ちいさいやつら

わが家のセキセイインコとアキクサインコのお話

(2)カナリーシード考

2010-02-08 10:00:00 | 獣医の話
獣医の話、第2回(全8回)

今日は、

 ・ヒエ増量のカナリーシードを抜きは、低蛋白になるか
 ・カナリーシードは、発情を誘発するか

です。


はじめに、
四種混合餌(アワ・ヒエ・キビ・カナリーシード)から
カナリーシードを抜き、ヒエを増量すると低蛋白になり、
足りない蛋白質を摂取しようと過食するので
肥満が起きるというような話が
コンパニオンバードNo.9に載っていました。

綾子がダイエットを始めるにあたり、
その記事を先生に見てもらい、
カナリーシードを抜いても大丈夫か、
また、カナリーシードが発情を促すことはないのか、
聞いてみました。



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ヒエ増量のカナリーシード抜きは、低蛋白になるか

低蛋白にはならない。
三種(アワ、ヒエ、キビ)で全くOK。
現実に何も起きてない。
ダイエットが必要で三種を勧め、
ずっと三種しか食べてない鳥も多く診ているが
臨床的に何も起きてないし、起きたこともない。

この記事には成分表が載ってないから
何を根拠にしているのか分からないけど、
それに、食品成分表は、
その年、その場所によってもかなり違うんだけど、
いま手元にあるのを見ても(実際に一緒に見ました)、
他のシードとカナリーシードの蛋白質は
問題視するほど差がないので、
カナリーシードを抜いてヒエを増量しても
低蛋白になるというのは根拠に薄いと思う。

カナリーシードは脂質がそれほど高くないといっても、
アワ、ヒエ、キビに比べれば高い。
だから、太り気味の仔にはカナリーシードを外せと言っている。

カナリーシードはもともと昭和になって入ってきたもので、
それ以降、肥満鳥が増えた。
それ以前は三種混合餌だった。

昔の配合は、ヒエ7、アワ2、キビ1
昔の日本人は、火鉢とこたつの生活をしていた。
だから、三種の中で一番脂質が高いヒエの配合を高くしておかないと、
飼い鳥は冬が越せなかった。
現代は暖かいので、ヒエがあまり多いと
低蛋白がどうというよりも、肥満を誘発する。
割合は別に1,1,1でも構わない。

低蛋白になるかどうか、
四種類のシードに対してだけ議論しても意味がないと思う。
木を見て森を見ずな話。
鳥たちは本来、こんな種餌(たねえさ)なんか食べてない、
何かの穀類の実を年中食べてるはず。
サボテンの花の蜜とかもね。
でもそんなものは手に入らない。
だから全て代用品でまかなっている。

小麦、そば、燕麦、サフラワー、かぼちゃの種、
なにもかも全部食べさせた方がいいに決まってる。
バランスよく、満遍なく栄養がとれるだろうから、
一口ずつにして全部食べさせれば、
もしかしたら、シードだけでも栄養が偏ることなく
生きていけるかもしれない。
でも実際は無理な話でしょ?

低蛋白になるだとか、ここら辺のことを議論するのであれば、
じゃぁこの三つに含まれない、
ビタミンやミネラルはどう補給するのか?
カルシウムやビタミンKは??って話になってくる。
どれも鳥にとって必要なもの。
副食を含めて議論しないとダメだと思う。

カナリーシード、麻の実、ひまわりを好む鳥が多いのは
脂肪分が高いから。
原点に返れば、鳥は元々ドカ食いの習性がある。
食べられる時に食べて、危険な場所を避ける。
餌場に下りていったら効率よく短時間で食べたい。
だから脂肪分の高いものを摂りたがる。
脂肪分の多いものに出会うとガーっと食べる。
同じ量なら、脂肪分のあるものを先に食べれば効率がいいから。
もしかしたら、それで一日過ごせるかもしれないから。
アワ、ヒエ、キビだと、
その三倍量を食べないとまかなえないかもしれない。

結果として、太り傾向ならば三種で、そうでなければ四種で、
そして他に必要なものは副食で補えばいい。

主食がペレットでも副菜(野菜や果物)は必ず必要。
総合栄養食なんていって、
ペレットだけ食べてればいいなんていうのは嘘。
今だって鳥に必要な栄養素が
全て分かってるわけじゃないんだし、
第一、セキセイインコ用のペレットが無いじゃない。
ペレットの種類は色々分かれてるけど、
本来だったらセキセイインコ用とか、オカメインコ用とか、
鳥の種類別になきゃおかしいでしょ?
みんな違うんだから。



