goo blog サービス終了のお知らせ 

気分は南米?~多文化&SDGs日記

四国を経て、浜松に三度漂着したかっぱの近況

八ツ場ダム~一方的な報道はなぜ?

2009-09-25 22:04:50 | 
前回の日記にダムの話をちょっと書いたけど、新聞もTVも「ダム中止に反対」の人ばかりしか出てこなくて変だなぁと思っていたら、
「市民オンブズマン」のうっちいのサイトで、八ッ場ダムに関する一方的な情報に惑わされないで
保坂展人のブログでは、八ッ場ダム、とめどなく溢れる思考停止報道

追記:JANJANにもありました。
いま八ッ場ダム議論にもとめられる冷静な判断-マスコミが煽る感情論ではなく科学的な論点整理を

ふむふむ。


明日から、鹿児島に1年半ぶりに“帰省”
鳥~酒~海~人な鹿児島レポをご期待(笑)。

鹿児島へは、初めて中部国際空港セントレアを使う。
富士静岡空港は直行便はあるけど使いません。
だって、
・一日一便で時間が合わない。中部なら一日何便もあって選べる。
・競合会社がないから高い。中部ならツアー格安料金がある。
  空港への交通費の差額を考えても、中部の方が安い。
・西へ行くのに、東へ?

11年前に空港開発に仕事でちょっとだけ関わったけれど、名古屋⇔鹿児島便が週末でも満員にならないのに、静岡に空港作っても…という当時からの見解は変わっていない。
素人目から見ても不便だし使いにくい。採算とれるわけないと思うんだけど。

奥多摩で下草刈に挑戦

2009-06-23 01:09:02 | 
日曜は「えんぱねるあ」の実地研修で友人が事務局長をしているNPO樹恩ネットワーク「多摩の森・大自然塾」へ。
行ってまず驚いたのは、参加者が70人近く!20人ぐらいの会を想像していたので、参加者の多さにびっくり。都心から2時間の近さと、人口の多さが活動者の多さに反映されているらしい。

初参加の私は初心者班で、午前はフィールドの案内、午後は道具の講習と作業。6haのフィールドはスギヒノキの人工林とコナラクヌギの落葉広葉樹の植林地が半々。6年前に植えた広葉樹の植林地の下刈りを中心に活動を行っている。
午後はロープ、鋸、鉈、鎌の扱い方。ロープ、鋸は難なくこなせたが、鉈で大苦戦。講師はサクサクと杭を作って見せたが、刃の角度を45°になるように打ち込むのが難しい!「太鼓を叩く要領で、杭を傾けて刃を真上からスナップを効かせて振り下ろす」説明はよくわかったけどぉ~~~。
「角材作ってるの?」と言われた私の杭(写真)。これじゃ地面に打ち込めないがな…

最後は大鎌の使い方。払い鎌、引き鎌で下草をザクザク刈って行くが、これも自分でやると思うように行かない。力任せにぶん回して虎刈り状態で作業をしていたら、雨のために途中で引き上げ。
「ええ~もっとやりたいよー!」と口では言いつつも、わずか1時間足らずの作業で手はプルプル…。そして今日は腕やら背中が筋肉痛。どんだけヤワな現代人なんだよ、ヘタレすぎるーー!!
(E大の山実習でも60代の方が10代より元気だったっけ…。鍛え方が違う?!)

