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気分は南米?~多文化&SDGs日記

四国を経て、浜松に三度漂着したかっぱの近況

新寄付税制&NPO法改正の実現を!

2011-05-27 23:24:53 | NPO/NGO
26日は「NPO/NGOに関する税・法人制度改革連絡会」総会と「今国会で新寄付税制&NPO法改正の実現を!5・25緊急院内集会」で衆議院議員会館へ。
5年ぶりの議員会館は、ピカピカ新築になっていてびっくり!エレベーターで鳩山元首相が乗ってきたのもびっくり!
おのぼりさんは国会議事堂の写真なんか撮ってみた(携帯で写り悪い…)。昨年大改修したそうで、こちらもピカピカ。画面の切れたところに、小さいソーラーパネルが乗っかっていた。他の周辺ビルも乗っているところがあちこち。

この集会は1週間前に呼びかられたにもかかわらず、全国から400名近い人が参加し、熱気あふれる集会だった。中間支援センターはもちろん、NPOのキーパーソンが多数来ていて、久々の再会もいっぱい。
議員も超党派で加藤紘一、鳩山由紀夫はじめ、NPO議員連盟の人たちが続々が登壇。以下にその様子がまとめられている。
http://togetter.com/li/140034
http://twitter.com/#search?q=%230525NPO

改正の内容については、シーズのサイトが詳しい。
http://www.npoweb.jp/modules/news1/article.php?storyid=3465

この改正が通れば、寄付する人が寄付しやすく、NPOも寄付を集めやすくなり、市民活動の発展が望めそう。ただし、自動的に寄付が増えるというものではなく、NPO側も情報公開など透明性や信頼性を上げる努力もしていかなくてはならない。
新しい寄付税制の活用や、NPOの広報戦略については、現在セミナーを企画中。

再びNPOで働くにあたって~諦めから希望へ

2011-04-12 21:22:53 | NPO/NGO
震災支援関係の情報が落ち着きを見せる一方で、原発震災関係のメール、ニュース、Twitterはすごい勢いで増えていて、情報を追いかけるのに一杯一杯の日々(汗)。
統一地方選は、浜松は市民派も女性議員もことごとく落選。東京都の結果には言葉もなく…。若い層は東国原の支持が高かったのに、若い層ほど投票に行った人が少なかったことが、大差になってしまったのだろうか。

原発の賛否でも、これだけの大事故が起きてもなお、世論は半々である。遠く離れた欧州では脱原発の動きが起きているのに、日本では「原発は不安。でも、原発なしでは暮らせないし、止めるのは無理」という意見も多い。
私は、たとえ無理であっても「原発は怖い、使いたくない」と思ったら「止める方法を考える」という行動を起こすので、この違いはなぜ??と思った。

今日、職場の年間計画を話し合う事務局会議があった。最後に、NPOの設立趣意書を読んで「自分たちの責任で、住みやすい地域社会に変えていこう」という趣旨で発足したことについて、意見を出し合った。
スタッフの一人は「自分が課題に直面した時に、声をあげるということは思いもつかなかった。でも、みんなに励まされて、声を出してみたことで、社会が動くんだ!ということを身をもって学んだ」と話した。

ああ、そっか。と。
「社会は変えられる」という経験がないから、「無理」と諦めてしまうのも「投票に行かない」のも当たり前なのか、と。
愛媛でも「活動しても、そんな人は少数派にすぎないし、社会は変わらない」と言う学生がいた。何をしたところで社会は動かない、という無力感。それは投票したところで、死票になってしまう空しさを思うと無理もないと思う。

私は鹿児島で「議を言う(異を唱える)」ことの意義を学び、水俣で「諦めることを止める」粘り強さを学び、浜松で「組織で社会を動かす」ことを実践してきたから、「何とか実現できないか?」という発想になるのだけれども、そんな人はごくごく少数派なんだろう。

政治家にならなくても、特大な権力を持たなくても、1勝9敗で撥ね続けられていても、叩き続けたことで開いた門もあった。NPO法だって、そういう中から生まれてきたのだから。
一人では届かない声も、複数になれば声は大きくなる。組織になれば実現できることも増える。だからこそ、NPOの存在意義がある。
前述の学生に「NPOって宗教みたい!」と言われたことを思い出すけれど、「社会は変えられる」と私は思う。それは手もかかるけど、自分の望む社会を自分の手で実現することは、やりがいもあるよ、と。