カナリーシードは、発情を誘発するか

誘発しない。
カナリーシードのカロリーが高いから
単にそういってるだけ。
あくまでも四条件が揃わないと発情はしない。
(発情の条件については、第4回の記事でご紹介します)


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次回は、第3回「脂肪分について(オメガ3とオメガ6)」です。


16 コメント

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Unknown (きりつま)
2010-02-08 12:55:13
とても気になっていた項目なので楽しみにしていました。

やはり紙にした瞬間から情報が古くなっているのでしょうね。
成分表も普通に人の食事で扱う物でも毎年発行されていますし。
カナリーシード抜きでも低たんぱく質にはならないうえに、それに配合も1、1、1でも構わないということで、お野菜の加熱のことでもそうですが、神経質になりすぎず、毒な物以外は色々な物を試して栄養のバランスを良くすることが大事なんですね。

先生のお話を拝見していると、自分が固定観念で頭硬くなっているなぁ~と感じます。
考え方を柔らかく「様々な物をバランス良く」を心掛けたいと思います。

ペレットは形状が違うだけで内容は大型もフィンチも同じなのって変な話ですよね。
やはり最終的に「副菜は大切」ということですね。
多種な副菜目指して頑張ります!!
返信する
情報の見極め (WOODSTOCK)
2010-02-08 13:34:11
飼い主としては餌に関する情報は食らいつきますね(笑)
カナリーシードは勿論ですが、
今まで色々なブログで見たことがある記事や書き込みで
・粟穂は発情を促進する
・発情している時はヒエを多くすると良い
・ペレット食の子は副食を与えるとむしろバランスが崩れる
・豆苗は発情を促進する  など様々
どれも皆、まことしやかに書かれていて、
それでも、誰それのブログで書いてあったとかで、
結局、情報の出どころは不明なものが多かったり・・・
さすが、獣医師の説明は説得力があります。

そうそう、塩土のこともayameさんがこの先生の研究されたことを教えてくださったんですよね。
我が家の主治医はこちらの先生と考え方は似てると思いますが、
ここまで断言せず、もっとオブラートに包んだような表現をします(笑)
溢れる情報に惑わされず、きちんと見極める力を持たねば・・・
返信する
Unknown (ごえはは)
2010-02-08 14:08:21
こんにちわ!
今回の記事も全部すっきりまるっと頭の中に入れておきたい情報です。
うちはシードメインなので尚のこと、配合とかいろいろショップによって違ったり、カナリーシードのことだったりと気になってはいても
なかなか本当のことはわからないのが実情ですよね。
うちもしんのダイエットでカナリー抜きだとかなんだかいろいろしましたが、結局普通の3種混合で落ち着きました。
バランスって大事ですよね←なんかのCMみたいですが(苦笑)
副食もね~いろいろ食べさせてあげたいと思いつつもこれまた出来てない。
これだけ説得力のある説明をしてくれる先生はなかなかいないのではないのでしょうか。
次回も楽しみにしています。
本当に勉強になります!
って、ちゃんと覚えてられるかな~しくしく。
返信する
ふむふむ (ぴこmama)
2010-02-08 17:46:22
なるほどなるほど・・。
ヒエ:アワ:キビ=1:1:1ですね!
とても理論に適ったお話で分かりやすかったっです。
いろんな物をバランス良く、でも脂肪分の取りすぎは体重増加に繋がるということですね。
基本的には人間と一緒なのかな。

前回のダイエットの話も何回も読ませていただきました。
飢餓感という言葉はごえははさんのブログでも仰ってましたよね。
でも主食を減らさずに副食を増やして、運動量でダイエットするのは大変そう~。
なんて弱音を吐くと先生に怒られそうですが(^^;
発情のコントロールもそうですが、本来の鳥の性質を残しながら、飼い鳥としてスキンシップをはかるというのは難しいものですね。
改めてぴことの関係を考えてしまいました。

でもとても勉強になるので次回も楽しみにしています!
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ありがとうございます (ayame)
2010-02-08 18:18:05
 きりつまさん

こんばんは。
そう、きりつまさんの仰る通り!
付け足すことは何もありません。
あまり神経質にならず、禁忌以外のものなら何でもいいから
満遍なく、バランスよく、そしてさまざまなものをあげなさい、
ということに尽きるのでしょうね。
でもそれがとっても大変なんですけどぉ~(T_T)

副菜を毎日毎日揃えることは、ルーチンワークにしては
ちょっと面倒な作業ですけど、そんなこと言ってたら
飼主失格、退場!とか言われそうなので、頑張ります(笑)
返信する
ありがとうございます (ayame)
2010-02-08 18:18:34
 WOODSTOCKさん