引き上げてきた福祉センターでみんなでふりかえり。作業班は朝から急斜面でずっと作業だったそうで…お疲れ様です。東京都の森林インストラクターの方も多かったけれど、本職は様々とのこと。初参加の女子高生もいた。
愛媛では演習林の話を門前の小僧で聞いてきたし、先日も豊田の森林調査に行ってきたけれど、実際自分で作業してみると技術も体力もないし、頭でっかちで実践力が伴っていない…。

予定より早く終わったので、道具の手入れや後片付けの様子も見させてもらい、スタッフと喫茶やまばとで乾杯!仕事の後のビールは最高!!
珍しいボックスシートの青梅線に乗り「東京都の3割は山林で、島嶼部も入れると4割が森林」「東京に2000m級の山があることはあまり知られてない」「奥多摩町も少子高齢化で人口は減っている」「鳩ノ巣フィールドは年間延べ1000人が森林ボランティアにやってくる」などなど話は尽きなかった。

NPO、市民団体、生協、都のコラボでやっている事業の運営体制や、全国的な林業林・森林ボランティア・割り箸事業、東京都のフィールド特性など、学ぶポイントはたくさんあったし、自分の技術を磨くという意味でも実践的だった。

矢作川森の健康診断

2009-06-06 22:53:21 | 
今日は愛知県の矢作川流域で「森の健康診断」に参加。5年目だそうだが、全国から200人以上の人が来ているのにびっくり。
合併して豊田市になった旧・足助町の山奥で39班に分かれて植生や密度を調査。百円ショップの品を活用した調査グッズと、釣竿で造った簡易樹高棒で樹高や密度を割り出して、過密度をチェック。
私が行った2ヵ所目(写真)は樹高17mで、1haに900本で適正密度だったけれど、他の班では1haに3000本という過密で真っ暗な林もあったそうだ。

私の班は豊田市の森林整備課や静岡県の農林事務所の人、埼玉の森林NPOの人もいて、過密な人工林の管理問題や、林業が生業として成り立つにはどうしたらよいか意見交換。
先日、天竜の森林組合で「間伐材搬出で90日限定雇用創出」というニュースもあってブラジル人も雇われたそうだが、「現場では人は欲しいが、危険もあるし技術も必要だしで素人はちょっと…」「今は緊急雇用支援でお金が出るけれど、それがなければ働けば働くほど赤字になってしまう厳しい状況で、どこまで続くのか心配」とのこと。

安い外材の輸入で国産材がさっぱり売れないことが林業の衰退、ひいては山の荒廃を招いている。山が荒廃すると治山や生物多様性にも影響がある。
しかし、山の持ち主の多くは荒れる山に無関心だそうで、誰が山を守るべきなのか考えさせられた。
企業のCSRではやたら植えたがるし(その後の管理が大変なのに!)、ロータリークラブなどから「苗の提供をしたい」という申し出も多いそうだが、今必要なのは植えることじゃなくて「切って使うこと!!」なんだけどな~という話で盛り上がった。
愛媛大学の森林コースの先生方はどうしているかな~~。

しだ・シダ・羊歯三昧な休日

2009-02-11 21:33:23 | 
今日は愛媛生態系保全管理の「今治恥部」と「浜松不審部」の合同調査(ただの散策?)で新居浜の山へ。種子川の谷沿い2本と龍河神社を歩いた。
林道沿いにはシダがあるある!一日で55種も記録。1/3はよく知っている種、1/3は図鑑などで知っている種、1/3は初見の種でうーうー言いながら記録をとる。ベニシダ、イタチシダ類の区別が難しいが、シダを知っている人と歩くのは楽しい

マニアックと言うなかれ。一見、同じように見える植物だけれど、ソーラス(=胞子嚢群;裏に付いているポチポチ)のつき方や、先っぽや一番下の羽片の形の違いが読めるようになると、その美しさやそこの植物相(フロラ)の多様性も見えてくる。
一つ谷が違うと環境は似ているのに、シダ相がかなり異なるのは面白かった。

龍河神社は社寺林が天然記念物に指定されていて、そのフロラもなかなか珍しく、ルリミノキ、カギカズラ、アリドオシとアカネ科木本3種が出てきたのには感動~~ やっぱり南方系の植物は萌えるわぁ~