市民の思いを集めて、社会的な力に変え、政策・施策に反映させること。
自ら参画する人材を育成すること。
再びNPOで働くにあたって、この2点に力を入れていきたいと思った。

同時に、自分(たち)がちょっと特殊な人種であることは、いろんな意味で自覚しつつ、そのギャップを丁寧に埋めていかなきゃいけないな~と自戒もしている。

写真はアカシデの花@東京。今、浜松ではイヌシデ、イロハカエデが花盛り。ケヤキの花もまもなく…

えんぱねるあ2011春ミーティング

2011-04-08 20:48:19 | NPO/NGO
4月に入って、新しい職場で新しい仕事の立ち上げ&大掃除&模様替えに、昨年度の報告書提出や車の故障も重なり、ドタバタな1週間だった。
2ヶ月ぶりに実家に帰って、桜ならぬコブシやユキヤナギのお花見に行ったり(写真:コブシの花を食べるヒヨドリ@落合川水辺公園)、浜松ではアイガモのスモークをつまみながら桜を愛でたりも。

2日は「えんぱねるあ」の夕食会を品川で開催。合宿の予定が、震災後は仕事やボランティアでメンバーが超多忙になってしまい、夕食会に変更。
2人が現地入りで不在だったものの、5人が集まった。震災後のNPOの動きや現地の支援状況、原発震災をめぐる情報や活動について話が盛り上がった。

原発を推進する学者は「科学技術で原子力を支配する!」という野望に燃えているんじゃないか説には、あ~なるほど、と。昔、土木工学系の友人が「山の中にどーん!とおっきなコンクリートのダムを作るのが夢」と語っていたのを思い出した。きっと「先端技術を駆使したい」人たちにとっては、原子力は人類の叡智を集めて制御、利用すべき対象なのだろうなぁ。
生態屋の私には、ちょっと理解しがたい価値観だけれども…。

「ボランティアをする側の研修はいっぱいあるけれど、ボランティアを受ける側の研修も必要でないか」という提案も興味深かった。
東海地震が起きて、浜松も支援してもらう側に立った場合に、それをどう受け止めればいいのか、想像したこともなかった。支援体制をつくるだけでなく、支援の受け手としてのあり方も考える必要があるかも。

また、震災を直接支援するNPOにはお金が集まるけれど、原発震災に関する情報収集や発信をするシンクタンクNPOにはお金は落ちない…という話も。
今回これだけ情報が錯綜し、統制される中で、科学的根拠のあるデータを出せて政府系でない原子力資料情報室の発信は非常に貴重だし、そういうNPOこそ支援できるしくみがほしいね!という話で、2011年春のエンパサロンは終了しました。

浜松の募金活動

2011-03-21 22:05:48 | NPO/NGO
今日は浜松の中心市街地にあるZaza City前で震災の募金活動に参加してきた。昨夜、「水俣」を子どもたちに伝えるネットの池谷さんから「西部パレット利用者連絡会で募金活動をやります。みのりさんも来ます」と連絡が入り、これは行かねば!とチャリをこいで街中へ。

昨年4月に、路上演劇の募金活動で松菱前に立った時は、土日なのに人通りが少なくてびっくりしたけれど、今日のZazaの前は春休みの連休のせいか、子どもや若者がやたら多く、人の流れが切れることは少なかった。
「あ!」と気がついて財布を取り出す子どもが結構いたのは嬉しかった。ばったり昔の教え子に会って「あれ、ブラジルへ行ったんじゃなかったの?」と言われたけど、募金もしてくれた。
昨日は駅前でジュビロの選手が募金活動をしていたというし、今日も別の団体がいた。静岡の人は財布の紐が堅いと言われてるらしいけれど、寄付文化がもっと日常的になるといいなぁ。

大人の反応はいまいちだったけれど、募金しない理由としては、1)他で募金ずみ、2)財政的に寄付する余裕がない、3)主催団体に信頼がおけない、4)関心がない、のどれが多いのだろうか?
今回の募金は、認定NPOのJENに寄付の予定で、それを明記した看板を置いて、チラシも配った。
寄付先がNPOなのは、現場での効果的な緊急支援活動に使われることが明らかなところだから。こういう時、NPO→NPOの支援はすごく大事だ。
結局、2時間で38300円、2日間で7万円を超える募金が集まった。

