だった。
タケルは真理子が尻尾をふるように尻をふる様を見るのが大好きだった。
ポポは大好きだったけど、ペット以上のものではなかった。
昼食後、タケルはポポを抱いて昼寝した、
真理子はタケルの横で、タケルの顔をなめた。
爺は寝室には入らず、その様子を見ていた。
真理子はタケルが昼寝中、声をださずに泣いた。
タケルのシャツが真理子の涙で濡れた。
タケルが寝返りをしたとき、濡れたシャツに気がついた。
なんだ、これとタケルは起き上がった。
それから真理子の顔を見た。
真理子が泣いていた。
どうした、ポポ?
真理子はしゃべるのが怖かった。
わかったら、爺は何をするだろう?
真理子は頭をふった。
それからベッドの前のケージに気がついた。
夕べ、ポポはここにいた?
で、僕たちを見た?
ポポ、あの人を見たのね?
真理子はうなづいた。
再び真理子を抱き寄せタケルは横になったが
広瀬に返そうと思った。
ポポがこんな風に部屋にいたら、彼女は嫌がるに決まっている。
真理子が眠ったのを確認してタケルは広瀬に電話した。
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