Kさんは、覚え始めたばかりの木本(きもと、じゃないよ)を追いかけるのに一生懸命。
スダジイは「裏が茶緑の“須田爺”と覚えてね」と言いながら、「そういやスペイン語で“緑のじじい(viejo verde)”はエロジジイの意味なんだよ~」と与太話も吹き込んだら、案の定、Kさんは「スダジイ…エロ爺…」とつぶやきながら歩いていた

時間がなくてには寄れなかったけれど、かなり充実の休日でした。
さて、これから光田図鑑(=保育社「しだの図鑑」:筆者の光田重幸先生は愛媛の北条出身!)を眺めて楽しい復習だー。

東温アルプス下見

2008-11-28 01:10:06 | 
昨日は松山市の隣の東温市と久万高原町の境にある「東温アルプス」に週末の実習の下見に行ってきた。
標高1088mの井内峠まで車で行き、そこから稜線をだらだら上り下りしながら歩いていく。標高1315mの梅ケ谷山(ばいがたにやま)、1255mの樽谷山(たるたにやま)、1241mの根無山(ねなしやま)のピークを踏んで1115mの白猪峠へ。

登山道は地元の登山会の人たちがよく来るらしく、きれいに整備されていた。ブナ、ミズナラ、リョウブ、ウリハダカエデが優占する落葉樹林で、林床はクマザサに覆われていたが、木々はすっかり落葉して山水画のような風景が広がっていた。紅葉の石鎚山は「モミジの錦」で華やかだったが、色の落ちた冬景色はそれはそれでわびさびの世界で趣がある。
空気は冷えていたけれど、風が全くない穏やかな日差しで山歩きには絶好の天気だった。私たち以外誰もいない山で、時々出会うエナガの群れや木を叩くヤマガラの群れ、ゴジュウカラの姿を愛でる。リョウブの幹が剥げているのは、皮を引っぺがすヤマガラの仕業らしい。

白猪峠からはスギ林を下って白猪の滝へ向かう。途中、伐採跡地の草原で、枯れススキがまた晩秋の日差しに映えていた(写真)。
この下りが長くて膝に来たけれど、標高が下がると紅葉の落葉樹林で、気分は「モミジ踏分け鳴く鹿の~」。落ち葉を踏み締めて歩く山なんて、いつ以来だろう。

行程は約7km。植生の違いを楽しみながら歩ける程よいコース。ネタは現在仕込み中。
しかし膝痛で接骨院に行ったら、脛とふくらはぎの筋肉がパンパン!だった。歩き方による筋肉疲労から半月版に負担がかかってしまうようで、ダンスでも痛めたところ。老化ではないのよーー。

石鎚山で法螺を吹く ぶぉ~

2008-11-03 22:15:59 | 
この半月、胃痛と風邪で体調を崩してヘロヘロだったが、NPO「石鎚森の学校」の知人に誘われて、K夫妻と秋の石鎚山へ。ロープウェー+徒歩で標高1400mの石鎚神社の成就社へ。
森の学校スタッフ、地元のK建設、千年の森メンバーとT先生夫妻と15名ほどで、神社の裏手にある第一園地で倒木を切ってベンチにしたり、植林した木の周辺のササを刈ったり。午前中は小雨と霧の中にチェーンソーの音が響くばかりで、山も紅葉もよく見えず。

今日は石鎚山もみじ祭りも最終日で、法螺貝コンテストや餅投げがあり、老若男女が山伏白装束でぶぉ~~ぶぉ~~と法螺貝を吹いていた。それを眺めていたら「吹きませんか?」と巨大な巻貝を手渡されれ、えっと思いながらも初挑戦!
「ぷぉー…」と頼りない高い音は出るが、コツが難しい。中学生の男の子に「どのくらい練習したの?」と聞いたら「9~10ヶ月かな」だそうで。
しかし何故に山で、南方系の巻貝を使うようになったのだろう?オニヒトデの天敵と言われるが、沖縄でこんなでかい貝は見たことなかったけど。