愛媛の松山では、えひめグローバルネットワークピースウィンズの募金が集められているので、松山方面の方はぜひご協力を~。募金箱の設置店の一覧に思わず見入ってしまった。

浜岡原発については、また明日改めて…。
明日は浜北の学童へ行ってきます。

今ここでできること・原発情報

2011-03-13 12:19:30 | NPO/NGO
自分用メモもかねて、NPO仲間などのリンクです。

現地に入らなくても、入れなくてもやれることを粛々と行う。今、できることをやる。
名古屋のNPO仲間のブログ(サリーちゃん)
http://blog.canpan.info/sally_nakao/archive/1090

できることをやろう(マーキー)
http://www.aokiworks.net/diary110313.html

早瀬昇さん「災害支援時のボランティアの心得」(ファンドレイジング道場)
http://dojo.livedoor.biz/archives/51956151.html

福島原発(田中優さん)
http://tennenjutaku.seesaa.net/article/190219822.html

原子力資料情報室 最新ニュース
http://www.cnic.jp/modules/news/

これから仕事の後で献血に行ってきます。
仕事の山場はなんとか無事越えました。映像WSのレポはまた改めて。

NPOウェディング

2010-12-20 22:52:54 | NPO/NGO
昨日はNPO仲間の結婚パーティーで東京へ。参加者というか当日スタッフで、行くと段取り表を渡されてミーティング。新郎・新婦の友人・仕事仲間がさくさく準備を進めていた。
参加者は約100人。名札は社協共募系、中間支援組織系、NPO系、企業系、行政系、みんもり系、友人系に分かれていた。←このフォーマットはモコちゃんのウェディングでも見たっけ。

ケーキカットは「エシカルなウェディングに」という新婦の希望で、パームオイルを使わないLUSHのナタネ油とココナツオイルのせっけんケーキに入刀。それを切り分けて、参加者のお土産に。
また、参加者にはERITOMO通貨が渡されて、各地域と二人の出身県に寄付をつのる「ふるさぽ」投票企画あり、NPO署名&チラシコーナーあり。
二人の仕事やこだわりがいっぱいのパーティーで面白かった。

えんぱさろんの仲間も引っ越したり、子どもが生まれたり、まぁみんな元気でやっているようで何より。
高松に転勤したモコ夫妻と「四国は地域おこしが面白い!」「四国は食べ物が美味くて、自給率も高い」という話で盛り上がった。

あ、新婦のえりちゃんは本当にキレイでエレガントでした!普段は姐御肌でバリバリ働くNPOウーマンだけど、こんな一面もあったんだな~と。
どうぞ、お幸せに!!


私の方は、今年の肝入りプロジェクトが今日で一段落。関係者の方には本当にお世話になりました。反省もいっぱいあるけれど、新たな人的ネットワークが構築できたのは収穫だったと思いたい。
あとは来年の申請書と、夏の報告書が書けたら、ブラジル・ピザと大阪行きと蕎麦打ちと畑の忘年会と帰省の予定。ニンジンぶら下げて、乗り切ろう~。

姫野さん、川に逝く

2010-10-07 23:04:51 | NPO/NGO
3日にアユ釣りに出かけたまま行方不明、というニュースを見てから、ずっと心配の日々だったが…4日経った今日遺体が見つかったという速報が入ってきた。

姫野さん。吉野川第十堰をめぐる住民投票運動のリーダーだった。
1996年の水郷水都全国大会で徳島に行ったが、その前年まで私も鹿児島で治水と文化財を巡る住民投票運動の真っ只中にいたから、第十堰の問題にはとても親近感を覚えた。
その後、住民投票を成功させるに至った「123のドラマ」は2003年に開催したNPOのデザイン講座で板東先生に講演していただいたが、市民運動とは、住民自治とは、共感を呼ぶデザインとは…今思い出しても胸の熱くなる話だった。

「吉野川みんなの会」
がこの5月に解散していたことは、このニュースを探し回っていて初めて知った。
公共工事に市民がNO!を選び取ったことは、市民活動の大きな励みになったし、国による公共工事の見直しにも先鞭をつけたのは間違いない。

