ちいさいやつら

わが家のセキセイインコとアキクサインコのお話

獣医の話

2008-08-03 23:41:05 | 獣医の話
この前、クリニック(鳥専門)に行った時に
色々質問したことを載せておきます。

獣医の言うことが全てではないでしょうし、
さまざまなご意見もあることと思いますが、
もしも、何かのお役に立てるなら幸いです。

長いので、
ご興味のない方はスルーしてくださいね。



 Q:
シュウ酸が多い野菜以外で食べさせてはいけないものは?

 A:
アボカドはもちろんのこと、
モロヘイヤ、オクラ、里芋など、
ねばりのあるものはよくない。

ねばりが器官に詰まって死んでしまう子が
何百羽に一羽かもしれないけど、現実にいる。
事故が起こる可能性があるのなら、
やらないに超したことはないだろう。



 Q:
サラダほうれん草はやっても平気?

 A:
平気。

シュウ酸の多い、茎の赤いほうれん草だって、
冷蔵庫の中にそれしかなければ
別に単発で食べさせても別にどうってことはない。
死ぬわけではない。

ただ、シュウ酸の多い野菜を
毎日食べさせ続けるのはよくないという話。
他にも適した野菜があるのだから、
わざわざカルシウムを阻害するものをやらなくてもいいだろう。



 Q:
ネクトンはどうか?

 A:
野菜やフルーツをしっかり食べる子なら必要ない。
ビタミンやサプリメントは、
飲んだ分だけ全て吸収されてしまうので
過剰症になることがある。
自然な食材に比べてリスクが高い。
過剰症の問題はとても重篤なのにも関わらず、
本でも何でも、欠乏症の話ばかり。

やっかいなことに、
過剰症と欠乏症は、似たような症状が出る。
欠乏症は欠乏しているのだから与えれば治るけど、
過剰症はそうはいかない。
蓄積しておかしくなっているのに
それを取り除くことができない。
D3過剰症は死ぬし、EやAの過剰症も神経症状が出る。

老鳥のように、今更食生活の改善が出来なかったり、
やろうとすればただストレスを与えるだけ、
平均寿命を生きて余命数年、
ここまできたならストレスを与えるよりかは
ネクトンの方がいいという場合に処方する。
ネクトンはビタミン剤の中ではバランスがいい。



 Q:
塩土については?

 A:
塩土は絶対食べさせないで。

ミネラル摂取のために塩土が必要だという話の元になったのは、
ペルーのインコたちが、岸壁の土を食べに来るという現状を見て。

しかし、ペルーのインコたちは
ミネラル摂取の為に土を食べているのではなく、
解毒のために食べている。

アマゾンには乾季と雨季があり、
乾季には中毒を起こしやすいナッツ類しかなく、
それらを食べるインコたちは解毒の為に
カオリンを含む土を食べている。

逆に雨季にはフルーツがあるので
ナッツを食べる必要が無く、
従って解毒する必要もなく、土を食べることもない。

だから日本で飼う場合は塩土は全く必要ない。



 Q:
環境ストレスはいつから?

 A:
生後半年以内は発情しないので
環境ストレスは与えなくていい。

半年間は学習期間で、
生きていく上でのノウハウを吸収しているのだが
その時期に環境ストレスを与えると、
簡単に全部克服してしまう。

そうすると、
発情を抑制したり、肥満を防止したいときに
環境ストレスを与えたいのに
持ち駒がなくて困ることになる。
困るのは鳥ではなく飼主の方。

半年過ぎて性成熟したら、一生環境ストレスを与える。
(繁殖を希望しない場合)



 Q:
餌の好き嫌いがあるのだが

 A:
種餌(たねえさ)を平均的に食べさせたい場合は、
食べるまで待つのではなくて、殻を吹かないこと。
下のものが食べにくいなら、
食べにくいなりに食べさせると選り好みが出来なくなる。
目視して選んで食べることが出来なくなる。