午後は霧も晴れて、石鎚山の姿と紅葉が見えてきた。ブナはほとんど落葉していたけれど、ウリハダカエデの真紅とシロモジの黄色がひときわ美しい。倒木は樹齢90年を超えるウラジロモミで、T先生いわく「棺桶ぐらいしか使われないので針葉樹でも残されてきた」そうだ。
手がかじかむほど冷えた空気の中、T先生の奥様の指導で森林気功?をやると、頭や足へ森や大地のエネルギーが流れていくのがすごーく気持ちがいい。カンドンブレだとOxossiの神様? ここ2週間、不調で苦しんでいた体が軽くなっていく。


私はあまりスピリチャルなものや非科学的なものには依存しないけれど、フィールドで自然と共に過ごす時間は心身共に癒される。苔むしたブナの巨木の抱き心地もよかった~。普段PCを眺める時間が多くて運動不足なのが不健康なのかな。
今回はシニアの方の参加が多かったのだけど、みんな口々に「活動に参加するようになって痩せてメタボ解消!」と言っていたのが可笑しかった。


帰りは「石鎚ふれあいの里」に寄り道。ひつじのメリーちゃんに挨拶しに行ったら、オナモミがボコボコ体中ひっつきまくり!!取ろうとしてもウール100%に絡み付いて毛皮ごと取れそうになる。
なんてことを~?と飼い主のYさんに聞いたら「げっ!そんなになってた?」と絶句。
教訓:秋にヒツジを繋ぐ時はひっつき虫に要注意!!

食堂で「森の学校」の活動の話で、昨年植林した木がことごとくハサミで切られていて、誰が一体何のために…?という話をしたら、
Yさんに「ウサギですよ。食痕はスパっと切れるんです」
我々「だって地上40cmですよ?」
Yさん「積雪の時に足跡が植木のところで止まってましたよ」
我々「ええ~~~。犯人はだったのかーー!!!」

ほか、植林の樹種についても「なぜその樹種なのか?」で議論。
石鎚には四国山地の固有種も多いので、移植には細心の注意が必要であるが、石鎚山での活動は、NPO、西条市、信者が三つ巴で、そう簡単にはいかないとのこと。信者は全国にいるし、信仰と伝統の厚い山で、“余所者”の敷居は低くない。
3年前に「森の学校」の活動を始めた時は「何者だ?」「勝手なことするな」「出て行け」といった目で見られていたのが、少しずつ信頼を得られるようになって、今は活動に理解も得られるようになったそうだ。

一朝一夕にはいかない難しさがある中で、神社の倉庫のシャッターに地元の高校の美術部が「山の精霊」の絵を描いたプロジェクトは印象的だった。鮮やかで躍動感のある絵にミューラルを思い出したが、これも地元出身のプロの画家の指導があって描いた作品なのだそうだ。Kさんも浜松のミューラルのことを知っていて話が弾んだ。

写真は土木学会が選ぶ「土木遺産」の大宮橋。麓の集落は廃村になったところも多く、その集落に架かっていた橋。アーチが美しい。

演習林で川泳ぎ、昆虫展で再会

2008-08-08 19:05:35 | 
昨日は農学部1年の演習林実習に飛び入り参加。初日は「山の自然に親しむ」とのことで6~7人の班に分かれて山を歩く。私はY口先生と技官のKさんの班で、植物の薀蓄を堪能。森林の管理、木材や植物の利用については私もよく知らないので、漢方薬になる植物や、碁盤として数百万~1000万円で売れるカヤ、棺おけや卒塔婆に使われるモミの話などは興味深い。

Y口先生は食用になる植物やキノコにも相当詳しく、演習林に茶畑で採った茶で紅茶を作る方法や、ウリハダカエデの美味しいメイプルシロップの採集・精製法を教えていただく。北海道や韓国ではカバノキでシロップを採っているそうだが、ウリハダカエデをまちおこしに使えないだろうか?
Kさんは山の管理について、植林後6年間は下草刈りが必要だけれど、斜度35度の手作業は一日一人1反が限界だと話していた。夏の暑い時期の作業はかなり重労働だが、30~40年のスギの丸太が2000~3000円でしか売れないことを考えると、日本の林業は大変だとつくづく思った。