その中心人物であった姫野さんが63歳という歳で、しかも川で亡くなられたとは…。(沖縄のサンゴ礁保全の吉嶺さんが、海で亡くなられたことを思い出した。もう13年も前、62歳だったんですね…。)

板東先生のTwitterには「川に生き、川を愛し、川に逝った姫野さん。たった一人で立ち上がり、シングル・イシューを貫き、国の仕組みをかえ、川を守った男。あなたはまだぼくの中で生きています。ずっと生き続けていきます。」と。

心よりご冥福をお祈りします。

NPO法人会計基準

2010-09-26 21:55:33 | NPO/NGO
数字は嫌いじゃないが、会計はどうも苦手。でも、今の仕事で企業会計の読み方をかじったことと、今年のNPOの総会で会計報告がかなりわかりやすくなっていて「あれ?」と思ったことで、勉強会へ参加してみる気に。
今年7月にできた「NPO法人の会計基準」では、NPO特有の現物寄付やボランティアの取り扱いや、事業費と管理費の区分・按分など、これまで悩んできたことが整理されてきた!ということがわかった。
ふむふむ。来年の総会はもっと楽しく数字が読めそうだ!

静岡県のNPOは県のサイトで情報を見ることができるが、事業報告や会計書類を「同意書未提出」で非公開にしている団体も多い。
NPOの情報公開は、NPOの信頼を上げることにもつながるはずだが、なぜ非公開なのだろう? 「公開に同意します」という届出でなく、「非公開にします」という届出にしたら、公開率があがるのかな。

講師の早坂毅さんいわく「NPOの収入とは“社会からの支援”であり、NPOの支出は“社会への影響(インパクト)”だ」という。
会計の数字は単なるお金の出し入れの記録じゃなくて、活動の指標であり、それをもっとわかりやすく適正に提示・報告する方法が、あたらしい「NPO法人会計基準」というわけだ。

もう一人の講師のサリーちゃんは久々の再会。くまちゃんのお別れ会の時以来? 今は会計のスペシャリストとしてあちこちで活躍中らしい。
なつかしの“BIE花束作戦”の話を出したら「実は今、モリ○ロ基金の仕事をしててね…」と笑っていた。時代はめぐる…だね。

同志のエコ・ウエディング・パーティー T&Yさん

2010-09-13 23:19:19 | NPO/NGO
土曜は仕事の成果発表会+修了式。その前夜も発表原稿づくりに遅くまでつきあい、当日も直前まで人のプレゼンを大幅手直ししたり、じたばたしながらも8人が無事修了~~。
卒論の追い込みを思い出したが、人が成長する現場にいるのはやりがいがあって面白い。ここで生まれた60人の縁に乾杯!

日曜は、気になる神奈川のあーすフェスタ(この件もブログに書かねば…)に行こうと思いつつ、暑さに負け、新幹線で横浜をすっ飛ばして東京へ。
出張以外で新幹線を使うと、負けた気がするのはなぜだろう…?

今回は大学時代の同志で、初めて会ったのは鳥取だったか鹿児島だったか忘れたけれど、20年近くの付き合いのあるKaw-Kaw君の結婚式二次会。
90年代はELの活動には頻繁に顔を出していたけれど、それ以降はぷっつり切れてしまい、集まるのは誰かの結婚式か葬式ぐらいになり、本人と会うのも2006年以来。
それでもジュゴン訴訟のNちゃん、行政書士のYちゃん、日の出町をやっていたY君や京都の温暖化防止で重鎮のSさん、フリーで環境関連職を渡り歩くNさん、議員の卵のTさんなどなど、懐かしい同志に会えた。
久しぶり(いつ以来かわからん!)のH野君が弁護士になっていて「何扱ってるの?」「在住外国人とか…」というのはびっくり!世の中狭いのぉ。

肝心のパーティーは「二人のなりそめクイズDEビンゴ」で盛り上がった。
必死になって自転車発電を漕ぐ新郎に、「バタン」のエピソード暴露に笑いころげる新婦に、諸々のミスもボケ倒す司会者。
初キスの場所は「山手線の車内」に「えええーーー!!!
会場騒然&爆笑。K君てば意外と大胆?!?!
ホントに嬉しそうで幸せそうなK君とスレンダーで小顔美人のYさんに、こちらまで幸せな気分になりましただ。

