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気分は南米?~多文化&SDGs日記

四国を経て、浜松に三度漂着したかっぱの近況

サバイバル山歩き

2007-11-04 20:52:27 | 
再来週のESD山実習に備えて、受講修了生と山へ行ってきた。
今回のテーマは「地図を頼りに山を歩く」標高600m~1200mの1日コース。事前に担当の先生からコースや注意事項をきいて、学生4人だけで実習コースの半分を下見してくるというもの。
私はお目付け役ではなく、個人的に秋の山を楽しみに行くつもりで、膝の周りにテーピングをぐるぐる巻いて彼らの後をついて行った。

11月に入り、松山市内も朝は12℃ぐらいまで冷え込むようになったが「昼は暑くなるから大丈夫」と長袖とジャージと運動靴の学生。地図は2万5千のカラーコピーが1枚、コンパスは2個あるのみ。ヘッドランプや懐中電灯は誰も持たず「いざとなったら携帯があるから」。レインウェアも雨具もなし。昼食も「持ってません」という人が一名。
…おいおい、これで実習の「補助」を勤めるつもりかいな。

登り口では気温9℃。送ってくれた先生は「じゃ、夕方迎えに来るから」とそこでお別れ。
いきなり初めの取り付くべき尾根が見あたらず、かなり強引に斜面をよじ登る。膝が痛いのに、ここを戻るのかと思うと憂鬱になる。
学生は地図を眺めているが、周囲の地形を読んで現在地を確認できているのか甚だ怪しい。高度計もないので、私もSILVAコンパスで予測をつけながらついていくしかない。

まあ尾根つたいに行けば、目指すピーク「白漬(シラツエ)」1150mには出られるだろう、と最後はササを藪こぎしながら前進。三角点に着いたのは昼ちょっと前。
紅葉にはまだ少し早かったけれど、振り返ると松山市内と、瀬戸内海が見えたのは感動した。北アルプスの朝日岳で思いがけず見た日本海を思い出した。

目指すべき「明神が森(1216m)」はまだまだかなたの峰。「目的地まで歩いたら日暮れまでに帰れなくなるから、今日はここで引き返そう」と言ったが、学生たちはビギナーズラックの怖いもの知らず?なのか、いたって暢気。
ピークから尾根づたいは、ちゃんと道があって「道があると楽勝!」「楽勝すぎて実習にならないんじゃね?」とか大口叩いていたのもつかの間。下山すべき正しい道(行き来るはずだった道)の分岐点が見つからない。地形から読み解くのも難しく、目印を探すがそれも見あたらない。

結局、帰りも適当に斜面を降りることになり、滑ったり浮石落としまくったりしながら下るはめに。途中で「谷に降りよう」と言い出すし、持参した飲料を飲みきっているし、現在地も確認できてないし、陽があるうちに下山できるのか、かなり不安になる。

足掻いているうちに登り口にあった堰堤を発見!堰堤の上から3mぐらい飛び降りて下山。15:40には全員怪我もなく無事下山することができたが、予定のコースは実質1割も歩けず、9割方を道なき道で格闘していたことになる。至近距離で見たエナガに癒されたけれど、植物は全く目に入らず。
16:00には太陽が山の陰に入って急に冷えたので、EPIガスでお湯をわかして飲んだ味噌汁がおいしかった。けど「サバイバルは面白かった」「山の直感が通用することがわかった!」てなふりかえりでええんかいな…。

実習当日は、私は出張で不参加だけど、どうなることやら~~。
膝は無事だったが、今日は大腿筋が激しく筋肉痛で、日頃の運動不足を“痛”感中。

初めての枝打ち

2007-09-29 23:12:46 | 

E大農学部は2年後期のコース分属まで、全員必修で農場実習と演習林実習がある。
今回、今夏最後の1年生の森林実習に参加させてもらった。この実習は、農学部の森林コースの先生以外にも、理学部や法文学部、医学部など他学部の先生も参加しており、森林に留まらず幅広い専門の話を聞くことができる。
ここ数年は生態学や植物学について勉強する余裕がなくて、非常勤講師の仕事は過去の蓄積でしのいでいたが、今は新しい知見をどんどん吸収できる職場にいるのはとてもありがたい。

照葉樹林帯の四国でも、標高700mでは知らない植物もたくさんあり、種名や生態を尋ねると、その解説や薀蓄が次々と出てくる。気がつくと、学生を追い抜いて最前列で先生に質問しまくり、フィールドノートに書きまくっていた。
語学と同じで、生き物は時々見ていないと単語ならぬ種名が出てこなくなってしまうので、フィールドに出たら、生物の形態・特徴・種名を頭に叩き込む作業が欠かせない。

1日目の林内そぞろ歩きに続いて、2日目の実務では初めての「枝打ち」に挑戦!
何か道具を使って登るのかと思っていたら、下枝を20cmぐらい残して切り、それを足場に上に登り、幹の太さがビール瓶ぐらいのところから、枝を鋸で切り落としながら下ってくるという合理的な方法だった。
しかし、下の枝は日陰で枯れた枝も多く、足場には危ないのでゴリゴリ切り落としていたら、肝心の登る足場がなくなってしまったり、やっと足場を作れたと思ったら、足をかけた瞬間にパキッと折れてしまったり。