日本は「資源がない」と言われるけれど、石油や鉱物はともかくも、農林水産資源には本来恵まれている(いた)はずだと思う。今はコストがかかって採算が取れない、担い手がいないことで危機的状況になっているけれど、「持続可能な社会」を考えるならば、その地域に合った産品を最大限利用することを考えたい。
木質利用の先生によると「最近の原油高騰で、バイオエネルギーの材料コストは、まもなく石油に追いつくまでになった。あとは設備投資のコストが下がれば石油に代わることも可能なはず」とのこと。日本の林業も復活のチャンス到来?

山から下りたら、演習林センター前の渓流でひと泳ぎ。学生が20cmぐらいのアマゴを手づかみしていた!
昨日、一昨日は久しぶりに雨がパラパラ降って、恵みの雨にホッとする。7月5日の梅雨明けからほとんど雨が降らず、石手川ダムは給水制限になってしまった。関東、関西の集中豪雨のニュースを「四国に雨雲を分けてくれ~」と思いながら見ている。


今日は、E大恒例の「昆虫展」へ。終了間際だったが、子どもたちがたくさん来ていた。昨年は「ラオスの食べられる虫」で実物と5つ星評価の展示に大爆笑したが、今年はパンチのある展示は少なかった。でも、昨日スケッチした甲虫を調べたり(オオスジコガネ)、「ジー」となく平地にいないセミを調べたり(コエゾゼミ)、ケシキスイやガムシの現物を眺めたり、オオゴキブリに触ってみたり、結構楽しめた。

「昆虫クイズ」も自信を持って臨んだところ「ハチ/甲虫の仲間を探せ」で、「それアブですよ」「それはカメムシ」とはずしまくり。自分の眼力のいいかげんさにショック…。ハネカクシの仲間が難しかった。 それ以外は満点だったんだけど。

昨年のESDにいたH君をはじめ、昆虫研の学生は30人近くいるそうだが、学生がわらわらいた中に「あれ…K君?」「なんでここに??」
1998年に専門学校で教えていた学生で、ここの大学院にいるという話を3月に聞いていたけれど、やっと会えたー。つい先日学位が取れたばかりとのことで、すっかり研究者の顔になっていて…10年ぶりの再会にびっくり!でした。

石鎚ふれあいの里~水中お魚観察会

2008-07-25 17:51:52 | 
21日は西条市の「石鎚ふれあいの里」へ、ESDのインターンシップの見学+「水中おさかな観察会」の助っ人に。夏休みの連休だけあって、駐車場はほぼ満車。川は子どもたちがわらわらと泳いでいた。
ふれあいの里の目の前を流れる加茂川は2面護岸されているが、石鎚山から流れる水は透明度抜群で、シュノーケルで水中をのぞくと、そのまんま水族館で目の前をオイカワ、アユが泳いでいく。
暑い日だったけれど、川の中は冷たくて気持ちがよかった~♪

ここは自治会が指定管理者の宿泊施設で、地元の方の雇用の場にもなっている。博物館の学芸員だった山本さんが昨年度からスタッフになって「自然を知る、暮らしに活かす」「自然体験を科学する」という視点の環境教育プログラムを看板にするべく奮闘している。ただそれだけでは食っていけないので、宿泊部門が主な収入源で、夏は稼ぎ時である。

