北山・京の鄙の里・田舎暮らし

北山、京の北に拡がる山々、その山里での生活を楽しんでいます。

久しぶりに鉾杉塾ビオトープの作業に参加して

2013-06-30 20:19:22 | 随想・近況
「ふるさと京北鉾杉塾」が京北大野町で進めているビオトープ。塾員やお助けのお陰で少しづつその姿を変えつつあります。地元古来の植物を育て、水の空間には昔からの魚が還り、自然の姿が蘇る日を夢見ての、コツコツとした作業が続いているのですが、我が勤務日に重なっていて最近は作業に参加出来ませんでした。先日は公休日に作業があるよとの案内を貰って参加出来ました。

東屋の今の姿。茅葺き屋根が未完成でブルーシートで覆われています。ええかっこうやないなあ~~。


でもね、茅のストックが準備されいますので、この秋には茅葺きも完成し、その勇姿を見せてくれます。


中央には大きな木をくり抜いて縁取りされた囲炉裏も出来上がっていますが、その日は作業テーブルが覆っていました。流しもあるでよ、というところです。

竹の天井で、この未完部分を完成させるのが本日の作業です。


河原林塾長とN棟梁の二人が既に作業されていました。私は竹を切ったりする補助作業です。


H女子に準備していただいた昼飯をいただきます。


河原林塾長が、何で「おむすび」って言うか知ってる?と質問され、分からんと答えると、お米を結ぶ、からやと教えて貰いました。なるほど、西ではお握り、東ではお結びという様ですが、この違いにはちょっと興味を抱きました。

池には蓮が生い茂っています。花が咲くまではもう少し。水車もちゃんと動いています。バッテリーを装備して発電能力を活かす予定です。


睡蓮は花を咲かせています。


蛙ものんびりと泳ぐのどかな風景。


小川ゾーンにはハルジオンで覆われた状態です。この小川の端を歩くと蛙がピョンピョンと飛び込んでいきます。子供の頃を思い出させてくれました。オタマジャクシに足が出てきてもうすぐ蛙になるなあという姿もありました。メダカも泳いでいます。
自然が還ってきています。


この小川は田圃だった所をスコップで掘って造ったのですが、私はこの川のかなりの部分を掘ったと勝手に自負しています。しかし水がちゃんと流れる様に勾配をつけるのは以外と難しいのですが、我々の作業を見ていた工務店の会長さんが素人作業を見ていて、プロ魂が出たのか、計測機器を持って来て、こういう風にやるんやと協力して貰ったことを思い出す懐かしいゾーンです。その当時は放棄された田圃の姿でしたが、水が流れ出したせいでしょうか、姿が一変しています。

ここにはカワニナも放流されました。螢が還ってきてくれるかなあ、と期待しているのですが。

タラの木も植えられました。


このハルジオンを引き抜き、そこに合併記念の森でヘリポートの工事に入るスペースからもったいないと採って来たミツバツツジなどを植えました。取り敢えず水のある所に仮植えし、時期を見て庭園ゾーンに移されるでしょう。周囲は電柵で囲まれているのですが、それでも鹿が様子を見に来た跡があるとのことでした。

ティーブレイクの後、河原林さんがおかきに穴を開け始めました。何かと思っていたら、それに釣り糸を通せとのこと…

雑魚を底に隠してある網の上に呼び込む餌でありました。お、寄ってきている、水面が忙しくなってきました。


網を引き揚げますが、慣れないせいかかなり逃げられました。この池のゾーンは二つに仕切られています。メダカが食べられない様にと、雑魚を別の方に移す為にこの作業をしたのでした。この網で捕獲したハイジャコなどをバケツにとり、隣りに移しました。


夕方には竹天井が完成で~す。この竹が囲炉裏の煙で燻されたら凄い値打ち在るものに変化します。後は残された屋根の茅葺きが出来たら、京北茅葺きの家の完成です。秋には披露出来る予定になっています。

この空間は、自然環境を考えるに脳を刺激してくれるフィールドになります。この狭い空間が出来上がるのが完成の姿ではなく、ここで、植物や見ずに生きる動植物を観察し、すぐ近くに流れる川の表情や移り変わる山の風景を楽しみながら、自然を考える場となることが第一歩であると考えます。冬には囲炉裏の炎を囲んで未来を語るのも楽しいことでしょう。

都会に住んでいると何かと便利ですね。店に行けば必要なものが買えます。専門業者が造ったものを消費するのは確かに便利ですし、これがなければ社会の発展はありません。有り難いことです。しかし100%これに浸ってしまうのはどうでしょうね。どういった公園を作るか、どういう住環境を求めるかなどはライフスタイルにとって大きな要素でしょう。より快適な社会環境をつくりあげるためには、こういった作業に参加することも大切な要素ではないでしょうか。人様の税金、貢ぎ物で生きてきた貴族は衰退したのは当然のことだわいと思う様になりました。出来上がったかたちを利用するだけの人間の悲しさなどを、帰宅後ビールをいただきました。