こんばんは。
情報の見極めはとても大事でそのお話は最終回に出てきます!
さすがWOODSTOCKさん!ネットの情報って、すぐに調べられるし
口コミなんかも分かるからとても役立つ分、
それが本当かどうかの見極めって凄く難しいですよね。
粟穂やカナリーシードが発情を促進するというのも、
もしかしたらある意味、餌が豊富にあると認識して
発情の条件が満たされてスイッチ入ってしまったと考えれば
あながち真っ赤な嘘にはならないのだろうなとは思うんですけど、
氷山の一角の部分だけを見て、情報が先走って尾鰭がついていくのが
ネットでありマスコミでもあるので、扱いが難しいですね。
こうやって私も先生の話を書いてますが、
きっとどこかで捻じ曲がっていくんだろうなという懸念があります…。

塩土事件、ありましたね~!!懐かしいです・・・。
オブラートに包んだように?
うちの先生と足して2で割ると丁度いいかも(爆)
返信する
ありがとうございます (ayame)
2010-02-08 18:19:25
 ごえははさん

こんばんは。
そう、バランスが大事、その一言に尽きるみたいですね。
配合とかどうしても気になっちゃうんですが、
あまり気にせず、副食に気を遣えってことのようですね。
私も副食を色々食べさせるのは、なかなか出来てませんよ。
果物は私自身があまり食べないこともあって、
3日に一回くらいですもん・・・。りんごとか、皮を剥くと
全部食べないとならないから(ラップかけて残してもいいけど何となく)
どーも食後にとか、手が出ないんですよね。
私も改善点が多いです。

なかなか本当のことはわからない。その通りです!
先生も今はこう言ってるけど、もしかしたら研究が進んで
変わるかもしれないし。今ある現状で最善を尽くすしかないってことですかね。
返信する
ありがとうございます (ayame)
2010-02-08 18:20:08
 ぴこmamaさん

こんばんは。
そう、結局は食べ物関係は人間と同じ考え方になるようですね。
脂肪分も必要だけど、飛ばない飼い鳥はメタボになりやすいので
気をつけなくちゃならないようです。

我が家の綾子も以前ダイエットしたのですが、
朝、殻を吹いて餌箱を戻す前に、先に何種類かの野菜を食べてもらい、
夜も、薄暗くなってきて鳥たちがご飯を食べ始めたら、
すぐにその餌箱を出すか、鳥を放鳥するかして先に野菜を食べてもらう、
そんなことをしていたら、自然と痩せていきました。
途中で下げ止まった時に運動させるのはちょっと大変でしたが、
印象としては、案外簡単にダイエットできたなと感じたんです。
ただこれはやはり、いつも鳥と共にいて気を遣わないとならないので、
外で働いてる方など、状況が許さないことも多いかもしれません。

>本来の鳥の性質を残しながら、飼い鳥としてスキンシップをはかる

これは仰るとおり難しいですね。ほんと。
どうしても猫可愛がりをしてしまいたくなります・・・
先生は、ケージにいる時は緊張してもらってて、
放鳥したら一緒に遊んでメリハリをつけるといい、
しかも、ご褒美を持って呼んで飛ばして本気で遊んでやればなおいい、
そんな感じでした。でも実践は結構難しいです(汗;
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Unknown (もっちゃんママ)
2010-02-08 19:43:24
こんばんは^^
このシリーズ^^;始まってたんですね^^;
1回目から読まなきゃ^^;

今回の記事で副菜がどれだけ大事か参考になりました。
ペレットのことはふんふんとすごい納得させられるものがありました。
確かにセキセイ用ってありませんもんね。

第3回「脂肪分について(オメガ3とオメガ6)」は前から気になってたので特に楽しみです♪

じーちゃんは元気ですか?byもとき
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Unknown (なっぴー)
2010-02-08 21:35:56
第一回の記事とつながる話しの今回の記事、倒れそうになりながらも
なんとか持ちこたえて最後まで読めました!
副食も主食も、やっぱりうちは色んな種類のものを食べさせてあげてないなぁ。。。
昨日の記事を読んで反省したので今日は4種類の野菜をピー様に食べていただきました(苦笑)
人間の食事も毎食野菜をたくさん、と思っていてもなかなか難しい私なので、これは努力が必要だなぁと実感です。
野菜だけでなく何でもバランス良く・・・
カワイイ我が子のために頑張らねばですね♪
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