この日の観察会も参加費は500円で子ども12人が参加。保険代、シュノーケル貸し出しを抜けば、わずかな人件費である。
8月11日~12日、19日~20日は子ども向けの「昆虫合宿」で水棲昆虫、ベイトトラップ、ナイトトラップ、野外採集、スケッチ、講義…と虫マニア養成講座があるけれど、1泊2日で宿泊4食込みで8000円なり。これを高いと見るか、安いと見るか。東京だったら、1万円ぐらいでも人は集まるのだろうけれど、愛媛ではそれでは人は集まらない…。収入や物価の違いはあるけれど、こういったプログラムに価値がつくような文化がまだ浸透していないように思う。

それはともかく、この合宿は楽しそう!私は小学校の入学祝いに祖父から昆虫図鑑を送られて、小学校の自由研究は6年間カイコがテーマだったし、鳥にとりつかれる前は昆虫少女でもあった。
その後、芋虫大嫌いな時期もあったけれど、大学で鍛えられて再び昆虫好きに。専門学校では昆虫採集を教えていたし、黒く平たいのとか(先日顔に飛んできた奴に危うくキスされそうになった。うぇぇぇぇ)毒があるもの以外はだいたい何でもOKだ。マニアというほどではないけれど、虫と戯れたりスケッチするのは楽しい。
合宿ではぜひ虫愛ずる楽しみを覚えてほしいなぁ、と思ったのでした。

ふれあいの里のマスコット、ひつじのメリーちゃんにも会ってきた。炎天下にウール100%は見るからに暑そうだったけれど、1日中、川岸の草刈りの仕事にモクモクと従事。クズが好物なのか真っ先に食べていたけれど、セイタカアワダチソウやヨウシュヤマゴボウは最後まで残していた。

ブナ原生林と四国カルスト

2008-07-15 21:07:52 | 
日曜日はESDのインターンシップ先のODAの木協会を尋ねた。代表の高本さんがブナ原生林に案内してくださり、旧小田町役場から山道をぐねぐね上がって久万高原町、西予市を回り込んで大野ヶ原のブナ林(小屋山・小田深山林木遺伝資源保存林)を散策してきた。

下界は猛暑日だったが、標高1200mの林内は涼しくてさわやか。樹高15m以上、胸高直径80cmになるブナの大木がどーんどーんと散在して、絵に描いたような「原生林」だ。時々ハリギリ(センノキ)の大木も見かける。林内は明るいけれど木が少なくて見通しがよい。亜高木、低木はウラジロモミやカエデの仲間が多い。林床はクマザサが茂るが、実をつけたシロバナ?エンレイソウやマムシグサなども生えている。
ヒグラシに似た涼しげな声で合唱しているのはエゾハルゼミ。四国では山地のブナ林にしか生息していないらしい。足元の水溜りにはイモリが泳いでいたが、春先はオタマジャクシだらけだったそう。

ブナ林どころか落葉樹林にはめったに行かないので、見るもの全てが珍しく、葉っぱから透けてこぼれ落ちる木洩れ日が気持ちよい。樹高はもっと小さいけれど、パタゴニアで見たナンキョクブナの林と雰囲気が似て、清楚で瑞々しさを感じる森である。昼でも薄暗く、微熱を感じる亜熱帯林の妖艶さとは対照的だ。今、これだけきれいなのだから、新緑と紅葉の時期はさぞかし美しいことだろう。

時々倒木によるギャップ(林冠の穴)が見られるが、次世代の木はそれほど延びていない。ゆっくりとギャップ・ダイナミクスで森林の更新が行なわれてるのかな~と思いながら歩く。←今年の修論生の発表であったが、彼の調査地はこの林だったらしい。
生物多様性という意味では種数は少ないし(むしろ二次林の雑木林の方が高い)、原生林=生物多様性が高い、ではない。でも、かつて四国山地に広がっていたブナ林が手つかずの状態で残り、氷河期の遺存種も生息しているのは、かなり貴重である。

