職場の「かくれ里探訪」講座で今日は田歌は八坂神社のお祭り見学。朝二条駅へ迎えに行き、少し時間があったので蓮の咲き具合を見に行こうと、講座参加者を鉾杉塾のビオトープに案内しました。
お、咲いている咲いている、なかなか見事な咲き具合でした。5分だけの予定だったのですが、作業をされていた河原林塾長とK女史と話し込んだり、いろいろ見て貰ったりして予定時刻をオーバーしてしまいました。
ここを舞台にして自然体験をして貰おうと、ここへ来たら何か作業をしないといけんよ、と言うと、蓮根の収穫の時に来るわ、なんて答えも。
蓮の花
さて目的の八坂神社のお祭り見学に田歌へと向かいました。丁度今年の宿から行列が出発する少し前に到着するというタイミングの良さでした。
行列のなかにウベ・ワルタさんを見つけましたので、挨拶しましたら、面白いことを話してくれました。彼も6日に高浜七年祭に美山から自転車で高浜まで駆けつけたそうですが、七年祭の神楽の笛が田歌神楽の笛と似ている、高浜の方から田歌へとやって来たんかしら、との指摘です。
名田庄にも田歌のと似た祭りがあるそうですし、先日少し触れた京北の弓削と名田庄で盆踊りの音頭がよく似ているとの話を思い出しました。お祭りの芸能などから街道を考察する視点の大切さも教えられました。民俗芸能がどの様に交流したかは、街道が果たした成果の化石を見る思いです。そして伝統行事を守る活動の大切さに心が行きました。神楽奉納の前の挨拶で、この祭りを守ることは自分達の地域を守ることだ、との言葉が心に残ります。
一つ残念なことは、神楽のなかでのお多福と樽負い爺やひょっとの動きがどうもおとなしくなってきているのではないだろうかという事です。性的な表現を自粛している気配を感じます。昔はもっと自由奔放だったとの指摘も聞きました。祭りは見物客のものではなく、自分達が、祀り、祭る行事であり、そこで発露される姿が祭りの姿ではないでしょうか。あちこちのお祭りで、裸の姿のポスターがおかしいとか、馬を酷使するのは動物虐待では、などいろいろ語られたことあった様に思いますが、見物客はあくまで見物させて貰いに来ている人です。主客転倒が起きていないかしらというのが我が心配です。
時間が出来たら祭り行脚をして、いろいろな比較するのも面白そうだなあとの考えも浮かびましたが、お前の音感ではそんなこと出来んよとの声も聞こえてきましたが…
ワルタさん(右下)も御神酒の杯を前に笛の演奏です。今年は次男が奴役だそうです。
祭り見学を終えての遅い昼食は、民宿「またべ」で頂きました。茅葺き屋根に囲まれた風景を見ながらの田舎料理は参加者に満足いただけた様で一安心。祭りの間は一時黒い雲に覆われ、少しポツリと降られましたが、雨の心配せずに神楽を鑑賞出来たものの、昼食時は激しくはないものの雨が降っていました。食事を終えて外へ出たときの雨上がり景色が気に入りましたので写真を一枚載せます。
雨上がり
時間があったので、唐戸渓谷から佐々里峠を越え、広河原方面を走って、雨上がりの山霧に、山滴る、風景を楽しんで貰いました。
明日は、美山の道真伝説、をキーワードにあちこち訪ねる予定です。
鉾杉塾の蓮もそんな恵みの雨を受けて、実に涼しそうに咲いている様に見えます。やはり、白い花が多いと余計に涼風が流れて来そうです。
田歌の田楽が高浜のそれと良く似ているとのことで、また、盆踊りの音頭の旋律もその様だとか。福井県でも、昔に聞いた鯖江の盆踊りの音頭は全く別の旋律でした。やはり、高浜辺りの影響はかなり強いのでしょうか。
京北でも、各町村(昔の単位)の丹波音頭は、微妙に異なる様です。街道沿い(西の鯖街道!)の村と、街道から外れた在所とでは、やはり影響の度合いは異なるのかも知れません。
3年ばかり前の丹波踊りの会場で聞いた弓削や周山の音頭と宇津の音頭の節回しは、かなり違っていました。子供の頃に馴れ親しんだ旋律には強い郷愁を感じますが、それぞれに味わいのある節回しでした。
昔は村単位で盆踊りをしていましたが、今は1個所で順次に各在所が踊りますので色んな音頭が愉しめます。また行きたくなりました。
何だか、盆踊りの話ばかりになってしまい申し訳ありません。最後の雨上がりの茅葺屋根の景色は素敵です。佐々里の雨の景色が見たくなりました。
ワルタさんが指摘されたのは、笛の旋律が似ているということです。神楽は高浜は獅子舞であり全く違います。
仰る様に、盆踊りの掛け声などもちょっと峠を越えると少しずつ違っている様です。録音という手段がなかった昔は全くの口伝で覚えられたのですから当然と言えば当然ですが、またよく似ているところがあればそこには人の交流が大きく影響しているということでしょう。
徘徊堂さんも是非田歌へ足を運んでみて下さい。酒を我慢する価値はありますよ~。私はノンアルコールビールで我慢しました(^_・)
今かくれ里探訪という講座を試験的にやって京北や美山、その周辺などの余り知られていない文化遺産を訪ねましょうというのをやってますが、私自身いろいろな発見があり楽しませて貰っています。まあ一番大変なのは何があるかを調べ、何をどう見て貰うかという企画段階なのですが、それはそれで楽しい苦労です。
8月は福井県おおい町福谷の「大火勢(おおがせ)」という火祭りがメインテーマです。