都会にお住まいの方、子供さんに自然の営みを感じさせてあげませんか、またここで汗を流してみませんかと言える環境を造る作業にちょっぴり参加出来た嬉しい一日でした。


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8 コメント

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手のひらに小さないのち乗せてみる (道草)
2013-07-01 09:42:16
ビオトープはしばらくご無沙汰でしたが、着々と完成に近付いている姿を拝見して嬉しくなりました。mfujinoさんもご協力され、ご多忙の合間にご苦労様です。
小川や池も出来上がって、蛙や目高や色んな生物が棲み初めているのでしょう。目高と他の雑魚を区別するなど、とても行き届いた管理だと感服しています。
ハイジャコは、昔はハヤと呼んでいて子供に獲るのは難しく、川魚の中では垂涎の的でしたが・・・。
やがて、この生物生息地に様々な動植物が復活すれば、本当に素敵な場所になることでしょう。蛍も早く出現してほしいものです。

それにも増して、茅葺屋根の家は素敵です。おそらく囲炉裏も設けられるでしょうから、いつか天井の梁も煙で黒く化粧するかも知れません。
遠い日に見られた、あるべき日本の姿の再現が待たれます。いつか訪問させて戴く日を楽しみにしています。


「田舎の四季」 堀沢周安作詞・作曲不詳(鈴木重太郎?)

道をはさんで 畠(はた)一面に
麦はほが出る 菜は花盛り。
眠る蝶々 とび立つひばり、
吹くや春風 たもとも軽く
あちらこちらに 桑つむおとめ、
日まし日ましに 春蚕(はるこ)も太る。

並ぶ菅笠 涼しいこえで
歌いながらに うえ行くさなえ。
永い夏の日 いつしか暮れて
植える手先に 月かげ動く。
帰る道々 あと見かえれば
葉末(はずえ)葉末に 夜つゆが光る。

二百十日も 事なくすんで
村の祭の たいこがひびく。
稲は実がいる 日よりはつづく、
刈ってひろげて 日にかわかして、
米にこなして 俵につめて、
家内そろって 笑顔に笑顔。

松を火に焚く(注) いろりのそばで、
夜はよもやま 話がはずむ。
母がてぎわの 大根なます、
これがいなかの 年こしざかな。
たなのもちひく ねずみの音も
ふけてのきばに 雪降積(ふりつも)る

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お騒がせしました。 (gunkanatago)
2013-07-01 13:50:27
 昨日は、お騒がせしました。葉書を持たずに家を出たし、ギャラリーは寺町押小路と思い込んでいたしで、ご迷惑をおかけしました。師匠がたまたま家におられた(自治会の総会?)ので場所を知ることが出来ました。
 小生も師匠も一致する格好の昼寝場所は寺の本堂なのですが、この茅葺き屋根の家も本当に気持ちよさそうですね。もちろんクーラーなどは絶対に点けずです。でも、作業中は暑いでしょうね。
 自分で何かやるというのは大切ですね。小生も猫小屋の断熱をひとまず自分でやりました。プロから見たら笑われるかも知れませんが、まあまあこれで間に合います。そう言えば、窓を作ってくれたのも素人です。これは開けた途端にバラバラに分解しましたので、補修に往生しました(笑)。誰か、上手な障子の張り方を教えてくれーと言うところです。
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小川 (鎌倉街道)
2013-07-01 20:23:23
夏の小川はそれなりに流れがあるようで、いいですね。大きな川の側には住みたくありませんが、小川でしたら傍らに住みたいですね。でも、ハルジオンが一面ですか、来年はもっとすごい状況になるでしょうね。
萱葺き屋根と囲炉裏、子供のころの楽しかった思い出が一杯思い浮かびますね。屋根に花が咲いたり、多肉植物が出現したり、羽子板遊びの羽が突き刺さってしまったり、戻らない時間を懐かしみます。もう絶対に戻ることのない時なのですね。
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ここに完成はありません (mfujino)
2013-07-01 21:56:06
道草さん、このビオトープには完成はありません。東屋などはまあ一応使える様になれば完成と言えるかも知れませんが、それもまた進化していくことでしょう。作業に参加することそのものが、自然や環境問題を考えることが出来るというテーマパークです。

竹の天井は良いでしょう。我が生家が取り潰されたときに囲炉裏の上の天井にあった煤だらけの黒く燻された竹を1本くれました。タオルで磨くとなんと美しい姿に変身したことでしょう。