「独身者のみなさんも次を~」と振られたけど、残念!私は婚活どころか枯渇しているので、次の番はTさんにお願いします。

余談。
私も「クワガタさん」を十数年ぶりに踊るはめ?に。
ASJやELに持ち込んだのはKaw-Kaw君だけど、その前は自保研の交流会で金沢大(その前は信州大?)が踊り継いできたもの。
フルバージョンは、
「酔って、あ、酔って、あ、酔って酔って酔って酔って(両足で左右に飛ぶ)
1、2、3、4 2、2、3、4(BOX STEP×2)
クワガタさん、ガシガシ! ×2回(下から掬って、ガシガシ☆)
あなたもクワガタ、私もクワガタ、み~んなクワガタ(人を輪に引っ張り込む)
クワガタさん、ガシガシ!
でしゅよ。
酔いを早く回す効果があり、仲間を誘いながら全員を巻き込む時に使います。

途上国への物資支援

2010-06-03 23:28:16 | NPO/NGO
5月は3月期末の団体の総会シーズン。愛媛まではさすがに行けなかったが、えひめグローバルネットワークから総会資料案が送られてきた。
あいかわらず、多岐にわたる分野でいろんな事業を行っているが、昨年度はモザンビークに日本人スタッフが駐在して事業を展開したことが大きい。彼女のレポートが興味深かった。

「放置自転車、ミシン等の物資を7月12日に松山からモザンビークに輸送し、コンテナは8月末にマプト港に到着したが、今回初めて支援物資が課税対象となってしまい、政府関係者と交渉して解決するのに長期間を要した。また、モザンビーク関税局の手違いで、3月中旬に支援物資が危うく競売にかけられそうになるなど、さまざまなトラブルにも見舞われたが、3月18日に物資の引取りが完了した。」
ひー 競売にかけられそうになるって!!!

受け取りに7ヶ月もかかったけれども、5月には何とか支援地域であるボンドイア村の村人たちの手に届けることができたらしい。Yさんの奮闘の一端が伝わるレポである。

以前、外務省のNGO相談員をしていた時に多かった相談の一つは「途上国に物資を送りたい」だった。多くは善意「身近で不要になったモノを途上国で役立ててほしい」ということなのだろうが、実はこれが一筋縄ではいかない。

送るためには、まとまった量を集め(自転車なら100台以上)、それらを一時的に保管する場所や、荷を入れるコンテナ、港の作業場、荷積みをするボランティア、輸送の手段を手配して、コーディネートしなければならない。また、これら諸々の経費(モザンビークだと1回約50万円)も集めなければならない。国内から送り出すだけでかなりの作業がいる。

さらに、送ったモノを現地で受け取る人・団体、当局と交渉し、港から支援地域までの輸送手段、支援地域での配布方法なども確保する必要がある。現地できちんと受け取れる人がいなくて、港で没収されたり野ざらしになってしまったケースも他団体であった。
また、現地での配分も、誰に、どの物資を、どのように渡すのか、その公平性は誰がどのように決めるのか。そこまで考えてやらないと、本当に必要としている人の手には届かず、違う人のポケットを肥やすだけになりかねない。

相談する人は軽い気持ちなのか、こちらが「事務所まで持ってきてもらえますか?」「輸送の作業も手伝ってもらえませんか?」と返答すると、返事が来なくなってしまうこともしばしばだった。
こっちは便利屋でも不用品回収業でもないっての!

現地までは手伝えないにしても、送るにはとても大変な手間とコストがかかること、また送った先でそれを使う人たちがどのような暮らしをしているか、といったことにも少しでも思いを馳せてほしいと思う。
送る「モノ」が、本当に現地で必要なものなのか、壊れた時の部品や修理はどうするのか。有効に使ってもらうには、ニーズとのマッチング、様々な配慮、現地との調整が欠かせない。

一見簡単に見える「不用品を途上国へ」は、実はとっても様々な問題を孕んでいるということを愛媛では考えさせられた。そこを切り口に、国際協力、途上国支援について考えるプログラムができないだろうか。

モザンビーク現地の様子はこちらから。