こんなにいい森林があることに驚いたが、四国の奥地でアクセスが悪いせいか、知られていないせいか、日曜日なのにすれ違ったのは2組だけで、1組は高知ナンバーのマイクロバスの団体だった。セミの声以外は人気のない静かな森であることもまた魅力だ。
高本さんは「安易な観光地化はしたくない」と、大勢の観光客や下手な「管理」で森を変えてしまうことを案じていた。私もオーバーユーズの悪しき例を屋久島や尾瀬で見てきたので、単なる“ブランド”にひかれてやってくる客には来て欲しくない。価値のわかる人にだけ、そっと教えたい、そんな森だ。

そんなんで、いちいち感動して歩いていたら、小田町出身で70歳を越すFさんに「そんなに価値がある森とは知らなかった。15歳で町を出てしまって、地元のことはよく知らないし、ESDを学ぶまで自然に目を向けたこともなかった」と言われた。

それから四国カルストへ、草地にポコポコ突き出るまぶしい白い岩を眺めた。こちらは結構、観光客がいた。この付近は戦後、入植者によってホルスタインの牧場になったそうだが、かつてはブナ林が広がっていたのだろう。原生林はたまたま開発を逃れて残ったものらしい。
尾根をはさんで愛媛県と高知県の山々が広がり、天気がよいと太平洋が山より高いところに見えるのだそうだ。四国は小さいと思っていたから、こうやって眺めると山が深いことに驚く。そして、山頂まできっちり植林されている山が多い。植えた人の努力というか執念には頭が下がるが、今どれだけの山が適正に管理されているのだろう?

帰りにODAの木協会が廃校になった小学校を利用した「森の学校」に寄る。学校内の表彰状などを見ると平成2年までは学校があったようだ。森林組合が閉鎖し、集落が一斉撤退したことで廃校になったのだそうだ。
教室は宿泊施設として使われ、翌々日からは大学の実習が始まり、夏の間は子どもたちの研修施設としてにぎわうことになる。

愛媛の奥地を堪能した一日だった。帰宅して、図鑑と写真と眺めて比べて同定するのにも至福の一時。復習しながらブナ林の感動を反芻している…。

石鎚ふれあいの里~過疎の現実

2007-12-02 22:08:15 | 
先週、ESDのインターンシップ先、石鎚ふれあいの里に行ってきた。松山から西条まで初ドライブだったけれど、紅葉がきれいで片目で見ながら運転。途中で「オレンジローソン」なるものを初めて見る。
ふれあいの里は、廃校になった小学校を利用した宿泊施設で、そこで自然観察会や炭焼き、草木染などの自然体験を行っている。メニューだけ見ると単なる自然体験だが、実際に行って話を伺うと奥が深い。
プログラムを企画運営しているYさんは、元県博の学芸員で鳥をはじめとした正統派ナチュラリストである。大学で野鳥研究会だった私と共通の知り合いもいて、話が盛り上がる。

それだけでなく、現地に移り住んでの話が印象的だった。「3200人の集落が300人に減ったが、残った人たちはどんな人たちだと思います?」との問い。
鹿児島の離島で見聞きした話を思い出すと、思い当たる節はあったけれども、言われるまで気づかなかった…。それは「そこに住んでいる人」の重い言葉だった。

先日のN-Pocketサロンでも話題になった、伊那谷出身のTさんが「帰りたくても帰れない」と言う中山間地の現実を、都市住民としてどう受け止めたらいいのか、どう解決の道筋をつけたらいいのか。まだまだ私も修行が足りない…。

おまけで、こんにゃくづくりに飛び入り体験。
1)こんにゃく芋の皮を剥いてゆでる。
2)芋がやわらかくなったらミキサーで練る。
3)練ったものをボールに入れてこね、灰汁を入れてさらにこねる。
4)適当な大きさに丸め、約1時間ゆでる。 

という手順で、ごつい芋が2時間でぷるぷるの白灰色のダンゴ状こんにゃくに変身!
コンニャクは黒っぽいものだと思ったら「あれはひじきなどで色をつけている」とのことにびっくり!!昔、皮ごとすり下ろしていた名残なんだそうだ。