上に登ったら両足片手で体を固定しつつ、残った手でゴリゴリ枝を鋸を挽くのだが、これが結構キツくて息が上がった。慣れないこともあり、その日の夕方には筋肉痛に…(とほほ)。
子ども時代は木登りが得意で、近所の植木に片っ端から登っていたのだけれど、そんな経験は全然通じなかった(泣)。
学生は「こんな本格登山は小学校以来」(こんなんは「本格」登山じゃないよ~)と急斜面にビビっていた人もいたけれど、木登りには結構果敢にチャレンジしていた。

半日の仕事が終わってみると、真っ暗で向こうが見えなかった林内が、すっきりさっぱり刈り上げられて、陽が差しこむ明るい林になっていた。この達成感は気持ちがいい~~!
人工林でも、枝打ちや間伐などの手入れをすれば、自然度の高い林になるのであって、問題は担い手がなくて荒れ放題の森林が広がっていることにある。
「奉仕活動の義務化」を言うのなら、高校生や大学生が森林や田畑で1週間程度の農作業を行うことを義務化したら…と思った。食料を生産し、自然を守ることを体感する機会になるし、過疎化で人手不足が深刻な農山村の助けにもなる。これこそ「国を守る」立派な仕事だと思うのだが。
と言いつつも、自分の素人仕事の枝打ちで「後始末がやっかい」にならないか心配も…(汗)

楽しい森林実習だったけれど、悔しかったのは他の班でヤマネの親子が出たこと!
人の背中に登って遊んでいったらしい。うわ~~ん。見たかったよー!!!

視覚障害者と山を楽しむ

2007-08-20 22:33:04 | 

週末は暑さを避けて山へ。森林教育の3年生たちが企画運営する「森林ソムリエ」のイベントに飛び入り参加。視覚障害者の方やその家族たちと森林を楽しむ企画で、山に入って森の音を感じたり、鋸を持ってギコギコ丸太切り競争をしたり、ロープをかけて木を切り倒したり。
はじめは「ええ~危なくないの?」と思ったけれども、適切な指示を出せば弱視や全盲の方でも一緒に作業もできるのは驚きだった。資料も点字と墨字が併記されていて、いろいろ細かい配慮があった。この企画はもう4年になるそうだが、リピーターの人も多いという。
私も、鋸で木を抜倒するのは始めてで、山仕事を体験できたのは面白かった。なぜ切り倒された切り株に段差があるか、実際にやってみてわかった。

翌日は朝から煮えたぎる部屋を脱出し、24時間テレビの会場へ。森林教育のK林先生の企画で「森の小道」と称した真っ暗闇の中で森を感じる小道を設営。その中は盲人の人が晴眼者を案内するという愛媛版「Dialog in the Dark」である。ESDの学生たちもボランティアで多数参加していたが、参加者がひっきりなしに来ていて盛況だった。

中はわずか10mほどだが、「普段あまり使わない感覚を使って森を感じよう」という狙いで、いくつかの木があって触ったり匂いをかいだり、流れる水に触ったり、木と違う物質のブロックを触って当ててみたり。
私は前日にさんざん触って嗅いで舐めて(ヒノキの皮はかすかに甘かった…笑)いたところだったので、大体の木は何かわかってしまったけれど、それよりも手を引かれて「はい、もう一歩右へ行って、上にある枝を触って~」とガイドされる側になって、盲人と立場が逆転したことが新鮮たった。こういうイベントがもっと増えたら、お互いの理解も深まるのではないだろうか。

DIDについては浜松でも「やりたいね~」とよく話題にしていたし、障害者マルティメディア情報センターの仕事でも視覚障害の方たちにはお世話になっていたので、みのりちゃんやウェンディさん、市川さんや柴田さんたちを思い出した。みんな元気にしているかなぁ。
 

仕事の合間にひと泳ぎ♪

2007-08-08 22:33:55 | 

昨日今日は久しぶりに山の職場へ。部屋の中でひたすらデスクワークに勤しんでいるが、ふと目を窓の外に向けると、ヒグラシの声をBGMにウスバキトンボがたくさん舞っている。思わず見とれてしまう優雅な夏山の風景。
PC仕事に倦んできたら、目の前の渓流へザブーン!短パン&Tシャツで一人“プライベートリバー”を楽しむ。川魚(種類不明)に足をつんつんされ、ひとしきり戯れるが捕まえられない。えーい!明日はタモ網持って捕まえちゃるー!