ただ定期的に殻を吹くのを忘れないこと。



 Q:
肥満にさせないためには

 A:
まず、鳥はドカ食いの習性があるので、
餌の量を限定して、食べきったら新しい餌を入れる、
ということをやっていくと、
どんどん食べきっていくので肥満になっていく。

野鳥は常に緊張状態にある。
餌場でも、まず避難場所を確認してから食べに行く。
そしてがーっと食べては避難、またがーっと食べては避難する。
飛ぶ量が多いのでドカ食いしてもチャラ。

反面、飼い鳥は飛ぶ量が圧倒的に少ないので
ドカ食いの習性が出てしまったら肥満になる。

それを防ぐには 「いつでも餌あります」 状態で安心感を与える。
それには底が深くて間口が狭いものより、
底が浅くて間口が広い餌入れがいいだろう。

あと重要なのは、
いつでも食べられるけど暇だから食べるか、
というのをやらせないために
適度な緊張感(環境ストレス)を与えること。



 Q:
体重コントロールはどうやって?

 A:
体重のコントロールはおやつやフルーツで出来る。
痩せてるときは、甘い葡萄やバナナなどで太ることが出来る。
太っている時は、野菜を多めに食べさせればいい。

これらはレパートリーを広く持っているからこそ出来るので、
離乳食時代(生後半年くらいまで)に、
色んな味を覚えさせることをしっかりやらないと
好き嫌いの多い鳥になってしまって、
コントロールもやりにくくなる。
だからこの期間は飼主も頑張ること。






綾子:ママ、なんかお話がお説教臭いピヨ?
そ、そだね、、、ごめんね


最後まで読んでくださった方、ありがとうございます


16 コメント

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Unknown (WOODSTOCK)
2008-08-04 05:26:01
とても丁寧にしっかりと信念をもってお話してくれるいい先生ですね。
鳥専門の獣医さんて少ないからとても貴重なお話です、勉強になりました。
こういう先生、HP作ってくれるといいのに・・・・・。
ねばりのある野菜はダメ・・・
ってことはつるむらさきもダメってことになりますね
そこんとこは獣医さんの意見が別れるところかもしれません。
それに鳥の医学的なことは犬猫に比べて、まだまだ解明されていないことばかりだと思います。
それに、一羽一羽みな違って必ず全部があてはまるということでもないでしょうしね。
あとは飼い主の判断、いっぱい可愛がってやりたいし、できるだけ長生きしてもらいたいですね
返信する
Unknown (nami)
2008-08-04 12:22:51
はじめまして。
今まで何回かブログを拝見しておりました(読み逃げごめんなさい)。
私もセキセイインコ(1羽:オス:2歳)を飼っています。たぶん同じ病院でお世話になっているなぁと思って投稿させていただきました。
食べ物について、環境ストレスについて…先生はまったく同じことを私にもおっしゃいました。もちろん先生によって判断が違う場合もありますが、掲載してくださってありがとうございました。私も復習できました(笑)。先生、ニコリとも笑わないけれど、鳥に対する愛情がこちらにもよく伝わってきますよね。まさに「鳥博士」って感じで信頼できます。これからもお世話になると思います。では長々と失礼しました。
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なるほどです。 (雪桜)
2008-08-04 14:47:14
φ(。_。*)メモメモ
獣医さんのお話とっても為になります。
過剰症ですかぁ…適度な量を適度な分だけ。
人間にも言えることですがとっても難しいです。
でも小鳥さんたちのためには気を付けてあげないと
いけませんね!
とっても小鳥さんのことに
真剣な先生に見てもらえてよかったですね♪
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ありがとうございます。 (ayame)
2008-08-04 21:53:22
■WOODSTOCKさん

ありがとうございます。

私もWOODSTOCKさんの仰るとおりだと思っています。
何より、飼主の判断が重要ですよね。
何かあったときに後悔しないためにも・・・。
今は情報が氾濫していて選択肢が多く
何がいいのか真偽を見極めるのが大変ですよね。

