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ネタバレ必至で読み解く主観的映画批評の日々!

手をつなげない社会

2018-04-02 17:31:28 | 毎日コラム
引っ込み思案で、甘えたな息子は、車通りの多いところや初めていく場所ではすぐに手を握ってくる。
汗まみれでときおり熱くなる手で、私の手を握ってくる。
いつまで握ってくれるのか、と少し寂しい気持ちを抱きながら、しっかりと握り返す。

いつまでそういう甘えを許すべきなのか、私にはわからない。
まだ3歳だから、と自分に言い聞かせている。
私の中では、判断力がつくまではこうして、手を握って社会を歩かせて、次第に手を話していこうというふうにイメージしている。
やがて自分の手が届かなくても、自分の足で歩けるように。
おそらく多くの親がそういうふうに自分の子どもについて考えているだろう。

そういうイメージをもっているが、そのイメージが通用しない世界がある。
ネットの世界だ。
手を引いて一緒に歩いてあげることができない。
徐々に、失敗しても、少し危険を味わっても。
そういう段階的なことができない。
いきなり3歳の子どもが、無法地帯でサバイバルを強いられる。
もちろん、様々な制限をかけることはできる。
だが、その制限はやはり限定的なものと言わざるを得ない。

どこかのネットの記事か何かで、ケータイやスマホが無かった時代の待ち合わせや暇つぶしを想像できない若者がいるという。
彼らはデジタル・ネイティブ世代だ。
無かったことを知らなかった世代だ。

しかし、そもそもネットはなかった時代から、ある世界へ移行してきた。
ネットに触れてきた大人は、なかったことを前提で開発してきた。
だから、ある程度の危険性を承知で触れることができる。
私の息子はそうではない。

手をつなげない世界へ、どのように触れさせるのか。
私は大きくなっていく彼の手を握りながら、少しずつ不安になってきている。
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