夕方には、農学部の新入生が実習でわらわらやってきて、庭先でバーベキュー。私も混ぜてもらって、肉を食らう。
E大の農学部は2年後半で専攻に分かれるまで、森林や農場の実習は全員必修である。自己紹介で出身地、E大の志望動機、希望コースなどを発表したのだが、出身地は県内>四国>中国>九州>その他で、志望動機は「試験に微積分がないから」「学力が足りなかったので」「先生に勧められて」という消極的な理由が多い。「親が愛媛出身だから」という人も結構いた。人気コースは応用生物や環境(化学系)が多く、森林はどうも不人気らしい。

自分の大学時代を思い出していたが、実は私も不本意に鹿児島に行って、かなりブーブー文句も言っていた。それが、いつしか「鹿児島にいるなら、鹿児島でしかできないことをやろう!」と思うようになってから、道がどんどん拓けていった。生物を学ぶにしろ環境を考えるにしろ、探せば最高の素材がゴロゴロ転がってる土地だったから。
火山灰と潮風と芋焼酎にまみれながらも、他の土地や大学では絶対できない経験の数々と、人生の師匠とたくさんの友人・同志を得た。大学の勉強をもっと真面目にやっておけば…という後悔は未だあるものの、鹿児島で過ごした6年間がその後の人生の基盤になっていることを、愛媛に来て改めて感じている。

愛媛だって、探せばきっと”青い鳥”が見つかるはず!なんとなく、あるいは不本意にE大農学部に来た子たちも、「ここに来てよかった」と言える道が拓けていくといいな。そのきっかけにESDがなるように、私もがんばろう。

雨々降れ降れ

2007-06-21 08:30:36 | 
梅雨入りしてまもないというのに、松山市では渇水対策本部が設置された。すでに取水制限も行われている。
昨日、石手川ダムのそばを通って、水の少なさにびっくりした。貯水率が50%を切っているそうだが、改めてその光景に愕然とした。前の日に夕方大雨が降ったのに、森に吸われてしまったのか全然効いてないし…。
1994年の猛暑には「1日3時間給水」という非常事態が1ヶ月以上続いたらしいが、今年はその時より状況が悪く、例年に比べて40%も少ない貯水量で、夏を無事に越せるのか、心配。

1993年に鹿児島8.6水害で1週間断水するという経験をしたけれど、水が使えないと本当に不便で困る。トイレも流せないし、ご飯を食べるのに手も洗えなければ皿も洗えない。風呂は温泉で、洗濯は水が出る友人宅でなんとかしのいだけれど、水のありがたさが身に染みた。
1週間ぶりに蛇口から水がザーっと出るのを見て、友人は「気分はアラブの石油王」と笑っていたっけ。

まずは、日常の節水を心がけなきゃ。
それにしても、梅雨なんだから雨降ってくれ~~~

イタドリを食べる

2007-05-11 23:59:21 | 
GWは香川に行って、10年ぶり?!にギャザリングに参加。四国からたくさん学生が集まって、環境の話題に熱く盛り上がっていたのには、さすがに年の差を感じました。ちょっと前のことと思っていたら、こんなに時が経っていたとはね。思えば遠くに来たもんだ…。

高知の学生と「高知で美味しいものって何?」「今の時期はイタドリかな」「ええー?イタドリ食べるの?!」「指ぐらいの太さのを皮むいて煮付けるんですよ。道端から採って生でしゃぶったりもするし、あの酸味が美味しくて~」なんて会話があったのですよ。

イタドリを食べるなんて、鹿児島でも静岡でもきいたことがなかったけれど、職場の近くの料亭で山菜料理の中にイタドリがあった!若緑色の茎で、見た目は若竹?と思ったけれど、シャキシャキした食感にかすかな酸味があって美味しかった♪ 全国各地に分布しているのに、なんで他の地域では食べないんだろう?と思ったぐらい。
イタドリの料理法

ゼンマイのおひたし、ハチクとウドの酢みそ和えもおいしかった。タラの芽、ヨモギのてんぷらもまだ食べられるらしいし、新緑の山は今が食べ頃だー!!
5月のこの時期になると、口永良部島で御馳走になったリュウキュウチクの刺身、てんぷら、中華炒め、クリーム煮が絶品だったことを思い出すけれど、四国の山の幸もこれから探索していきたいです。

職場は緑まぶしい山の中

2007-05-09 22:28:58 | 
今日は自分で車を運転してドキドキしながら職場まで行った。市街地から約17kmの山の中である。目の前は山、スギ林、そして渓流があるという環境である。

今日は山の神事と実習のネタ探しで久々に山を歩いた。花崗岩質の山で、あちこちに砂防ダムがある。林はスギ・ヒノキの植林と、アカシデやシラキの二次林にモミが混ざる針広混交林。新緑はきれいだし、オオルリが鳴いているし、コケイランが咲いているし。
毎回、仕事で山に入れるわけではないし、実質的には下界での仕事がメインになるのだけれど、諸々の事情で所属は山にあるのでして。車で通うのは気が重たいけれど、こんな所で仕事ができるのはかなり嬉しい。うふふふ~。

早く初心者マーク買ってこよう。自分の運転もおぼつかないのに、山道で煽られるのは心臓に悪すぎる。路肩に寄せたら、私の後ろは渋滞ができていたよ…。