ここの囲炉裏の作りは私は気に入っていません。ただ炉の周りを囲んでいる木は、直径2mはあろうかという大木を輪切りにしたものが使われているのは凄いと思いました。また開け閉め出来ない窓が付けられていまして、何じゃこりゃって思いました。室内の通気には悪いでしょう。

いろいろ試行錯誤してより良いものに進化していくでしょう。ここはプロが造ったビオトープではなく、従って植物園を見に来る感覚でなく、造る作業を通じていろんなことを考えて貰うフィールドです。道草さんも一度一緒に汗を流しませんか?
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自分でやることで考えが変わる (mfujino)
2013-07-01 21:56:54
gunkanatagoさん、仰る様に自らやってみるということの大切さと面白さを実感しています。障子の上手な張り方ねえ、、、gunkanatagoさんは猫という動物を飼うことで動物の世界をいろいろ考えておられるのでしょうね。

自然の風を感じつつ昼寝する楽しさ、これは寺の本堂などはもってこいですね。茅葺き屋根に家で戸を四方空け放して、水田を渡ってくる風に吹かれればこれは極楽というものでしょう。ただこの東屋、道草さんへの返事で触れましたが、風を感じるというてんではどうも気に入らない造りになっています。

昨日電話を貰ったときは熊の檻が沢山設置されている山の中で道を探してうろうろしてました(*_*)
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懐古趣味の場ではなく (mfujino)
2013-07-01 21:57:26
鎌倉街道さん、ハルジオンですが、こんなの簡単に引っこ抜けますので、全面引っこ抜けと言われたら私一人で1時間も格闘すればきれいにしてみせる自信はあります。それならそうしたら、と返事が返ってきそうですが、今は他の植物を植えるのに邪魔になる部分だけを空ける様にしています。これはこれで引っこ抜いて集めて野焼きすれば肥料にもなるのではないでしょうか。

懐かしい風景でしょう。でも懐かしい風景を作りのが目的ではありません。本来の自然環境を考える場をつくりたいと思っています。
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65年前に帰れました。 (ささ舟)
2013-07-06 16:14:52
mfujinoさん、こんにちは。

先日はご来場ありがとうございました。
その後、御苑の近くを徘徊されたとか、護王神社の茅の輪もくぐられました?私は展示会後に急いでくぐってきました。
今回ももの作りの楽しい記事、「手伝いたいナ」何て思いながら読ませて戴きました。

mfujinoさん、日テレの日曜7時からの長期人気番組、TOKIO出演の「鉄腕ダッシュ」をご覧になっていますか?
正に 鉾杉塾ビオトープ作業を同じものつくりに励んでいられる番組です。3,11震災で本拠地の作業は休んでいられますが、場所を換えて頑張っていられます。小島では小屋作りのため道、トロッコの線路を苦労して敷き、材料を運ばれています。私は物作りが好きですからずーと長く観ています。(テレビ番組ではありますが、もの凄く真剣でグイグイ引かれる番組です。
先の講座、申し訳ございません。いろいろありまして・・・。
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自然と触れ合う悲喜こごもも (mfujino)
2013-07-08 04:23:28
ささ舟さん、絵に現れたささ舟さんの優しい心に触れさせて頂いたあと、歩きましえ。寺町の管板街、新京極の誓願寺やったかな、高瀬川北上、、、、途中省略(^o-)、締めは京都府庁の中庭、、、

Dash村でしたっけ、たまに見ることがありますが楽しそうですね。私は田舎に生まれ、大都会の生活のあとまた田舎に帰れました。都会に生まれ、自然に触れ合えないで過ごす不幸な難民を救えることが、我が生きがいの一つになりました。

今日は職場の街道歩きで龍ケ坂から茶呑峠方面を歩きました。古道ですね、歴史や緑を感じながら歩きました。ヒルでキャアキャア言われると覚悟してましたが、我がこころはヒルに噛まれるのに自然を感じてほしいいという気持ちもあったことを告白します。公園の散歩ではありませんしねぇ。山に入ってトイレがないとか、ベンチがないとか、苦情を言われたら困りますし、一緒に歩くときはお互い気持ちを汲みあう行動をとかを学べあって貰いたいし、など色々考えると憂鬱になりますが、困ったときはお互い様という行動をとってもらえる人もあって嬉しい気持ちにさせてもらったりと悲喜こもごもでございます。

このビオトープの活動はまあ大人の遊びみたいなもんですが、自然に触れ合う楽しい場を提供できたらと思って遊んでいます。ささ舟さんがこんな樹を残したいなあ、こんな作業をして見たいなあと思われたら是非声をかけて下さい。
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