外国で一時的個人的無目的に暮らすということは

猫と酒とアルジャジーラな日々

ダマスカスで滞在許可の更新手続きをする~マルジェの想い出編~

2009-10-25 00:53:17 | シリア
どの国についても言えることですが、外国人にとって滞在許可の更新手続きは悩みの種であり、定期的に痛む親知らずみたいなものです。とくに入国後初めて行うときは、言葉も全然通じず、勝手も分からないので、檻に入れられたウサギのようにびくびく怯えながら出頭し、訳のわからないまま、クルクルたらい回しにされて疲労困憊することになります。まあでも、何事も経験ですものね。

シリアでは入国2週間後にこの手続きをすることになっています(実際には1ヶ月以内であれば問題ない)。1回の手続きにつき通常2ヶ月まで更新できますが、入国後6ヶ月を経過したら一度シリアを出国しないといけません。6ヶ月以上滞在したい場合は、ヨルダンやレバノン、トルコなどの近隣国(イスラエルは論外ですね。イラクもやめておきましょう)に出向き、そこでシリア入国ヴィザを購入して戻ってくることになります。語学学校に長期で登録している場合は、学校が代行して滞在許可を取ってくれるようですが、わたしはいつも2ヶ月更新を自分で行っていました。
   
いままで私はマルジェ広場のそばにある移民・パスポート管理事務所(警察の管轄)で手続きしていました。バラムケ地区にも事務所はあるけど、手続きに必要な書類が多く煩雑だと聞いていたので避けていたのです。マルジェでの手続きは簡単でした。持って行くものはパスポートとそのコピー(写真とヴィザのページ)だけ。証明写真もいらない。初めて手続きしたときに書いた覚書によると、こんな具合です。

(マルジェの移民・パスポート管理事務所での滞在許可更新手続きマニュアル)

1. 事務所脇にあるお店で5リラ(約10円)払って収入印紙{注:値上がりしたかも しれない}を買う。ここでパスポートのコピーも出来る。

2. 事務所に入り、受付で申請用紙を買って必要事項を記入する。この用紙は25リラ{注・最近100リラに値上がりした。一気に4倍とは、豪気な値上げですね}。

3. 階段を2階分上ってすぐ左の部屋に入り、奥に座っているおじ様に用向きを言って、用紙にサインしてもらう。

4. 階段を1つ分降りて、正面にある、外国人で混雑した部屋にもぐりこんで一番奥の小部屋まで行き、サインをもらい、コンピューターでチェックしてもらう。

5. その部屋の手前にある広いほうの部屋へ出て(といってもやっぱり狭い)外国人の海の中をクロールし、すみっこのコンピューターの前に陣取っている係員のところにたどり着いたら、書類を渡してデータ入力してもらう。

6. コンピューターが済めば、そのすぐ脇のデスクに座っている、温和そうな顔(主観だが)をした係員に書類を渡す。彼がこの業務の中心人物である。申請書の上にいろんなことを手書きしてくれるが、達筆なので私には読めない。この係員の周りには常に大勢の人たち(イラク人とか)が群がっているので、なかなか順番が回ってこない。そばにいる太ったおじちゃんのお腹を眺めたり、汗のにおいを嗅いだりして暇つぶしをするべし。

7. その後再び階段を上がって最初の部屋のお隣の広い部屋に入り、ジェネラルと呼ばれる、やや威厳のあるおじ様にサインをもらう。

8. また階段を降りて、さっき色々記入してくれた温和そうな係員のところに戻る。今回彼はパスポートにスタンプを押し、日付や更新期間を記入してくれる。

9. 同じ階のつきあたり、右から2番目の部屋にいるムディール(所長)に書類を渡し、パスポートにサインをもらったら、あがり。

いつもこの手順かというとそうでもなくて、その時々によってディテールが違うのがなかなか心憎い感じでした。シリアってあなどれない。午前中は混むけど、1時過ぎくらい行くとすいていました。色々たらい回しにされるものの、結局30分ほども辛抱すればその場で更新許可が下りるので、それほど悪くない状況だと思いました。イタリアの滞在許可更新に比べたら、「へ」でもないです、ホント。イタリアだと何度も出頭しないといけないし、お金もかかるうえ、申請してから許可が下りるのに1年以上かかったりしますからね。受け取ったときにはもう期限が切れてたりなんかして。ありえない国です。こちらの忍耐力を試すために、わざとこんな仕打ちをしているのかしら?と、私はいつも思っていました。

コメント
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