外国で一時的個人的無目的に暮らすということは

猫と酒とアルジャジーラな日々

アンマンのダウンタウンの安食堂「ヤー・ハラー」

2014-04-02 15:45:55 | ヨルダン(猫中心)


アンマンで安食堂を見つけるのは、私の使命(または趣味)のひとつだ。

ヨルダンで安食堂というと、ファラーフェル・ホンムス専門店や、焼肉専門店(鶏の丸焼き、羊肉の串焼きなど)、シャワルマ・肉系サンドイッチ屋さん等が主流だ。
これはこれでもちろん美味しいのだが、外食するときいつもファラーフェルかホンムスかシャワルマか串焼き、というのは飽きるし、胃にも負担がかかる。
やっぱり野菜のたっぷり入った優しい味の煮物が食べたい時って、あるじゃないですか。
でも、野菜料理・煮物を出す安食堂は、ここでは貴重な存在で、そうおいそれとはお目にかかれないのだ。
だからといって、中級以上のちゃんとしたレストランで食べる経済的余裕は、私にはない。
それに、こぎれいでお洒落なレストランとかって、なんだか体質に合わなくて居心地が悪いし。
結局、外食を避けて、いつも自炊することになりがちだ。

しかしこの世界においては、腰を入れて本気で探せば大抵のものは見つけられると、私は知っている。

というわけで、街を歩くとき常にキョロキョロと周りに目を配り、煮物系安食堂の探求を怠らなかった。
(というのは誇張で、なんとなく目を配っていただけですが)

そうして見つかったのが、ダウンタウンの市場周辺にある、「アンワール・アル・クドゥス」。
ここは安食堂のお手本みたいなお店である。
どれも安価なうえに、味も抜群によく、メニューもファラーフェル・シャワルマ等のアラブ共通ファーストフードから、マンサフ・マクルーベといったヨルダン郷土料理、オクラやインゲンのトマト煮などの家庭的野菜料理まで、非常に幅広い。
この店は地球の歩き方に「アンワール・アル・コッズ」という名称で載っているので、参照していただいたらよろしいかと思います。

「アンワール・アル・クドゥス」があれば、もはや外食に困ることはないので、その後、私の安食堂探求熱はとろ火になっていたのだが、最近、別の安食堂を偶然発見した。

それは「ヤー・ハラー」(アラビア語の口語で“ウェルカム”の意)という名前の、こじんまりした(=狭苦しい)食堂で、野菜・果物市場付近にある。
アンマンのダウンタウンの中心ともいえるフセインモスクを正面に見て、左脇の路地を入ってまっすぐ進み、突き当たりの手前の右側にある(私の記憶が正しければ・・・)。

この店は、以前から何度も目にしたことがあるのだが、店の佇まいからなんとなく、「どうせよくあるファラーフェル・ホンムス食堂だろう」だと勝手に決めつけ、入ってみたことがなかったのだ。

しかし先日市場帰りに、この店でホンムスを買っていこうと思いついて、初めて足を踏み入れたとき、ガス台のフライパンの中でトマトがグツグツ煮えているのを目にして、激しい衝撃を受けた(大げさ)。

こ、ここはもしや、私が思い込んでいたような、ただのホンムス食堂ではないのでは?

カウンター内のおじちゃんに聞いてみたら、ホンムスもあったので、とりあえずホンムスをテイクアウトでお願いしてから、ガラスの仕切りの向こうに並んでいる料理を観察した。
米料理2種、インゲンのトマト煮、コフタとジャガイモとトマトのオーブン焼き、鶏の丸やき、ジャガイモの入ったトマト色の野菜煮込み、そして先述のトマトのオリーブオイル煮らしきもの・・・。
トマトの活躍ぶりが目立つ。
ううむ、これは間違いなく煮物食堂だ(煮物じゃないものもいっぱいあるけど)。
こんなところに探していたものがあったなんて・・・灯台下暗しとはこのことね。
いや盲点だった、私としたことが。
はんせい、はんせい。

トマトのオリーブオイル煮も追加で注文し、テイクアウトすることにした。
1食分1JD(140円~150円)、けっこう分量が多い。
うふふ~

私は浮かれ気分で店を後にし、せかせかと家に帰った。
そして冷めないうちに、さっそくトマト煮を食べてみたのだが、予想を遥かに超えて美味しかったので驚いた。
(つまりそれほど期待はしていなかった。おじちゃんに失礼だったか)
完熟トマトをたっぷりのオリーブオイルでじっくり炒め煮した感じの、まろやかなお味。
こういう食べ物、イタリアで食べたことがある。
パスタソースにしても合いそうだ。
けっこう唐辛子が効いていて辛いけど、私は辛いものが好きなので問題ない。

ホンムスもうちの近所の店より美味しかった。
次回はぜひ他の料理にもトライしてみたいものである。
そして、テイクアウトじゃなくて、お店に座って味わいたい。

私が行ったのは夕方7時近くで、他にお客はおらず、料理はだいぶ残り少なくなっていた。
ロケーションから察するに、あの食堂は市場関係の労働者御用達で、市場や周辺のお店が締まる頃には、閉店してしまうのだろう。
ということは、狙い目はお昼ご飯かしら?
よく見たら、お店の看板にも小さく、「毎日のお昼ご飯各種」って書いてあるし。

今回の発見で、ダウンタウンの市場付近では安食堂がみつかりやすいことを再確認した。
他にもきっとあるに違いない。
そんなわけで、今後も探求を怠ってはいけないと、志を新たにした次第でございます。
・・・もうちょっと役に立つことに、エネルギーを使うべきなんだろうが・・・。









コメント (2)
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