実は私が幼いとき、25~26羽のセキセイを飼っていました。
常に寒い玄関にいたし、出してもらえないし、
青菜もあまり与えられていない、
今から思えばとても劣悪な環境でした。
でも皆10年以上生きていたんです。

それを考えると、今自分がやっていることは
あまりに過保護ではないのか?と思ったりもします。
自分の満足の為に飼っているのでは、とも。
結局最後に思うことは、
いっぱい楽しい思い出を作って、
できるだけ長生きさせてやりたい、ということで、
WOODSTOCKさんと同じです。
これからもよろしくお願いしますね。
返信する
ありがとうございます。 (ayame)
2008-08-04 21:55:33
■namiさん

はじめまして。
コメントくださりありがとうございます。

多分同じ病院だと思います。
話すことも一貫してますし、かなり特徴があるので
すぐに分かっちゃいますよね!
ネット上で同じ病院に通院したことのある方と
お知り合いになれたのはこれで四人目ですよ。
嬉しいです。

鳥博士、まさしくそんな感じですね(笑)
鳥以外興味なし!みたいな感じで。
あ、こんなこと言ったら怒られちゃいますね・・・

鳥さんの飼い方にはきっと色んな説があると思います。
先生によっても判断が違う、まさしくそうですよね。
今は情報が溢れていて何を選んでいいか分からなくて、
飼主は見極める目を持たないとならず、
その分、責任が重いなぁと思ってます。

よかったらまたいらしてくださいね。
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Unknown (姉子)
2008-08-04 22:01:37
ayameさんの記事はほんと勉強になるな~
返信する
ありがとうございます。 (ayame)
2008-08-04 22:02:24

■雪桜さん

ありがとうございます。

何がいいのか悪いのか、
結局最後に判断するのは飼主の方だから
できるだけ知識を持っていたいと思って
先生に色々お話を聞くのですが、
きっと先生によっても
色んな考え方があるのだろうなぁと思ってます。

でも雪桜さんの仰るとおり、
基本は人間と同じだろうと私も考えてます。
例えば納豆がいいと言っても
一生納豆ばっかり食べて生きていけるわけでもなく、
結局何もかも、バランスよく摂ることによって
免疫力が高くなるんですもんね。

無理はしないけど、
できることはやってやりたいなぁ~と思ってます。
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Unknown (姉子)
2008-08-04 22:03:59
間違えて早々と投稿しちゃった(笑)
ほんと、勉強になります
塩土のことも与えていればいいと思ってましたもん

前回の爪切り記事の
おじいちゃんの発言・・
不覚にも面白かったです
うちもママんが昔、爪切り失敗しましたー
嫌がるしかわいそうなんだけども
何とか切ってあげにゃいかんし
大変ですよねーー
返信する
ありがとうございます。 (ayame)
2008-08-04 22:15:31
■姉子さん

ありがとうございます。

なんだかお説教臭い話だったと思うんですけど、
何かのお役に立てればと載せてみました。
今は情報が氾濫していて、
飼主も良し悪しを判断するのに苦労しますよね・・・
でも出来るだけ知識を持っていたいなぁと。

ところでもう大丈夫ですか?
まだ色々と思い出してしまうのではと思うのですが
短かったけど楽しい思い出もいっぱいあったと思うので
ぽにょちゃんのためにも
それを思い出してあげてくださいね。
美しいがぶちゃんもいるし!! 応援してます。
返信する
ありがとうございます。 (ayame)
2008-08-04 22:21:08
■姉子さん

あ、私も早々と投稿しちゃった。
もしかしてチャット状態?(笑)

じーちゃんは嫌われることは一切やらない、
孫可愛がりなもんで、
捕まえたり、ケージに戻したりは全部私(涙)
いーもんいーもん(笑)

爪切りは怖いです、ほんとに。
出血を思い出しただけでも背筋がぞ~っと・・・
でもこれもインコ飼いのお役目かもしれませんね。
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